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第31話 水の妖精①
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「今日はもう休むとしよう。エメラーダ殿、カレドニゥスから来てくださったというのに、ろくなもてなしもせず申し訳ない」
「お気になさらないでください。我々は、遊びに来たのではありませんから」
ハーマンは一同を解散させた。エメラーダ一行は、ハーマンの従者の案内により、ドラフォン城内の客間に向かう。
従者が離れた後、エメラーダ達は、改めて客間に集まった。
「今度は何をやるってんだ」
マックスはエメラーダを見るなり言った。
「ロビンの助けを借りて、水の妖精を探すのよ」
ルシエルが代わりに答える。
「あたしの代わりに、ロビンの意識を飛ばすのよ。ロビンだったら、警戒されないでしょ」
「相手がロビンに変わっても、警戒はされると思うがな。誰もいないのに、声だけするの、おかしいと思わないやつはいないだろうが」
「それもそうだ。しかし、この方法しかないだろう」
フォレシアが口を開く。
「とにかく、やってみるしかないでしょ。エメラーダ。蒼き剣を出してちょうだい」
ルシエルに言われるまま、エメラーダは懐から蒼き剣を出した。
「あらら。短くなってる」
ルシエルは、短剣になっている蒼き剣をまじまじと見た。
「カレドニゥスでヌイグルミと戦ったとき、ルシエルさんはその場にいませんでしたからね。平時は、短剣になってもらっているんです」
「なるほど。確かにそっちの方が扱いやすいわね。じゃ、いくわよ」
ルシエルは蒼き剣の方に飛んでいく。剣に触れると、刀身が輝きを放つ。
「あたしが中継器になるから。ロビン、水の妖精を探してちょうだい」
「中継器ってのがよくわかんないけど、やってみるよ」
ロビンは意識を集中させる。すると、どこからか水が流れるような音が聞こえてきた。
「えっと。こっちの方角だ!」
「こっちじゃわかんねぇよ」
マックスはあきれていた。
「もう、せっかく見つけたのに。あんた、感謝が足りないのよ」
ルシエルは、ロビンに毒づくマックスに向かって文句を言う。
「あーわかったわかった。ありがとうございましたぁ! これでいいのか?」
ロビンはさらに意識を集中させていく。音とともに、目の前に森が広がる。
「森の中にいるみたいだ……方角は、ここから、南になるのかなぁ」
「城の南に、森があるのですね?後で、地図を貰いましょう」
エメラーダは言った。
「森の中か……他にも、目印は?」
フォレシアが尋ねた。
「う~ん。近くに湖が見えるんだけど……」
「湖か。水の妖精というのなら、水辺にいてもおかしくはないな」
「おおよそ、目処がたちましたね。では明日、そこに向かうことにしましょう」
エメラーダが、こう提案したときのことである。
「ふあーあ」
マックスは大あくびをした。
「話は終いか? だったら、早く寝かせてくれ」
「は、はい。そうですね。皆様、夜分遅くまで、お疲れ様でした」
エメラーダは慌てながら、話を切り上げる。
「マックスちゃんって、ほんと自由だよね。でもまぁ、マックスちゃんの言う通りだ。俺ちゃんも寝ようかな」
ヘッジは大きく伸びをした。
「明日に備えて、ゆっくり休んでください」
エメラーダの言葉を聞き、一同は解散した。
***
翌日、エメラーダ達は朝食をとったあと、ハーマンからドラフォンの地図を貰う。
「水の妖精は、城の南にある森にいるようです」
エメラーダは、地図を広げながらハーマンに説明をする。
「水の妖精は、ここにいるのだな」
「はい。今からそこに向かおうと思います」
「こちらの方でも、兵を向かわせるか?」
「いえ、護衛のものがいるから大丈夫です。なにせ、ドラフォンは危機的な状況です。一人でも多く、ここにいたほうがいいでしょう」
エメラーダは、ハーマンの申し出を断った。
「そうか。ならば、気をつけて行ってくるといい」
「はい。では、行ってまいります」
こうして、エメラーダ一行は、水の妖精に会うために出発した。
城を抜け、南にある森へと向かう。その道中で、一同は、武器を構える。植物の怪物が襲ってきたからだ。
球根のような体を持ち、そこから毒々しい花を上の方に向けて伸ばしている。
下からは根っこが生えていて、それを脚のようにして移動していた。
「ムスカリか。大したやつじゃないが、足止めされると厄介だな」
マックスは、襲いかかってくるムスカリを叩き切る。
「ここまで凶暴ではないのだが。ムスカリは」
そう言いながら、フォレシアは一本一本弓矢を打ち込んでいく。
「俺ちゃんも、いいとこ見せないと」
ヘッジは右手で剣を抜くと、目にも止まらぬ速さで、次々とムスカリを切っていった。
「ヘッジさん、すごいんですね」
エメラーダは驚いていた。
「へっへー。すごいだろ。もしかして、惚れちゃった?」
ヘッジは得意げになっている。
「アホなことを言うな。あらかた片付いたようだし、とっとと先に行くぞ」
マックスは剣を納める。一同もそれに倣うと、先へ進んだ。
エメラーダ一同は、目的地の湖がある森の中に入る。
森も、植物の怪物だらけであった。
「見たところ、トラップヴァインばかりだな。どうやら、ここには既存の植物を利用しているものが多いようだ」
フォレシアは、森の木に巻きついているトラップヴァインに向かって矢を放っていた。
「それにしたって、凶暴すぎやしないか。こいつら、アナセマスにいた時はここまで問答無用じゃなかったぞ」
マックスは向かってくる蔓を叩き切る。
「ねぇねぇ。草が凶暴化してるのも、時空の歪みが関係してる?」
ヘッジは襲いかかってくる蔓を切りながら、ルシエルに話しかけた。
「さぁねぇ。水の妖精に会えば、なにかわかるんじゃない?」
「このままでは、ドラフォンの、いえハイキルディア大陸全体の危機です。一刻も早く、この異変を解決しなければなりません」
エメラーダは、迫り来る蔓を切り裂きながら言った。
「皆様、大丈夫ですか?」
エメラーダたちは、迫り来るトラップヴァインをなんとか切り抜けた。エメラーダは仲間の無事を確認する。
「ああ。問題はない」
「私も大丈夫だ」
マックスとフォレシアは、それぞれ答えた。
「俺ちゃんも無事だよ! エメラーダちゃん、俺ちゃんの活躍、見てくれた?」
ヘッジは一生懸命に、自分の活躍をアピールする。
「皆様、ご無事でなによりです。では先に進みましょう」
エメラーダは、歩を進めた。
「エメラーダちゃんって、結構薄情だよね!」
「お前の軽口に付き合ってる暇はないんだよ」
マックスは呆れていた。
「お気になさらないでください。我々は、遊びに来たのではありませんから」
ハーマンは一同を解散させた。エメラーダ一行は、ハーマンの従者の案内により、ドラフォン城内の客間に向かう。
従者が離れた後、エメラーダ達は、改めて客間に集まった。
「今度は何をやるってんだ」
マックスはエメラーダを見るなり言った。
「ロビンの助けを借りて、水の妖精を探すのよ」
ルシエルが代わりに答える。
「あたしの代わりに、ロビンの意識を飛ばすのよ。ロビンだったら、警戒されないでしょ」
「相手がロビンに変わっても、警戒はされると思うがな。誰もいないのに、声だけするの、おかしいと思わないやつはいないだろうが」
「それもそうだ。しかし、この方法しかないだろう」
フォレシアが口を開く。
「とにかく、やってみるしかないでしょ。エメラーダ。蒼き剣を出してちょうだい」
ルシエルに言われるまま、エメラーダは懐から蒼き剣を出した。
「あらら。短くなってる」
ルシエルは、短剣になっている蒼き剣をまじまじと見た。
「カレドニゥスでヌイグルミと戦ったとき、ルシエルさんはその場にいませんでしたからね。平時は、短剣になってもらっているんです」
「なるほど。確かにそっちの方が扱いやすいわね。じゃ、いくわよ」
ルシエルは蒼き剣の方に飛んでいく。剣に触れると、刀身が輝きを放つ。
「あたしが中継器になるから。ロビン、水の妖精を探してちょうだい」
「中継器ってのがよくわかんないけど、やってみるよ」
ロビンは意識を集中させる。すると、どこからか水が流れるような音が聞こえてきた。
「えっと。こっちの方角だ!」
「こっちじゃわかんねぇよ」
マックスはあきれていた。
「もう、せっかく見つけたのに。あんた、感謝が足りないのよ」
ルシエルは、ロビンに毒づくマックスに向かって文句を言う。
「あーわかったわかった。ありがとうございましたぁ! これでいいのか?」
ロビンはさらに意識を集中させていく。音とともに、目の前に森が広がる。
「森の中にいるみたいだ……方角は、ここから、南になるのかなぁ」
「城の南に、森があるのですね?後で、地図を貰いましょう」
エメラーダは言った。
「森の中か……他にも、目印は?」
フォレシアが尋ねた。
「う~ん。近くに湖が見えるんだけど……」
「湖か。水の妖精というのなら、水辺にいてもおかしくはないな」
「おおよそ、目処がたちましたね。では明日、そこに向かうことにしましょう」
エメラーダが、こう提案したときのことである。
「ふあーあ」
マックスは大あくびをした。
「話は終いか? だったら、早く寝かせてくれ」
「は、はい。そうですね。皆様、夜分遅くまで、お疲れ様でした」
エメラーダは慌てながら、話を切り上げる。
「マックスちゃんって、ほんと自由だよね。でもまぁ、マックスちゃんの言う通りだ。俺ちゃんも寝ようかな」
ヘッジは大きく伸びをした。
「明日に備えて、ゆっくり休んでください」
エメラーダの言葉を聞き、一同は解散した。
***
翌日、エメラーダ達は朝食をとったあと、ハーマンからドラフォンの地図を貰う。
「水の妖精は、城の南にある森にいるようです」
エメラーダは、地図を広げながらハーマンに説明をする。
「水の妖精は、ここにいるのだな」
「はい。今からそこに向かおうと思います」
「こちらの方でも、兵を向かわせるか?」
「いえ、護衛のものがいるから大丈夫です。なにせ、ドラフォンは危機的な状況です。一人でも多く、ここにいたほうがいいでしょう」
エメラーダは、ハーマンの申し出を断った。
「そうか。ならば、気をつけて行ってくるといい」
「はい。では、行ってまいります」
こうして、エメラーダ一行は、水の妖精に会うために出発した。
城を抜け、南にある森へと向かう。その道中で、一同は、武器を構える。植物の怪物が襲ってきたからだ。
球根のような体を持ち、そこから毒々しい花を上の方に向けて伸ばしている。
下からは根っこが生えていて、それを脚のようにして移動していた。
「ムスカリか。大したやつじゃないが、足止めされると厄介だな」
マックスは、襲いかかってくるムスカリを叩き切る。
「ここまで凶暴ではないのだが。ムスカリは」
そう言いながら、フォレシアは一本一本弓矢を打ち込んでいく。
「俺ちゃんも、いいとこ見せないと」
ヘッジは右手で剣を抜くと、目にも止まらぬ速さで、次々とムスカリを切っていった。
「ヘッジさん、すごいんですね」
エメラーダは驚いていた。
「へっへー。すごいだろ。もしかして、惚れちゃった?」
ヘッジは得意げになっている。
「アホなことを言うな。あらかた片付いたようだし、とっとと先に行くぞ」
マックスは剣を納める。一同もそれに倣うと、先へ進んだ。
エメラーダ一同は、目的地の湖がある森の中に入る。
森も、植物の怪物だらけであった。
「見たところ、トラップヴァインばかりだな。どうやら、ここには既存の植物を利用しているものが多いようだ」
フォレシアは、森の木に巻きついているトラップヴァインに向かって矢を放っていた。
「それにしたって、凶暴すぎやしないか。こいつら、アナセマスにいた時はここまで問答無用じゃなかったぞ」
マックスは向かってくる蔓を叩き切る。
「ねぇねぇ。草が凶暴化してるのも、時空の歪みが関係してる?」
ヘッジは襲いかかってくる蔓を切りながら、ルシエルに話しかけた。
「さぁねぇ。水の妖精に会えば、なにかわかるんじゃない?」
「このままでは、ドラフォンの、いえハイキルディア大陸全体の危機です。一刻も早く、この異変を解決しなければなりません」
エメラーダは、迫り来る蔓を切り裂きながら言った。
「皆様、大丈夫ですか?」
エメラーダたちは、迫り来るトラップヴァインをなんとか切り抜けた。エメラーダは仲間の無事を確認する。
「ああ。問題はない」
「私も大丈夫だ」
マックスとフォレシアは、それぞれ答えた。
「俺ちゃんも無事だよ! エメラーダちゃん、俺ちゃんの活躍、見てくれた?」
ヘッジは一生懸命に、自分の活躍をアピールする。
「皆様、ご無事でなによりです。では先に進みましょう」
エメラーダは、歩を進めた。
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