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「すごいな……。どう見ても完璧に女性にしか見えないんだけど、カイルはどう思う?」


 まじまじと僕の秘部を観察するというとんでもない状況ながらも、どこか淡々としたような王太子殿下に対し、カイル様は直視するのを躊躇っているのか、チラリと僕のほうを見てはまた目を逸らすということを繰り返している。

 カイル様の気持ちはよく分かる。多分僕が同じ立場だったら恥ずかしさと申し訳なさで同じような態度をとっちゃいそうだし。

 でも。
 見られる側からすれば、いっそのこと王太子殿下のように義務的に堂々と見てくれたほうが変に恥ずかしさを意識しなくて済む分、幾らかマシだということがよくわかった。


「ちょっと触るけど、痛かったら言って。あ、声は余程の大声じゃなければ適当に出していいから。
──色々試したいことがあるからカイルは上のほうをお願い」

「……畏まりました」


 王太子殿下に何やら促され、渋い表情をしたカイル様が僕の後ろ側へと移動する。
 変に意識した態度のカイル様が視界からいなくなったことに僕は正直少しだけホッとしたのだが。


「じゃあ、まずはカイルのほうからやってみて」


 背後から伸びてきたカイル様の指先が、すっかり丸みを帯びた胸の膨らみの先端にある薄桃色の尖りをそっと撫でたのだ。

 その途端。


「ぁ…んッ!」


 今まで感じたことのないような未知の感覚が一気に身体を駆け抜ける。


「随分良い反応するね。もしかして、感じちゃった?」


 意地の悪い王太子殿下の質問に、僕はこの感覚が快感なのだということを知った。

 信じられない……。こんなとこが感じるなんて……。

 男の身体では少しも感じることのなかったその場所は、男の身体だった時より一回り大きくなっているだけでなく、その感覚までもすっかり変化しているようだ。


「カイル。今度は両手でそこを軽く捏ねるようにしながら全体的に揉んだり、先端を摘まんだりを繰り返してくれる?」


 背後で王太子殿下の指示に頷いたようなカイル様の気配を感じた直後。カイル様は僕を背後から抱き締めるような体勢で、胸の膨らみを優しく揉みしだきながら先端部を刺激してきた。


「ん…ッ…!はぁ…ん、いやぁ…!カイル様ッ…!あ…ッ…」


 カイル様の手の動きは僕が相手ということと、こんな状況だということで多少の躊躇いが感じられるものの、決してこういった行為に慣れていないという動きではない。

 お陰で僕は今まで感じたことのないような快感に身体をビクビクと震わせ、あられもない声をあげる結果になってしまった。


 一方の王太子殿下はというと。

 既に自分で拡げることすら忘れていた僕の足にそっと手を掛け、気障ったらしく膝頭にチュッと口づけてから、膝裏を掬うように持ち上げている。

 そして。

 王太子殿下はそのまま僕の足を肘掛けに引っかけるようにして乗せると、いつの間にか持ってきていたらしい紐を使って、僕の足と肘掛けとを固定してしまったのだ。

 嘘!?何この体勢!!

 一瞬にして自分がどんな格好をさせられているか脳内で客観的に認識してしまった僕は全身を朱に染めながら身を震わせた。


「これでキミの状態が一層よく見えるようになった。──じゃあ、そろそろ僕も始めようかな」


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