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急いでキッチンに戻った彩葉


「おう!やっと戻って来たか!戻ってくるのが遅いから忘れちまってるかと思ったよ、ハッハッハ」

「実は女将さんに言われるまで忘れてました」

てへっと笑って誤魔化した彩葉は
これ以上何かを言われないように話を変える


「ところで話ってなんですか??」

「いや~な、考えてたんだけどよ。
今日作ったトルティーヤ?だかを昼飯に出してみたらどうかなと思ってな
見た目もいい!食べやすい!何より美味い!!
見た事ない料理でここしか食べれないとくれば絶対評判になると思うんだよ!

それに昨日のカレーの噂を聞いた客が今日もあるのかって聞かれてよ~彩葉が良ければ作ってみねぇか??」

ジンは彩葉にしか作れない味付けの料理で尚且つ彩葉の負担なども考えて相談してみたのだがそんな心配を余所に


「作ります!!」

彩葉は即答した。
だって料理が大好き!!
いや、ただ美味しい食べ物を食べるのが好きなだけかもしれないが…

そしてあわよくば他にも違う料理を作って流行らせようなどと思っていたりする。


「ジンさん!!私自分のスキルちゃんと分かってないのでここで試してみていいですか!?」

何かを閃いた彩葉は
もうテンションが上がりすぎて暴走モード

そんな彩葉にジンは何をやるか分かっておらず
「おう!」と一言言った


「ありがとうございます!!
あ!後調味料いれる入れ物貰えますか??」

ジンは「??」となりながらこんなんで良いか?と
何個かジャム瓶のような容器を彩葉に渡してきた


そして瓶を受け取った彩葉はありがとうございます!と早速煮沸消毒をするのであった。


さぁ、彩葉が何をしようとしてるかと言うと

今まで、料理中におたまを入れて味付けをしていた彩葉は、調味料だけを出すことが出来ないかと考えていた。

調味料だけ出すことが出来るのであれば
他の人でも調味料を使用することができるし
もっと色々な料理も作れる


そしてなにより和食が食べたい!!


煮物!焼き魚!豚汁!だし巻き玉子!!

そして1番重要な米は絶対外せない!!


日本人はやっぱり和食よね!
考えてるだけでヨダレが…

まだ出会えてもいない食材が多々あるのだが

ある物だと思っている彩葉は自分の食べたい料理を想像しながら意味ありげに薄笑いを浮かべていた。


そしてそんな様子をジンは顔を引き攣らせながら見ているのであった。

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