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今カレも我が家にやって来た!
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それからはもう毎日。
そう、皆勤賞と言ってもいいくらい、山田君は終業後を私と共に過ごした。長風呂をするため我が家に来たり、ムリヤリ焼き肉を食べに連れて行ったり、それどころか土日まで突撃してくる始末。目立つ山田君と行動を共にすれば、裕基の耳に入らないワケが無く。
「目に余るって言ってるんだよ。分かるだろ?」
…そんなワケで出社してスグに拉致られた私は、こうして非常階段の踊り場で説教を受けている。一応、言い訳はした。向こうが勝手にやって来るだけで、自分から誘ったことなど一度も無いと。しかし社内公認の『彼氏』である裕基は、こんな状況は納得いかない、もう隙を見せるな、もっと毅然とした態度で断れとお怒りなのだ。確かに私が悪い。でも、段々ムカついてきた。だって私は山田君と一線は超えていない。キスどころか手すら握っていないのに。
…裕基は思いっきり超えているのだから。
それも1人だけではなく、大勢の女性と。何度も何度も何度も浮気しておいて、私だけ責めるつもり?そう思ったのが顔に出てしまったのだろう。裕基は途端にすまなそうな表情をする。
「なあ、もしかして俺の浮気を疑ってて、その当てつけで山田ってヤツと仲良くしてる?だったらもうヤメろ。本当に俺は浮気してないから」
一瞬だけでも『そっか、今回は違うんだ』と信じた自分を殴ってやりたい。『俺は浮気してない』と言いながら、何気なく自分の襟足を裕基は撫でた。その瞬間、本人からは見えない位置…首筋の後方にキスマークが見えたのだ。そんなもの、もちろん私が付けるはずも無く。いつもなら見て見ぬふりをするところだが、今回はトントンとそこを指で叩いてしまう。
「えっ、何?」
「ここんとこにキスマークを付けられてる。みっともないから客先に行くときは注意しなよ。そっかあ浮気しなくてもこういうのは付くよね」
こんなときも裕基は慌てるでも無く、『バレたか』と言わんばかりに笑う。そう、よくあるやり取りなのだ。後は私が『今回だけ許してあげる』と言えば、また続いていくはずだった。なのに何故か突然、ダメだと思った。このままじゃ、ダメになってしまうと。私は自分の価値を、自分で安くしているのだ。女は誰でも宝石のように大切にされるべきで、こんな風に蔑ろにされて笑っていちゃいけない。そして積もり積もった感情が、一気に爆発した。
「うーん…」
「なんだよ、ほらもう朝礼始まるし行くぞ」
「ねえ、もうヤメとこうかな、私」
「何がだよ、俺はもう本当に行くからな」
重いドアを開け、彼は颯爽と出て行こうとする。私はその背中に向かって言葉を投げつけた。
「ねえ、もう別れたいんだけど」
「はあああっ?!何だよそれ、意味わかんない」
こっちだって、まさかそんなに驚かれるとは。
「朝のバタバタした時間にそういう事を言うな。今夜、乃里んとこ行くから、改めて話し合おう」
この人のことだからてっきり『うん、分かった』と即答してくれると思ったのに、抵抗されるだなんて。浮気三昧で最近はそれを隠そうともしなかったクセに、どうしてまだ私と付き合い続けるのか。解せん。あの男、本当に解せん。混乱はしていたが我が家で話し合いするなら山田君を来させないようにしようと思い、彼を探して『ウチに来るな』と伝えることにした。…が、ヤツは朝から二瓶さんと一緒で、話し掛ける隙など全く無い。
ようやく話せるようになったのは終業直後で。それも今から二瓶さんと飲みに行くのだと。この調子ならウチに来る時間なんて無いだろうと勝手に思い込んだ私は、すぐ傍に山田君狙いの女子達がいたこともあり、そのまま帰宅した。しかし、運命のいたずらとは恐ろしい。『二瓶さんと飲む』が定食屋で瓶ビールを1本空ける程度のことで、1時間もせずに解散するとか。それからスグ山田君が我が家に来てしまうとか。その後で遅れて裕基が訪れるとか。…そんなことが重なった結果、最悪の事態へと突入する。
「大事な話をするって言っただろ?!なんで他の男を連れ込んでんだよッ」
「いや、ちがっ、勝手に入って来たんだって。今日はダメだって断ったのに強引に…」
「おい、『今日は』ってどういうことだよ?!じゃあ、いつもコイツを部屋に入れてるのか」
「そ…れは…、あ…うん」
「ははっ、自分は清廉潔白ですって顔しといて、ちゃっかり浮気してんじゃないか」
「う、浮気なんかしてないよッ!」
「だってコイツと寝たんだろ?」
「ね、寝た?!私がこの人と??裕基、アンタ言っていいことと悪いことがあ…」
最後まで言い切らないうちに、山田君が悪魔のような意地悪い笑顔で言う。
「でもさあ乃里、寝たのは事実だろ?乳首が少し陥没気味だとか、背中が弱いとか、そういうの全部知り尽くしてるからな、俺」
「そ、それは付き合っていた当時の話でッ。今はヤッてないでしょう?!」
思わずそう叫ぶと目の前で裕基が呆けていた。
「はは、そういうことか。元サヤに戻るため俺が邪魔になったんだな」
…この状況で突然の自分語りをする。
『三つ子の魂百まで』とよく言われるが、私は小さい頃、両親が共働きだったため同居していた祖父母と過ごすことが多く。祖母は母に代わって家事をこなしていたので、主に話し相手になってくれたのは祖父だった。この祖父、昔は中学の校長をしていた人で、日々、有り難い金言をくださる。どんな質問をしても、とことん納得がいくまで説明してくれたし、自分も説明出来ない場合は図書館などで調べて来てくれた。『現在の私を作ったのは祖父』と言い切っても過言ではないほどの存在だったのだ。
その昔、そんな祖父にこう質問した。
「どうしてお祖父ちゃんは、たくさんいる女性の中からお祖母ちゃんを選んだの?」
たぶん、クラスの女子たちが『誰ソレが好き』などと言い出したくらいの時期で『どうすれば相手が自分を好きになってくれるのか』という、永遠のテーマに初めてぶつかった時期でもあった。それに対して、熱血指導者である祖父はイキイキと語り出す。
「いいかい、乃里。人間っていうのはね、案外自分のことを知って欲しがる生き物なんだよ。誰にだって知られたくない恥ずかしい部分や、醜い部分はある。だからそれを必死で隠すんだ。でも、不思議なことにソレを知られてしまうと、それはそれでラクになってしまうんだよ。…『心を許す』というのかなあ。全員にじゃなくていい。1人だけでも自分を曝け出せる相手がいれば、生きるのがとてもラクになるのさ。
お祖母ちゃんはね、お祖父ちゃんにとってそういう存在だったんだ。だから乃里、自分を好きになって貰いたければ、相手のことをうんと知りなさい。見た目なんか磨いても、意味が無い。一緒にいて心地良い存在になるんだ。どんなに美人だって、一緒にいて居心地が悪ければ意味無いだろ?じゃあ、心地良くなるにはどうすればいいか。相手の好みを知り、生活リズムを知り、…とにかくたくさん知ってあげるんだ」
幼心にその言葉はズシリと胸に響いた。
だから誰かを好きになるたび、相手の内側に飛び込もうとしたのだ。拒絶されても、必死で食らいつき、誰よりも相手のことを知り、唯一無二の存在になろうとしたのに。山田君といい、裕基といい、どうしてこうなってしまうのだろうか?誰も私を好きになってくれないし、そのクセ便利な女として手元には残そうとする。溜め息を吐いていたら、再び裕基が口を開いた。
「俺は別れないからな」
「はあっ?でも、いわゆる“お付き合い”って双方の想いが通じ合うことが前提なんだよ。片方の気持ちが冷めたら、成り立たないでしょ」
「大丈夫、これからはもう、揺らがない。乃里にだけ目を向けて俺、頑張るからさ」
「え、それって『片方』が自分だと思ってる?残念ながら今回の件で言うと冷めた『片方』は私のことなの。だから本当にごめんなさい」
だってアンタ、1年間で何度浮気したのよ?
そこのところも突っ込みたかったが、隣りで山田君が聞いているため、口を噤んだ。なぜならこの男にだけは、ミジメな自分の姿を見せたくなかったからだ。どんなに尽くしても、奴隷にしかなれなかった女。その女が今度は浮気されまくっていたなんて。『ほらな、やっぱりお前はそういう女だろ?』…そう思われることが悔しくて、黙ったのだ。なのに裕基はその隠したい部分をペラペラ話し出す。
「確かに俺は、浮気ばかりしてた。それは本当に反省しているんだよ。だけどさ、お前も知ってるだろ?母親のこと」
「ああ、うん」
裕基の父親は彼が小学生の頃に亡くなっており、彼の母親はその後3度の再婚と離婚を繰り返す。その都度、離婚理由をこう説明したそうだ。
>ごめんね、裕基のために結婚したけど、
>やっぱり好きになれなかったの。
幼かった彼はその言葉で罪悪感を植え付けられ、少しずつ歪み出したそうだ。とにかく女であれば誰にでも優しくするし、そのせいか相手からよく好意を持たれる。そして言い寄られると断らない。いや、断れないのである。
「実はまたウチの母親が再婚するんだよ。それが最初にダメになった再婚相手でさ。数カ月前に偶然再会して、また付き合い始めたらしい。なんか俺のせいでイヤイヤ再婚したはずが、そう聞くと、嫌いじゃ無かったのかなって。その話でようやく吹っ切れたっていうかさ、前を向いて歩き出せる気がしたんだよ。そうなると相手はやっぱ乃里しかいないだろ?」
そう、皆勤賞と言ってもいいくらい、山田君は終業後を私と共に過ごした。長風呂をするため我が家に来たり、ムリヤリ焼き肉を食べに連れて行ったり、それどころか土日まで突撃してくる始末。目立つ山田君と行動を共にすれば、裕基の耳に入らないワケが無く。
「目に余るって言ってるんだよ。分かるだろ?」
…そんなワケで出社してスグに拉致られた私は、こうして非常階段の踊り場で説教を受けている。一応、言い訳はした。向こうが勝手にやって来るだけで、自分から誘ったことなど一度も無いと。しかし社内公認の『彼氏』である裕基は、こんな状況は納得いかない、もう隙を見せるな、もっと毅然とした態度で断れとお怒りなのだ。確かに私が悪い。でも、段々ムカついてきた。だって私は山田君と一線は超えていない。キスどころか手すら握っていないのに。
…裕基は思いっきり超えているのだから。
それも1人だけではなく、大勢の女性と。何度も何度も何度も浮気しておいて、私だけ責めるつもり?そう思ったのが顔に出てしまったのだろう。裕基は途端にすまなそうな表情をする。
「なあ、もしかして俺の浮気を疑ってて、その当てつけで山田ってヤツと仲良くしてる?だったらもうヤメろ。本当に俺は浮気してないから」
一瞬だけでも『そっか、今回は違うんだ』と信じた自分を殴ってやりたい。『俺は浮気してない』と言いながら、何気なく自分の襟足を裕基は撫でた。その瞬間、本人からは見えない位置…首筋の後方にキスマークが見えたのだ。そんなもの、もちろん私が付けるはずも無く。いつもなら見て見ぬふりをするところだが、今回はトントンとそこを指で叩いてしまう。
「えっ、何?」
「ここんとこにキスマークを付けられてる。みっともないから客先に行くときは注意しなよ。そっかあ浮気しなくてもこういうのは付くよね」
こんなときも裕基は慌てるでも無く、『バレたか』と言わんばかりに笑う。そう、よくあるやり取りなのだ。後は私が『今回だけ許してあげる』と言えば、また続いていくはずだった。なのに何故か突然、ダメだと思った。このままじゃ、ダメになってしまうと。私は自分の価値を、自分で安くしているのだ。女は誰でも宝石のように大切にされるべきで、こんな風に蔑ろにされて笑っていちゃいけない。そして積もり積もった感情が、一気に爆発した。
「うーん…」
「なんだよ、ほらもう朝礼始まるし行くぞ」
「ねえ、もうヤメとこうかな、私」
「何がだよ、俺はもう本当に行くからな」
重いドアを開け、彼は颯爽と出て行こうとする。私はその背中に向かって言葉を投げつけた。
「ねえ、もう別れたいんだけど」
「はあああっ?!何だよそれ、意味わかんない」
こっちだって、まさかそんなに驚かれるとは。
「朝のバタバタした時間にそういう事を言うな。今夜、乃里んとこ行くから、改めて話し合おう」
この人のことだからてっきり『うん、分かった』と即答してくれると思ったのに、抵抗されるだなんて。浮気三昧で最近はそれを隠そうともしなかったクセに、どうしてまだ私と付き合い続けるのか。解せん。あの男、本当に解せん。混乱はしていたが我が家で話し合いするなら山田君を来させないようにしようと思い、彼を探して『ウチに来るな』と伝えることにした。…が、ヤツは朝から二瓶さんと一緒で、話し掛ける隙など全く無い。
ようやく話せるようになったのは終業直後で。それも今から二瓶さんと飲みに行くのだと。この調子ならウチに来る時間なんて無いだろうと勝手に思い込んだ私は、すぐ傍に山田君狙いの女子達がいたこともあり、そのまま帰宅した。しかし、運命のいたずらとは恐ろしい。『二瓶さんと飲む』が定食屋で瓶ビールを1本空ける程度のことで、1時間もせずに解散するとか。それからスグ山田君が我が家に来てしまうとか。その後で遅れて裕基が訪れるとか。…そんなことが重なった結果、最悪の事態へと突入する。
「大事な話をするって言っただろ?!なんで他の男を連れ込んでんだよッ」
「いや、ちがっ、勝手に入って来たんだって。今日はダメだって断ったのに強引に…」
「おい、『今日は』ってどういうことだよ?!じゃあ、いつもコイツを部屋に入れてるのか」
「そ…れは…、あ…うん」
「ははっ、自分は清廉潔白ですって顔しといて、ちゃっかり浮気してんじゃないか」
「う、浮気なんかしてないよッ!」
「だってコイツと寝たんだろ?」
「ね、寝た?!私がこの人と??裕基、アンタ言っていいことと悪いことがあ…」
最後まで言い切らないうちに、山田君が悪魔のような意地悪い笑顔で言う。
「でもさあ乃里、寝たのは事実だろ?乳首が少し陥没気味だとか、背中が弱いとか、そういうの全部知り尽くしてるからな、俺」
「そ、それは付き合っていた当時の話でッ。今はヤッてないでしょう?!」
思わずそう叫ぶと目の前で裕基が呆けていた。
「はは、そういうことか。元サヤに戻るため俺が邪魔になったんだな」
…この状況で突然の自分語りをする。
『三つ子の魂百まで』とよく言われるが、私は小さい頃、両親が共働きだったため同居していた祖父母と過ごすことが多く。祖母は母に代わって家事をこなしていたので、主に話し相手になってくれたのは祖父だった。この祖父、昔は中学の校長をしていた人で、日々、有り難い金言をくださる。どんな質問をしても、とことん納得がいくまで説明してくれたし、自分も説明出来ない場合は図書館などで調べて来てくれた。『現在の私を作ったのは祖父』と言い切っても過言ではないほどの存在だったのだ。
その昔、そんな祖父にこう質問した。
「どうしてお祖父ちゃんは、たくさんいる女性の中からお祖母ちゃんを選んだの?」
たぶん、クラスの女子たちが『誰ソレが好き』などと言い出したくらいの時期で『どうすれば相手が自分を好きになってくれるのか』という、永遠のテーマに初めてぶつかった時期でもあった。それに対して、熱血指導者である祖父はイキイキと語り出す。
「いいかい、乃里。人間っていうのはね、案外自分のことを知って欲しがる生き物なんだよ。誰にだって知られたくない恥ずかしい部分や、醜い部分はある。だからそれを必死で隠すんだ。でも、不思議なことにソレを知られてしまうと、それはそれでラクになってしまうんだよ。…『心を許す』というのかなあ。全員にじゃなくていい。1人だけでも自分を曝け出せる相手がいれば、生きるのがとてもラクになるのさ。
お祖母ちゃんはね、お祖父ちゃんにとってそういう存在だったんだ。だから乃里、自分を好きになって貰いたければ、相手のことをうんと知りなさい。見た目なんか磨いても、意味が無い。一緒にいて心地良い存在になるんだ。どんなに美人だって、一緒にいて居心地が悪ければ意味無いだろ?じゃあ、心地良くなるにはどうすればいいか。相手の好みを知り、生活リズムを知り、…とにかくたくさん知ってあげるんだ」
幼心にその言葉はズシリと胸に響いた。
だから誰かを好きになるたび、相手の内側に飛び込もうとしたのだ。拒絶されても、必死で食らいつき、誰よりも相手のことを知り、唯一無二の存在になろうとしたのに。山田君といい、裕基といい、どうしてこうなってしまうのだろうか?誰も私を好きになってくれないし、そのクセ便利な女として手元には残そうとする。溜め息を吐いていたら、再び裕基が口を開いた。
「俺は別れないからな」
「はあっ?でも、いわゆる“お付き合い”って双方の想いが通じ合うことが前提なんだよ。片方の気持ちが冷めたら、成り立たないでしょ」
「大丈夫、これからはもう、揺らがない。乃里にだけ目を向けて俺、頑張るからさ」
「え、それって『片方』が自分だと思ってる?残念ながら今回の件で言うと冷めた『片方』は私のことなの。だから本当にごめんなさい」
だってアンタ、1年間で何度浮気したのよ?
そこのところも突っ込みたかったが、隣りで山田君が聞いているため、口を噤んだ。なぜならこの男にだけは、ミジメな自分の姿を見せたくなかったからだ。どんなに尽くしても、奴隷にしかなれなかった女。その女が今度は浮気されまくっていたなんて。『ほらな、やっぱりお前はそういう女だろ?』…そう思われることが悔しくて、黙ったのだ。なのに裕基はその隠したい部分をペラペラ話し出す。
「確かに俺は、浮気ばかりしてた。それは本当に反省しているんだよ。だけどさ、お前も知ってるだろ?母親のこと」
「ああ、うん」
裕基の父親は彼が小学生の頃に亡くなっており、彼の母親はその後3度の再婚と離婚を繰り返す。その都度、離婚理由をこう説明したそうだ。
>ごめんね、裕基のために結婚したけど、
>やっぱり好きになれなかったの。
幼かった彼はその言葉で罪悪感を植え付けられ、少しずつ歪み出したそうだ。とにかく女であれば誰にでも優しくするし、そのせいか相手からよく好意を持たれる。そして言い寄られると断らない。いや、断れないのである。
「実はまたウチの母親が再婚するんだよ。それが最初にダメになった再婚相手でさ。数カ月前に偶然再会して、また付き合い始めたらしい。なんか俺のせいでイヤイヤ再婚したはずが、そう聞くと、嫌いじゃ無かったのかなって。その話でようやく吹っ切れたっていうかさ、前を向いて歩き出せる気がしたんだよ。そうなると相手はやっぱ乃里しかいないだろ?」
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