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13.守護魔法
しおりを挟む「あのね冬斗、守護魔法に限らず魔法には魔力の質と量が深く関係しているんだ。」
勝手に対抗心を燃やしていると、フィオがなにやら説明をはじめる。その表情からしてなにやら重要な話のようなので、俺もまじめに聞く体勢をとる。
「適性はその魔法を使用できるか、魔力の質と量は魔法を使った時の強さや効果に違いが出る。だから同じ火の魔法を使ったとしても、人によって熱さや炎の大きさが変わるんだ。
同じ魔法をぶつけた時、質と量が高い人にのまれてしまう。
精霊魔法で言うと蒼葉は魔法の質が最高だね。魔力量はまだ幼くて少ないから、豊作祈願を広範囲に発動できるのは僕だけど、作物がより美味しくなるのは蒼葉だ。
これと同じような感じで、冬斗は守護魔法の質がとても高いみたい。魔力量も人より多めだから、この宮殿を覆っている結界を打ち消そうと思えば出来てしまうんだ。だからね、冬斗が守護魔法を使えると知られると少し厄介な事になるから、これから気をつけた方がいいかもしれない。
あ、でも、蒼葉に魔法をかけても精霊がかけたものだと思われて、冬斗は疑われないから好きなだけかけて大丈夫だよ。」
急に詰め込まれた情報に溺れそうだが、とりあえず誰にも言わないことと、誰彼構わず魔法をかけるのはやめた方がいいということは分かった。でも、この宮殿を覆っている結界を打ち消すことが出来るのはいいこと聞いたな。
「分かったありがとう。」
「蒼葉と僕の精霊魔法の違い見てみる?」
「それは見たいかも!!」
そういうと精霊2人と遊んでいた蒼葉を呼びさっき練習していた魔法を見せてくれた
「出てきて桜の花びら! ふ~っ」
「桜 ふっ」
すると蒼葉の桜は、さっき見た時のようにピンクの光が混じりキラキラしているが、フィオの桜にはそれがなかった。ただ花びらの量がとても多い。
同じ魔法なのにこんなに違うのか…
魔法って奥が深いんだな…
「どう?僕の言ったこと分かった?」
「うん。百聞は一見にしかずだな。」
「分かったなら良かった!」
「フィオお兄ちゃん!別の魔法も教えて~!」
「いいよ、広いところ行こうか」
「あ、フィオ。攻撃性のある魔法は教えないでくれ」
そう言うと、了解と言って蒼葉に魔法を教え始めた。
その光景を見て、あぁ、フィオは信用してもいいんだ。と思う。
あれだけ複雑にあれこれ考えていたくせに、少し話をして、蒼葉を見つめる目が優しいからと簡単に味方認定してしまう自分が怖いが、まぁいい。
どうせあと1週間でこの宮殿を出るのだ。
最後くらい楽しい思い出をつくろう。
そう思いながら目の前の2人をみて、ほっと息を吐いた。
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