朝日家の三姉妹<1>~香奈の場合~

ももくり

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香奈は熱く語る

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 さすが私の父親、妄想させたら日本一だわ。

「別に嫌じゃないけど」
「はっ?!なんでだよ」
 
「例えに出して悪いけど、お姉ちゃんの歴代彼氏のことを忘れてないよね?真面目で地味なクセして浮気三昧だったじゃない。こう言っちゃナンだけど、イケメンが浮気するのとブサイクが浮気するのとでは怒りの度合いも違ってくるから」
「なっ、何が違うんだよッ」
 
「イケメンは誘惑してくる女が多いでしょ?だけど、ブサイクの方は自分から動かなきゃダメだと思うの。受動的か能動的かの違いに加えて、誘惑される数だって絶対に差が有るだろうし。一定の時期に10人から言い寄られたイケメンと、自分から口説きに行ったブサイクとでは、罪の重さも違うんじゃないかなあ。
 
 つまり、お姉ちゃんみたいにモテない男に浮気されて泣くよりも、モテモテの男に浮気された方が諦めがつくってこと。いや、内藤さんが絶対に浮気するって話じゃないんだよ?その方がまだ、納得できるって話。というワケで過去の女に心の中で蔑まれたとしても、私は大丈夫。
 
 あのさ、そんなことをいちいち嫌がっていたら、内藤さんだけじゃなくて世の中のモテ男と誰も付き合えなくなるよ。とにかく私、そういう過去も全部ひっくるめてこの人が好きなの。だからどうかお願いします、2人の交際を認めてくださいッ」
 
 これほど熱く語っても父は頑なに許してくれず。押し問答を続ける我らに業を煮やしたのか、とうとう祖父が口を開く。
 
「お互いを知るためにも内藤くん、しばらくこの家に通ってみろ」
 
 それに対して、ゆっくりと内藤さんが答える。
 
「ご迷惑でなければそのようにさせて頂きます」
「うんうん、そうなさい。すまんなあ内藤くん、なんか知らんがウチの息子たちは教育をヨメに丸投げしたせいかどいつもこいつも神経質でな。正直に言うとワシは内藤くんみたいにドッシリと地に足を付けた、何事にも動じない男に育てたかったんだが…。まあ、いい。ワシはキミを気に入った。依子さんも奈月も受け入れると言っているし、残るは光太郎と美香だけだな」
 
 普通だったら男と女が付き合うのに、ここまで家族との関係を気にする必要は無いと思うが、我が家はきっと特殊なのだろう。とにかく幼い頃から三姉妹で父を奪い合っていたし、他所に比べると両親の仲も素晴らしく良好だ。要するに家族愛が異常に強いのである。
 
 内藤さんは父と美香ネエに冷たくあしらわれ、母と奈月からは熱烈歓迎を受けながらも無事に昼食会を終え。
 
 そして翌週から宣言通り我が家に通い出す。
 
 
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