ホーリー・ドラゴン

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銀の2人

銀髪と愉快な仲間たち

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私の名前はアスカ・アルテリオン、9歳。
職業は闘竜です
今、私はバスから降りて8人の仲間といっしょに走っています!
なぜかって...?
それは
『めっちゃ追いかけてくるぅぅ!マリさん早く逃げてぇぇ』
そう、大量の新型に追われているのです。
すっごいね!ファンタジーだね!
「アスカ現実逃避してないで走って!開けた場所までいくわよ」
今アスカたちが走っているのは大きな街のど真ん中。
いつ一般人に危害が出るかわからない。
人のいない、ある程度広い場所に出てから迎えうつことにした。
それまではひたすら走らないといけないのだが...
「なんかこれ...増えてませんか?」
「言っちゃだめなのだ...」
さっきから明らかに異形が増えてきている。
走っているうちに徐々に合流してきているのか?
いや、それより何処から沸いた?
謎は深まっていくばかりだ。
まあ、もう少しで原っぱに抜ける。
倒してしまえばそれでおしまいなのだ。
「見えたのだ!急ぐのだ!」
「アスカ先行って!」
『了解です!皆は直前まで引き付けたら横に飛んでください』
返事も聞かずにアスカはスピードを上げ始める。
すると、すぐに原っぱのたどりついた。
『森の賢者~greenowl~』
これはハストゥーシャの時と同じマホウだ。
植物を凶暴化させるので、その植物は一見食肉植物のようになる。
しかし、所詮はただの草だ。
攻撃力なんかあるわけがないので、細工をしなければならない。
『強化!』
対象となった植物の体が一瞬光った。
見た目には何の変化も起きてないが、これで相応の力を出せるようになったのだ。
あ、ちなみにここまでかかった時間は約6秒である。
異形が来るまであと五秒とい
ったところか...
『みんな、合図で飛んでくださいね!3.2.1.ゴー!』
急なことだったが、全員ちゃんと避けてくれたようだ。
一方異形は対象が一瞬で視界から消えたことにより、困惑しているのか少し動きが止まった。
『よし、行け!』
1秒にも満たないタイムロスだが、攻撃には十分だった。
異形が再び動き出した時、もう目の前には食肉植物の口が迫っている。
マホウで強化された牙や蔓は異形の体を引き裂き、貫き、粉砕する。
あれだけいた異形は、またたく間に土へ還っていった。
『ふぅ~...こんなもんかな?Ⅱ型いなくてよかった』
「おつかれなのだ!マリも無事なのだ」
『そうですか!良かった』
ふと、自分達が通ってきた通りを見ると町の人たちが不安そうにこちらを見ていた。
『怖がらせちゃいましたね。今日はここに泊まるのに』
「仕方ないわよ、ほら宿に行きましょ」
「そうっすね」
さっき来た道を戻ると探していたホテルは案外すぐに見つかった。
しかし、そこのオーナーがアスカを見た途端変な悲鳴を漏らしていた。
まあ見たこともない巨大植物に腰掛け、それを操っているのだから怖がって当然だ。
『(でも、地味に傷ついた...)』
若干不満はあるが、また同室になったマリに愚痴でも聞いてもらおう。
...と思っていたのに
『あの...マリさん?あれ何ですか?』
「...異形だよね。しかも必死に窓に張り付いてる」
『ですよね~...というかあれ、スライムなのに吸盤みたいにならないんだ。あ、滑り落ちた』
アメーバ状の異形が地面に落下したであろう音が聞こえる。

どうしてこうなった?

今日は厄日だ。しかも異形関係で
『(もしかしてマリさんを追ってる?...まさかね)』
不意によぎった考えをかき消し、目の前のトランプに集中する。
そうだ、今はババ抜きの最中だ。
『(考えるな...頑張れ私!)』
「どうしたのだアスカ?次アスカの番なのだ」
『う、うんそうだね』
レイはババを引いたショックで異形の存在に気づいていない。
マリとリノンも...おそらく気づいていない。
なら気にしなくていいことなのだ。
気にしたら負けだ、気にしたら...
「きゃぁぁ!異形!変態!落ちろ!死ねぇぇ!」
気にしろと?神様は私に気にしろというのですか?1匹の異形すら無視させてくれないのですね?
『エレナー?...ユリア、エマ、アルマ?大丈夫ですか』
ドアを強くノックしてみるが、返事はない。
ただの屍のようだ。
『大丈夫みたいですよ、さぁ戻りましょう』
「いや、絶対なんかあったでしょ?」
「そうなのだ」
ごめんなさい神様、無視させてくれないのは仲間達でした。
「失礼します、はいりますよ?」
「失礼するのだ」
人の部屋を勝手に開けて入っていった2人についていくと、そこに広がっていたのは酷い光景だった。
凍りついた天井と至るところに突き刺さったナイフ(対人用)、へこんだ壁に吹き荒れる突風。
全て見たことあるものだ。
おそらく、風呂上りにいきなり異形が出たとかで気が動転したのだろう。
だが、やりすぎではないか
片付けるのは結局リノンとアスカだ。
『厄日だ...ついてないな』
部屋を片付けながらアスカが呟いた。


『っていうことがあったんです!』
皆が寝静まった部屋の中、アスカとアナスタシアが通信をしていた。
会話内容は、主にアスカの愚痴である。
「災難だったな...しかし、最近多くないか?」
『そうなんですよね、何ででしょう』
「それは...な?」
『やっぱりですか?』
アナスタシアの視線の先にいるのは、熟睡するマリ。
こんな事がおき始めたのはマリが来てからだ。
こんなこと考えたくはないが、マリが異形をひきつけていると考えてもおかしくはない。
「まあ、もう少し様子を見てみろ」
『はい、じゃあおやすみなさい』
「あぁ、おやすみ」
明日も朝早く出るので、睡眠はできるだけ取らなくては
そう思い、ベッドに入ったアスカは疲れていたのかすぐ眠ってしまった。
全員が寝静まったかと思われた部屋の中、かすかに動くものがある。
「聞いちゃった、やっぱり私疑われてるのね?...当然か」
小さな呟きと笑い声は誰の耳にも届かなかった。
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