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第一章:一年生第一学期 魔法の深淵と神髄に触れる資格は
第58話 出来れば後悔してほしかったんだがな
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【前回】筆記試験を決定し、今度は実技試験をどうするか検討するティア
第58話 出来れば後悔してほしかったんだがな
――本当にどいつもこいつも。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
「ディアル。」
「ん、あぁティアか。どうした?」
「ほら、定期テストの。……初めてだからあんまり期待するなよ。」
「ありがとう。本気で期待してる。」
「するなって言ったんだが。」
用意も出来たのでだらだらする理由もなく、さっさと面倒事を片してしまおうと持ってきてみればこれだ。
碌に人の話を聞かずに確認作業を始めたディアルはこの状況が大変好ましいようで、憎らしい事に鼻歌を歌いながら作業している。
コンコンコンッ。
「ディアル、次の……ってあっ! もー来てたなら来てたって言ってよ、ティア。」
「良いだろ、別に。どうせそんなに大した用じゃない。」
「それでも! 声掛けてもらえるってだけでも嬉しい物よ?」
「変な趣味だな。」
「別に私に限った話じゃないわよ。……全く。ってあ、そうだ。ティア、お昼は?」
「まだ。帰りに適当に買って帰ろうと思ってる。」
「ならこれ食べて行って! 今回はおにぎり作ってみたの、中身は結構ランダムだからそれも楽しんでね。」
「勝手な……。」
だからと言って折角出された物を試さずして結論を出してしまうのは主義に反する。乗せられているような気がして多少思う所がない訳ではないが、まぁ今回は明らかに此方の負けだ。
大人しくテーブルがセットされているのを眺め、待ちつつ許可が降りた頃合でいつも通りに食事の前の挨拶を済ませ、水魔法で生成した水泡で手を洗い。持ち歩いているハンカチで拭いたら準備は完了だ。
味は疑っていない。シャルの料理はそんなに味が濃くない上、しつこくもない。かと言って味気なさもない。本当にビックリする程に美味しいのがシャルの料理だ。
「……うん。」
「どう? 何味だった?」
「味噌と……大根?」
「大根の田楽だね。どう? 美味しい?」
「あぁ、美味しい。」
「欲しいならもう1個あるわよ、これがそう。」
是非ともどうやって中身を判別しているのか教えてほしい、切実に。この100はありそうなおにぎりの中身を全部覚えている訳ではないだろうし。
「……。」
「何だ、言いたい事があるなら言え。」
「……ティア以外がこのテスト内容を持ってきたら断固として作り直させる自信がある。」
「そうか。なら俺が作ったからその必要はなさそうだな。」
「そう受け取っちゃうか~……。」
「ふふ、やっぱりぶっ飛んでるの?」
「あぁ、かなり。まだ士官学校とか軍大学でそういうのをやってると言われた方が納得するレベルだよ。シャルも見てくれ。」
「どれど…………。」
「言いたい事があるなら好きに言え。」
「……出来ないって言えない辺り本当に怖いわね、貴方って。明らかに異常な内容ではあるんだけど教師が教師なら生徒も生徒だからなぁ、貴方の場合……。」
「まぁ多少は優秀ではある。」
「多少って。」
「あぁ……。まぁでもティアの事だ、落とさせる為の物じゃなくて予習的な意味合いが強いんだろ?」
「勿論。そうじゃないとフェアじゃないからな、筆記試験の応用は1割だけ。」
「実技試験は?」
「気付けば簡単な応用だな。……まぁ大丈夫だろ。」
「相変わらず雑だなぁ、お前は……。良し、じゃあ移動しようか、ティア。」
「……気が乗らない。」
「乗らなくてもやるんだ。ほら。」
「はぁ……。」
一応は全世界レベルで最上位クラスに該当するこの学校ではワンシーズンに一度だけ職員会議が行われる。常勤も非常勤も関係なく全員が参加し、ワンシーズンごとに予定を決定する事を目的としている。
予定の確認なんて物は社会人なら個々でやるべきであり、わざわざ誰かと共に確認しなければならないような難しい内容ではないのだからと色々断捨離された結果がこれだそう。
面倒な事にならなきゃ良いが。
ただでさえ味方を創るよりも敵の方を就けたがる性分の俺だ、無責任に優しくされるよりは完全に嫌われるかある程度距離を取ってもらえる方が此方としては色々安全だったりする影響もあって必要以上に仲良くしようとするつもりはない。本職の関係もあって変に関係者を増やすと人質候補を無意味に増やす事になる。
だからこそ、個人的にはこの職員会議も蹴り飛ばしてしまいたいものの、だからと言って一度引き受けた仕事である以上簡単にあいつらの教師を辞めるつもりはない。
結果、面倒だが出ないといけないんだよなぁ……。
「なるべく早めに終わらせてくれ。」
「努力はするけど断言は難しい、な。」
「まぁでも安心してよ、ティア。私達が傍に居るからさ?」
「……どうだか。」
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
――次回「第59話 出る杭はとことん叩け」
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
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今後とも『夜に煌めく炉は蒼銀で』をよろしくお願いいたします。
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――本当にどいつもこいつも。
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「ディアル。」
「ん、あぁティアか。どうした?」
「ほら、定期テストの。……初めてだからあんまり期待するなよ。」
「ありがとう。本気で期待してる。」
「するなって言ったんだが。」
用意も出来たのでだらだらする理由もなく、さっさと面倒事を片してしまおうと持ってきてみればこれだ。
碌に人の話を聞かずに確認作業を始めたディアルはこの状況が大変好ましいようで、憎らしい事に鼻歌を歌いながら作業している。
コンコンコンッ。
「ディアル、次の……ってあっ! もー来てたなら来てたって言ってよ、ティア。」
「良いだろ、別に。どうせそんなに大した用じゃない。」
「それでも! 声掛けてもらえるってだけでも嬉しい物よ?」
「変な趣味だな。」
「別に私に限った話じゃないわよ。……全く。ってあ、そうだ。ティア、お昼は?」
「まだ。帰りに適当に買って帰ろうと思ってる。」
「ならこれ食べて行って! 今回はおにぎり作ってみたの、中身は結構ランダムだからそれも楽しんでね。」
「勝手な……。」
だからと言って折角出された物を試さずして結論を出してしまうのは主義に反する。乗せられているような気がして多少思う所がない訳ではないが、まぁ今回は明らかに此方の負けだ。
大人しくテーブルがセットされているのを眺め、待ちつつ許可が降りた頃合でいつも通りに食事の前の挨拶を済ませ、水魔法で生成した水泡で手を洗い。持ち歩いているハンカチで拭いたら準備は完了だ。
味は疑っていない。シャルの料理はそんなに味が濃くない上、しつこくもない。かと言って味気なさもない。本当にビックリする程に美味しいのがシャルの料理だ。
「……うん。」
「どう? 何味だった?」
「味噌と……大根?」
「大根の田楽だね。どう? 美味しい?」
「あぁ、美味しい。」
「欲しいならもう1個あるわよ、これがそう。」
是非ともどうやって中身を判別しているのか教えてほしい、切実に。この100はありそうなおにぎりの中身を全部覚えている訳ではないだろうし。
「……。」
「何だ、言いたい事があるなら言え。」
「……ティア以外がこのテスト内容を持ってきたら断固として作り直させる自信がある。」
「そうか。なら俺が作ったからその必要はなさそうだな。」
「そう受け取っちゃうか~……。」
「ふふ、やっぱりぶっ飛んでるの?」
「あぁ、かなり。まだ士官学校とか軍大学でそういうのをやってると言われた方が納得するレベルだよ。シャルも見てくれ。」
「どれど…………。」
「言いたい事があるなら好きに言え。」
「……出来ないって言えない辺り本当に怖いわね、貴方って。明らかに異常な内容ではあるんだけど教師が教師なら生徒も生徒だからなぁ、貴方の場合……。」
「まぁ多少は優秀ではある。」
「多少って。」
「あぁ……。まぁでもティアの事だ、落とさせる為の物じゃなくて予習的な意味合いが強いんだろ?」
「勿論。そうじゃないとフェアじゃないからな、筆記試験の応用は1割だけ。」
「実技試験は?」
「気付けば簡単な応用だな。……まぁ大丈夫だろ。」
「相変わらず雑だなぁ、お前は……。良し、じゃあ移動しようか、ティア。」
「……気が乗らない。」
「乗らなくてもやるんだ。ほら。」
「はぁ……。」
一応は全世界レベルで最上位クラスに該当するこの学校ではワンシーズンに一度だけ職員会議が行われる。常勤も非常勤も関係なく全員が参加し、ワンシーズンごとに予定を決定する事を目的としている。
予定の確認なんて物は社会人なら個々でやるべきであり、わざわざ誰かと共に確認しなければならないような難しい内容ではないのだからと色々断捨離された結果がこれだそう。
面倒な事にならなきゃ良いが。
ただでさえ味方を創るよりも敵の方を就けたがる性分の俺だ、無責任に優しくされるよりは完全に嫌われるかある程度距離を取ってもらえる方が此方としては色々安全だったりする影響もあって必要以上に仲良くしようとするつもりはない。本職の関係もあって変に関係者を増やすと人質候補を無意味に増やす事になる。
だからこそ、個人的にはこの職員会議も蹴り飛ばしてしまいたいものの、だからと言って一度引き受けた仕事である以上簡単にあいつらの教師を辞めるつもりはない。
結果、面倒だが出ないといけないんだよなぁ……。
「なるべく早めに終わらせてくれ。」
「努力はするけど断言は難しい、な。」
「まぁでも安心してよ、ティア。私達が傍に居るからさ?」
「……どうだか。」
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