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冷蔵庫から必要な物を取り出し
お昼の仕込みを始める彩葉は慣れた手つきで
あっという間に唐揚げの下準備を終わらせる。

オーロラソースはすぐ出来るので唐揚げを揚げた後に作る予定なので暇だ


チラッとジンを見ると慣れない味付けの料理に苦戦しているようだ
味見をしては首を傾げている


「ジンさん手伝いましょうか??」

「大丈夫だ!任せろ!」

 
ジンは必死なのか
こちらを見ないでそう言ってきた

凄く真剣だ…

まぁ大丈夫と言ってるしなにかあれば言ってくるだろう!と思い彩葉は冷蔵庫に向かう


冷蔵庫に向かうとお目当ての
野菜と食材を取り出しキッチンに戻る


そう。彩葉は暇なので
勝手に付け合せを作ろうとしていた。

ジャガイモ、キュウリ、ベーコン

簡単ポテトサラダを作るようだ。

まずはとジャガイモを全て洗い汚れを落とすと
水の入った鍋に皮がついたままのジャガイモを入れ火にかける


その間にキュウリを薄く輪切りにし
塩揉みをしておき

ベーコンは短冊切り(細長い棒)のような状態にカットし
カリッとするまでフライパンで焼き粗熱をとる


ベーコンの焼いた匂いってなんでこんなに食欲をそそるいい匂いなんだろうなんて思っている内に
先程からボコボコと音を立て沸騰している鍋の中のジャガイモを確認しに行く

柔らかくなったか確認する為大きめのジャガイモを数個箸で刺すとスッと通ったので柔らかくなったようだ


茹でたジャガイモを取り出し
熱いうちに皮を剥くのだが、熱すぎてジャガイモを中々剥けないでいる彩葉


「これ皮を剥けばいいのか??」

ジンにバレた。
何作ってやがるって顔している

何も気がついてませんよ~って顔をしながら

「熱いうちに皮を剥いてつぶさなきゃいけないんですけど熱くて中々剥けなくて…」


彩葉がそう言うとジンは慣れた手つきで一緒に皮を剥いてくれた。熱くないの?ってぐらいあっという間に剥くジンに彩葉はお礼を言い

ボウルに入れたジャガイモを粗めにつぶし

ある程度冷めるまで冷蔵庫にイン

そのタイミングをみはからってジンが話かけてきた


「で、彩葉お前はまた何作ってやがる?」

ちょっと呆れた顔をされてるのが解せぬ


「どうせなら一緒に付け合せをと思って作ってたんですけど…途中でバレました!」

へへへっと笑いながら言う彩葉

「あれだけベーコンの匂いがしてたらバレるに決まってるだろ!笑
またとんでもねぇもん作ってねぇだろうな?と思ったが今回は大丈夫そうだな!出来たら味見させてくれ!」


「わかりました!美味しく出来るように頑張ります!」


ジンは勘違いしていた

ジャガイモにベーコンを混ぜて完成なんだと
そして彩葉にしては簡単な物を作ってるなと

そんな訳がないのだが、
ジンがそれを知るのは出来上がり味見をするときの話である
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