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美香編
そんなに刺激的?
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…………
「ビリヤードって結構面白いのね!!」
「ええ、コツを掴むと楽しいでしょ?」
あれから数カ月が経過し、私と望月は週4で会うほどの仲になった。そして、さすがにもうツバ男とは呼んでいない。本人からの強い希望により、名字で呼ぶことにしたのだ。
ここまでくると、もはや異性ではなく女友達と同じ扱いとなってしまうワケで。仲良くショッピングや映画を楽しんだり、サシで飲んで語り明かしたりしている。
とにかく望月は最高の男友達なのだ。
「じゃあもう休憩にしようか!」
「賛成!!」
ちなみに本日は香奈と内藤と望月、それに私の4人で仲良く飲んでおり。
「おいこら」
「ん、何よ?」
プールバーから小洒落たバーへ移動して飲んでいたところ、内藤が私に向かってこんなことを言ってきた。
「お前の服、刺激的過ぎやしないか?」
「えっ?!いつも望月と2人の時はこんな感じだけど…。どこかおかしい??」
今晩はビリヤードをすると聞いていたので、動きやすいパンツスタイルにしてみたのだが。ひたすら小首をかしげていると、今度は望月に対して質問が投げられる。
「こいつ、いつもこんな格好なのか?」
「え?ああ、はい。基本的にはそうですね。こう、脇からブラがコンニチハ!と見えるほど袖ぐりが深めのノースリーブとか、胸元がV字カットで俯くとヘソの辺りまで丸見えのレイヤードトレーナーとかですね。今日みたいに背中がザックリ見えるトップスなんて可愛いもんだ」
いやいや、そんな言い方されると、私まるで露出狂みたいじゃない?ふん、放っておいてよね。だって誰にも迷惑掛けてないでしょッ。…てな調子で分かり易くムクれていたら、内藤はいま最も避けたい話題をブッ込んできた。
「高坂に会う時はそういう格好するなよ」
「やだなあ、私だってTPOは弁えてますって。でも高坂さん、不動産会社の次期社長なんだっけ?そういう人は女に困って無いんじゃないの?」
何度断っても結婚相手を紹介してくるので根負けし、とうとう会うことにしたのだが。さすが内藤、OKと答えた1時間後に日程と場所を決めてきたのである。
「…ま、まさか美香さん、お見合いを?」
「ああそう。望月も紹介しようとしてくれたのに、内藤のを優先しちゃってゴメン」
こんなに頻繁に会っているのに、内藤からの話を優先したことが余程ショックだったのだろう。望月の顔が青褪めている。ご機嫌を取ろうと下から顔を覗きこんだり、頬を揉んだりしてみたがやはり無理そうだ。
「望月…?モッチーィ、機嫌直してよォ…」
「いや、だって、俺の方が美香さんのこと」
怒りのツボは人それぞれだが、望月はきっと私のこういう態度にムカついているのだろう。…ちょっとだけ反省。
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