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しおりを挟むスープが出来たとの事なのでジンは早速味見をするのだが、いつもと同じ材料なのにスープの色も匂いも違うことに首を傾げた
「彩葉ぁぁあーーーーー!!!!こ、これはなんだ!!」
「え?美味しく出来たと思うんですけどダメですか?」
「いや、すごく美味しい!じゃなくて!」
ジンはこんな高級そうな調味料を使ったスープは食べた事がなく、またすごく美味しかったので驚愕をしていたのであるが、彩葉は美味しいと言われたことにほっとして上手く出来ました!と的外れな返答をしニコニコしている。
そんな彩葉の対応にジンは頭を抱えた
「これどうやって作った??」
「おたまで混ぜました!」
「混ぜただけじゃあこうならないだろう~はぁ」
ため息混じりに目頭を抑えるジンさん
昨日に引き続き彩葉に任せるとなぜか食べた事のない料理ができ、しかもとても美味しい。
そんな状況に理解できない様子
彩葉はポン!と手を叩き
「あ!Myおたまで混ぜるとスキル?で自分が思い浮かべていた料理の味に再現できるみたいです!」
まだ検証途中なんですけど、
やってみたら出来ました!凄くないですか??
とジンさんにキラキラした目で話し掛ける彩葉
そんな彩葉のスキルを今まで聞いた事も見た事もないジンはまたも頭を抱えたくなった。
それもそのはず彩葉しか持っていないスキルである
彩葉が違う世界から来たことを知らないジンは調味料をふんだんに使った美味しい料理を今まで食べてきていたと言うことは、それなりの家庭に生まれた訳ありな子なのだと的外れな事を思っていた。
「美味しいから良いが、次からは必ず一言言ってくれ」
そんな言葉と共にジンは深く考えること止めたのであった。
そんなこんなで時間は過ぎていて、
ジンさんに朝食を食べるように言われたので食べる事にした彩葉
パサパサの硬いパンにジンさんが作った目玉焼きとベーコンのような肉
オニオンスープとリーをお皿に盛り
キッチンの端に移動した
いただきます!と食べたのは良いが
そのままのパンを食べたら固くて顎が疲れる。
その後はオニオンスープに浸して食べたからスムーズに食べる事ができたのだが、そのまま食べたら何分かけて食べることになるのだろう。
ふかふかのパンが食べたい。
そう思っている時にふとお皿を見ると
林檎に似た果物リーが目に入った。
そういえば天然酵母って林檎で作れたよね・・・?
今ならリーの芯やうさぎ切りした時の皮などがキッチンに残っている!作ってみよう!
決まったら即行動とばかりに
急いで朝食を食べ、食器を片付け
ジンさんの元に
「ふかふかのパンが食べたいので使わない瓶を下さい」
ジンはまた訳の分からない事を言い出した彩葉に困惑
「瓶ならこれを使え。でも瓶でふかふかのパンってなにすんだ??」
彩葉はニコッと笑ってこれでふかふかのパンを作るんです!ただこれしか言わない。
ジンはそれ以上の追求はせず
そっか、彩葉の好きにしろと言う
ジンはふかふかのパンに興味があるのは勿論だが、何だかんだ彩葉のやる事を面白がっており、そして甘かったのであった
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