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美香編
望月、頑張る(望月視点)
しおりを挟む※ここからは再び望月の視点です。
────
トゥインク!!
な、なんだこの音は??
そっか、俺の胸の高鳴りか。
愛しいその人のために仕事をマッハで片付け、定時ピッタリに退社して5時間近くもこのコンビニで滞在してしまったほどに。
店側から絶対に不審者だと思われると予測した俺は、先手必勝とばかりに事情を説明した。そう、この店の常連である美しい女性に片想いしたものの、致命的な失態を演じてしまったせいで避けられているのだと。このままでは彼女を失ってしまうから、どうかココで待ち伏せさせてくださいませんか…と涙ながらに訴えたのである。
「勿論、営業妨害になるようなことはしないつもりです。もしかしてトイレをお借りすることはあるかもしれませんが、こんな男がずっといるなんて気持ち悪いと思われる様でしたら正直に仰ってください。失礼で無ければ心づけとして幾らか料金をお支払いしても構いませんし、その場合そちらから金額を提示していただければ有難いのですが」
少し冴えない感じの中年男性は、どうやらこのコンビニの店長らしく。ずり落ちそうな眼鏡を有り得ないほど高く持ち上げてこう答えた。
「要らねえよ金なんか!俺も昔はアンタみたいに1人の女に恋焦がれたクチだからな。まるで天使のような女でさ、よくバス停で待ち伏せしたもんだよ。あんまりよく顔を合わせるもんで、向こうも段々と運命を感じてきたみたいでさ。いや、ストーカーじゃないぞ…ほにゃらら、こにゃらら…(以下略)」
Oh…。メッチャ長い自分語りが始まってしまった。仕方なくウンウンと相槌を打っていたら、どうやら気に入られてしまったらしく。美香さんが来るまでの滞在を容認されただけでは無く、2時間を過ぎた頃にはお茶とおにぎりまで差入れされてしまう始末。
もちろん『タダでは頂けません』と代金は支払ったが、それにつけても美香さんはいったい何時になったら来るのだろうか。平日だし、しかも一昨日は俺とあんなに飲んだんだから、今日も飲みに行ったりしてないよな(※しかし美香はこの時、エロい悪友・浩美と飲んでいたのである)。
チクタクチクタク。
静かに時間だけが過ぎていく。
ああ、この続きが早く読みたいな。ヒマだからって連載漫画に手出ししなければ良かったよ…(※モッチーは雑誌コーナーで立ち読みを満喫しております)。
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