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序章
お仕事に行ってきました(後編)
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2番隊が帰宅してから数時間後
【本部・会議室】
大きな丸机を囲む椅子には各隊の隊長と、役職ごとの班長、ミハイル、それにアナスタシア。
「それでは、これから会議をはじめる。今回お前達に集まってもらったのは、2番隊が遭遇した異形について対策を練るためだ…アスカ」
アナスタシアの呼びかけに、睡眠時間を削って仕上げた資料を持ってアスカが立ち上がある。
『2番隊隊長、アスカ・アルテリオンから報告いたします。…まず昨日我々が赴いた仕事ですが、結論から言うと当初の報告とは異なり居たのはたった1体の異形だけでした。そしてその異形はこれまで報告されたタイプとは違い、人型で言葉を発し、自我があるということがわかりました』
「なんだと!?アレの形態は数百年変わってこなかったんじゃぞ!」
「たしかに…いきなり進化するというのは不自然ですね」
数人の視線がアナスタシアに集まる。
「はぁ…原因もなにも分からぬのだ。わかるのはこの戦いに何らかの動きがあったということだけだ」
彼女とて全てが分かる訳では無い
困り笑いを浮かべるしかできないのだ。
「…じゃあ、アスカはどう思うんだい?」
いきなりのリンからの質問に、少アスカは少し思案する
『これはあくまでわたしの考察なのですが…おそらく異形よりも遥かに知能の高い誰かが裏で操っているのではないでしょうか』
「例えば人間とか…な」
こんなこと、本当は認めたくない。
だが、どう考えてもそういう結論になってしまうのだ。
会議室に重い沈黙が走る
次の瞬間、衝撃波と共に轟音が響き渡った
「あぁぁあ!もうこんなはなしやめるっす!確かめたいことがあるなら自分の目で確認するのが1番っす!」
それは自他ともに認める怪力娘エマが机を叩いた音だった。
当然、机は2箇所窪んでいる
「アナさん!とりあえず戦うっす!その人形と戦ってればなんかわかるっす!ね!」
「あ、ああそうだな…よしでは二番隊及び三番隊、特務隊に任務を与える。軍長室に来い」
『 「「御意」」』
「よし、では解散!」
十数分後
【軍長室】
16名がソファーに座りやたらと人口密度が高い部屋に、やたらテンションが高いレイとエマ。
軍長室は最早灼熱地獄である。
「アナ!長期任務なのか!?そうなのか!?」
「よしレイ、落ち着こうね」
「アナさん!早く話を!」
「ああ…これからお前らには二手に分かれて大陸中を移動してもらう。その過程で異形に遭遇したら潰すか情報を吐かせろ」
要は、大陸中の異形と戦えばいいのだ。
新型がいたら儲けということだろう。
『いいですね、面白そうじゃないですか』
「じゃあ私たちは二つに別れれっすね!みんな、ここは平等にいくっす!グーとパーで」
「別れましょ!」
結果的には、戦力的にもちょうどよく1回で決まったようだ。
二番隊につくことになったエマの喜声(奇声)が聞こえる。
「各自の携帯ホログラムに随時配信する地図通りに行け。お前らについては心配してないからな…あとは好きにやってくれて構わない。じゃあ準備ができ次第出発しろ!」
それぞれがそれぞれの部屋に戻り、荷造りを始める。
そんな中で、アナスタシアは一人祀室に向かう
そこで祀られるのはかつての闘竜
壁には、彼らの肖像画が飾られる。
そしてその中でも一際大きな絵の前で、アナスタシアが跪く。
絵の中では、銀髪の女性が優しく微笑んでいた
ーどうか誰も失わないように
わたしの祈りはとどいていますか?
「戦姫スノーホワイトよ…」
【本部・最上部】
眼下を流れる雲の切れ目から、高層ビル群が覗く。
冷たい空気と、吹き抜ける風が心地よい
『あ~…ここにもしばらく来れないんだろうなぁ』
「そうね…」
「帰ってくればまた来れるのだ!ちゃっちゃと終わらせて帰ってくるのだ!」
「そうと決まれば早く行くっす!少しでもはやく戻って来るっす!」
『そうですね!じゃあ出発します!』
アスカの掛け声と同時に7人が手すりをけった。
衣服の靡く音に混じって、上の方から声が聞こえる
「気ぃつけてなぁあ!また連絡するじゃぁぁん!」
「いってらっしゃい!アスカー!」
『リン兄たちも気をつけてねぇー!』
今まで見えていた人影が見えなくなったので、落下方向を見下ろす。
このままの勢いなら、目的地周辺に着地できるだろう
目指すのは、水の都・ハストゥーシャ…
ー私達はまだ知らなかった。
これが、長い戦いの分岐点への
入口だということを
どうか正しい道を選んで。
大切な人をなくすことのない道…私が化物にならない道を
自己満足だって構わない
何だって利用してやるさ
《 すべての鍵は白雪が握る》
【本部・会議室】
大きな丸机を囲む椅子には各隊の隊長と、役職ごとの班長、ミハイル、それにアナスタシア。
「それでは、これから会議をはじめる。今回お前達に集まってもらったのは、2番隊が遭遇した異形について対策を練るためだ…アスカ」
アナスタシアの呼びかけに、睡眠時間を削って仕上げた資料を持ってアスカが立ち上がある。
『2番隊隊長、アスカ・アルテリオンから報告いたします。…まず昨日我々が赴いた仕事ですが、結論から言うと当初の報告とは異なり居たのはたった1体の異形だけでした。そしてその異形はこれまで報告されたタイプとは違い、人型で言葉を発し、自我があるということがわかりました』
「なんだと!?アレの形態は数百年変わってこなかったんじゃぞ!」
「たしかに…いきなり進化するというのは不自然ですね」
数人の視線がアナスタシアに集まる。
「はぁ…原因もなにも分からぬのだ。わかるのはこの戦いに何らかの動きがあったということだけだ」
彼女とて全てが分かる訳では無い
困り笑いを浮かべるしかできないのだ。
「…じゃあ、アスカはどう思うんだい?」
いきなりのリンからの質問に、少アスカは少し思案する
『これはあくまでわたしの考察なのですが…おそらく異形よりも遥かに知能の高い誰かが裏で操っているのではないでしょうか』
「例えば人間とか…な」
こんなこと、本当は認めたくない。
だが、どう考えてもそういう結論になってしまうのだ。
会議室に重い沈黙が走る
次の瞬間、衝撃波と共に轟音が響き渡った
「あぁぁあ!もうこんなはなしやめるっす!確かめたいことがあるなら自分の目で確認するのが1番っす!」
それは自他ともに認める怪力娘エマが机を叩いた音だった。
当然、机は2箇所窪んでいる
「アナさん!とりあえず戦うっす!その人形と戦ってればなんかわかるっす!ね!」
「あ、ああそうだな…よしでは二番隊及び三番隊、特務隊に任務を与える。軍長室に来い」
『 「「御意」」』
「よし、では解散!」
十数分後
【軍長室】
16名がソファーに座りやたらと人口密度が高い部屋に、やたらテンションが高いレイとエマ。
軍長室は最早灼熱地獄である。
「アナ!長期任務なのか!?そうなのか!?」
「よしレイ、落ち着こうね」
「アナさん!早く話を!」
「ああ…これからお前らには二手に分かれて大陸中を移動してもらう。その過程で異形に遭遇したら潰すか情報を吐かせろ」
要は、大陸中の異形と戦えばいいのだ。
新型がいたら儲けということだろう。
『いいですね、面白そうじゃないですか』
「じゃあ私たちは二つに別れれっすね!みんな、ここは平等にいくっす!グーとパーで」
「別れましょ!」
結果的には、戦力的にもちょうどよく1回で決まったようだ。
二番隊につくことになったエマの喜声(奇声)が聞こえる。
「各自の携帯ホログラムに随時配信する地図通りに行け。お前らについては心配してないからな…あとは好きにやってくれて構わない。じゃあ準備ができ次第出発しろ!」
それぞれがそれぞれの部屋に戻り、荷造りを始める。
そんな中で、アナスタシアは一人祀室に向かう
そこで祀られるのはかつての闘竜
壁には、彼らの肖像画が飾られる。
そしてその中でも一際大きな絵の前で、アナスタシアが跪く。
絵の中では、銀髪の女性が優しく微笑んでいた
ーどうか誰も失わないように
わたしの祈りはとどいていますか?
「戦姫スノーホワイトよ…」
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「そうね…」
「帰ってくればまた来れるのだ!ちゃっちゃと終わらせて帰ってくるのだ!」
「そうと決まれば早く行くっす!少しでもはやく戻って来るっす!」
『そうですね!じゃあ出発します!』
アスカの掛け声と同時に7人が手すりをけった。
衣服の靡く音に混じって、上の方から声が聞こえる
「気ぃつけてなぁあ!また連絡するじゃぁぁん!」
「いってらっしゃい!アスカー!」
『リン兄たちも気をつけてねぇー!』
今まで見えていた人影が見えなくなったので、落下方向を見下ろす。
このままの勢いなら、目的地周辺に着地できるだろう
目指すのは、水の都・ハストゥーシャ…
ー私達はまだ知らなかった。
これが、長い戦いの分岐点への
入口だということを
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