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空知音

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第七章 天竜国編

第20話 真竜廟の真実

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 俺はルルとポルを連れ、一旦真竜廟を出ると、天竜が住まう洞窟に戻った。

 リーヴァスさん、コルナ、ミミは、竜王様のお手伝いと財宝の目録作りに宝物庫に残してきた。
 洞窟に入ってきた俺達を見た天竜が、人化して拍手で迎えてくれる。

「その様子だと、ダンジョンを踏破なさったようじゃな」

「まあ、なんとかクリヤしましたよ」

「結局何層ありましたかな?」

「三層でしたよ」

「「えっ!?」」

 ダンジョンへ案内してくれた天竜族の若者も驚いている。

「では、簡単じゃったのかな?」

「いえ、簡単などとは到底言えないものでした」

 その時、洞窟の奥から、ナルとメルが走りでてきた。

「パーパ!」
「マンマ!」

 二人がルルと俺にぶつかってくる。

「パーパ、それなに?」

 ナルが俺の肩に乗った白猫を指さす。猫は、自分が注目されていると分かったのか、持ち前の高い声で、「ミー」と鳴いた。

「うわーっ! 
 かわいいね!」

 抱き方を教えてから、ナルに持たせてやる。

「うわー、ふかふかだあ」
「ふかふかー」

 ルルに黒猫を抱かせてもらったメルも喜んでいる。
 猫がいなければ、しっぽを狙われていたはずのポルが、ほっとした顔をしているのが面白かった。

 そうだ、こうしては、いられないんだった。

「長、それから、みなさんに、とても大切な話があります。
 集まってもらっていいですか?」

「なんじゃろう。
 とにかく『集いの間』に行くとしよう」

 長は、そう言うと、通路を奥に向かって歩きはじめた。

-----------------------------------------------------------------------

 長が言う、「集いの間」とは、最初に俺達が歓待を受けた大広間だった。

 ナル、メルの両脇に俺とルルが座り、俺の斜め後ろにポルが座った。ルルの後ろには、ダンジョンに挑戦しなかったコリーダとイオが座っている。
 天竜達は、俺達を中心に扇形に座った。
 俺は真竜廟であった事を天竜達に告げた。

「な、なんとっ!! 
 真竜様が生きておられたとは!」

 広間に、天竜達による興奮の嵐が、まき起こった。俺は、それが鎮まるのをじっと待った。

「それで、竜王様は我々にどうせよと?」

「彼が真竜の卵をかえすから、真竜廟から外に出られるようになったら、世話をしてもらいたいそうだよ」

「「「おおお!」」」

 天竜達がどよめく。

「そのようなもったいないお役目を我らに?」

「はい。
 必要なものがあれば、竜王様と俺達で揃えますから」

「もったいないことじゃ。
 我ら謹んでお世話をさせていただきます」
 
「光の森にある『枯れクズ』の除去もあるから、人手が足りないでしょう。
 皆さんで話しあって、許可を受けた竜人だけでもこの世界に入れるようにするといいと思いますよ」

「そうですな。
 真竜様の事を優先するとなると、それも仕方の無いことかもしれませんな」

「天竜の方々に迷惑が掛からないよう、俺達にも手助けさせてください」

「有難き事。
 困った時には、相談にのってくだされ」

「もちろんです」

「そうと分かれば、さっそく行動に移りましょうぞ」

「そうですね。
 長とあと何人か、直接竜王様に挨拶なさったらどうです?」

 これは、俺の失敗だった。天竜達が興奮して言いあらそいを始めたのだ。人化できず、後ろの方に控えていた天竜同士が、取っくみあいまでする始末。巨体同士の喧嘩は物凄い迫力だ。
 俺は、ナルに耳打ちした。

「静かにしなさい」

 彼女が普段の声でそう言っただけで、天竜達の動きがピタッと止まった。
 皆が平伏モードになる。
 俺は、ナルの頭を撫でてやった。

「竜王様への拝謁は、少人数ずつで全員おこないましょう。
 それでよろしいか?」

 天竜達から安堵のため息が漏れる。よほど竜王様に会いたかったらしい。

 こうして、史郎は、竜王もうでの第一陣として、長と数体の天竜を引きつれ、真竜廟に戻ることになった。
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