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第五章 地球一時帰国編
第6話 お土産探し
しおりを挟む史郎は、故郷の里山にある大好きなキャンプサイトで目を覚ました。
森の中での目覚めは、やはり最高だった。
傍らには小川が流れており、原生林が取りかこんでいる。小川の水で顔を洗う。もう、かなり水が冷たくなっていた。
点ちゃん収納に異世界のアウトドアグッズをしまうと、俺は今日の計画を頭に思いうかべていた。
恐らく、あと一日もせずにポータルが開きそうだ。この予感は、神樹様から頂いた「未来予知(弱)」の力によるみたいだ。
俺は点ちゃん1号に乗りこみ、日本全域が視界に入るところまで上昇すると、ちょっと考えてからある町を選んだ。
自分を透明化し、一気に地上に降りていく。
着地したのは、ある繁華街だった。わざと治安が悪い場所を選んである。しかも、その裏通りである。昼間でも、きっと彼らがいるはずである。
「おい、変わった格好の兄ちゃん」
「なんでしょう?」
「ボクたち、お金落しちゃって、電車に乗れないの。1マンエン貸してくんない?」
「ああ、ありがとう。1マンエン貸してくれるんですか」
俺はそう言うと、点魔法で奴らを丸裸にした。
「な、なんだこれ! どうなってる!」
「はい、1マンエン借りましたよ。残りは返しますね」
俺は姿を消す。
これを繰りかえして、それほど時間を掛けずに十分な資金を稼ぐことができた。
「100マンエン」って言ってきた者は、有り金で勘弁してあげた。
いや~、チン〇ラは、金払いがいいね。
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史郎は家で待っているみんなに、お土産を買って帰ろうと思ったが、よく考えると現金の持ちあわせが無かった。
多分3兆円くらいする宝石は持ってるけれど、この世界では買い手もいないだろう。こうして、俺はチン〇ラ貯金からお金をおろすことにした。
資金が出来たので、後は買い物である。
人通りが多い、大通りに出る。
デパートに入ることにした。久しぶりのデパート内部は、キラキラして目が痛い程だった。そういえば、電飾とかない世界にいたんだな。そういうことに、今さらながら気づく。
ナルとメルのために、ぬいぐるみをいくつか買う。向こうにも、ぬいぐるみはあるんだけれど、なんかいい加減な作りなんだよね。
そういえば、サンプルを持ちかえって、ポンポコ商会で作ってみるのもいいかもね。
ぬいぐるみは、追加でいくつか買いたしておいた。
歩いていると、女子高校生らしい二人がこちらを見ている。点魔法を飛ばすと、こんな会話をしていた。
「ねえねえ、あれってコスプレかな」
「バーカ、あんな地味なコスプレ無いでしょ」
冒険者姿って、そう見られるのか。地味なコスプレねえ。
次は、宝飾品のコーナーへ行った。
ルル、コルナ、コリーダのために、それぞれに似合いそうなものを選ぶ。異世界の宝飾品は、大ぶりな物が多いから、小さく繊細なものがいいだろう。
リーヴァスさんへのお土産には悩んだが、和装の店で甚兵衛を買うことにした。加藤のおじさんが、いつも家で着ていて、「これ、楽なんだよ」って言ってたからな。
俺は思いついて、本屋にも立ちよった。ルルがこの世界の事に興味を持っていたからね。
最後にデパ地下に降りて、チョコレートなどお菓子類を大量に買う。異世界のお菓子も美味しいんだけど、種類が少ないんだよね。こちらのケーキの飾りつけとか見たら、きっとびっくりするぞ。保冷剤を多めに入れてもらうと、俺はデパートを後にした。
確か今日は平日のはずだから、学校で林先生に挨拶してから、異世界に戻ろう。
史郎は、故郷の町へ向かった。
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