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さあ、闘おう!
しおりを挟む「なあ、美玲。こっち来てよ」
…ほら、そんな声を出されると抗えない。
「美玲、顔見せて?頼むからさ」
抵抗虚しくベッドへと向かい、床に跪きながらその顔を覗き込む。すると、鈴木さんは嬉しそうに右手を伸ばし、そっと私の頬を撫でてくる。
「やっと見れた。久々の美玲だあ」
「へ、変な鈴木さん。昨日もココに来たから、顔は見てるでしょッ」
憎まれ口を叩く私を優しく見つめ、そのまま上体を起こしたかと思うと、ゆっくりキスしてきた。
後頭部を固定し、押し付けてくるあのキスだ。
柔らかく唇を食み、好きだと言わんばかりの、
あのキス。
もう、ダメだ。もう、無理。
私は夢中になって、鈴木さんにキスを返す。
タガが外れたことを自覚する暇もなく、形勢は逆転。仰向けに倒されてしまった私は、いつの間にか鈴木さんからキス攻めに。
「ごめん、美玲、もう止まらない。美玲、ごめん、ごめん」
微かに目尻を涙が伝い、それでも私は小さく首を左右に振っていた。それは、『ダメ』という意味ではなく、『謝らないで』という意味で。
だって、私も同じ気持ちだったから。
触れたい、触れて欲しい…好きな人に。
まだ熱が下がり切っていないせいか、鈴木さんの身体は全部熱くて。その口の中も、火傷しそうに熱く。いつしか舌を絡め、腕を絡め、足を絡め、腰を絡め。結局、最後まで繋がってしまった。
ああ、バカな女にはなりたくなかったな。だから、誰もが『あの男なら間違いないよ』と言ってくれるような人を選ぶはずだったのに。
やっぱり私はバカだ。
この人が好きで好きで仕方ない。
この人にしか、触れて欲しくない。
風邪薬を飲んだせいか、全てが終わると鈴木さんはスウスウと寝息を立てていて。なのに、その腕は『離さない』と言わんばかりに私をガッシリ抱きかかえている。
うん、決めた。
これ以上、大沢課長を傷つける前に彼とは別れよう。だって仕方ない、この人としか嫌なんだから。
自分に嘘を吐くのは、もうヤメるんだ。
たとえ先の見えない恋だとしても、誰かを一生懸命好きになることは、自分を好きになることでもある。こんなに誰かを好きになるなんて、きっと人生の中でそんなに無いはずだから。
怖がっていちゃ、何も出来ない。
「鈴木さん…もぉ、すごく好き」
小さく小さく呟いたのに、狸寝入りだったのかその人は目を閉じたまま言う。
「ふふ。俺も…」
さあ、闘うのだ。
大沢課長に詫び、鈴木さんの元へ。
安定した恋愛から、綱渡りのような恋愛へ。
大丈夫。
自分で選んだことだ、後悔しても構わない。
どうせ責任を取るのも、自分自身なのだから。
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