16 / 35
美香編
手練れの望月
しおりを挟む決別を決意した私は決心も新たに
…何だか妙に『決』が多いな。えっと、もしや決め過ぎ?ふるふると首を左右に振り、改めてッ!!
決別を心に誓った私は腹を据え
…うーん、これだとまどろっこしくて勢いを感じないなあ。でも、まあいいわ。
最近、新入社員の日報をチェックさせられているせいで、文法とか言い回しが妙に気になるのよね。これはもう職業病とでも言いますか、もう体に染みついてい…
「美香さん?行きますよ」
「あ、う~ん!」
会計を済ませて店を出た私たちは駅に向かって歩いていたはずだった。いや、そう思っていたのはどうやら私だけのようだが。
「へ?何ココ…」
「あー、なんかこのホテル評判いいそうですよ。朝食ランキングではいつも1位か2位らしくて、バイキングなんですがイクラかけ放題ですって」
ゴクリと喉が鳴った。
残念ながらイクラは大好物だ。な、なんで今日に限ってそういうホテルを選択するの?いつもはいわゆるラブホで朝食はコンビニで買って来たパンかおにぎりだったのに。澄まし顔で私を見ている望月が急に憎くなる。
「いや、でも、先程の宣言通り、私は他の男を探すことに決めたからッ」
「へえ~、そうなんですか」
な、ちょ、ムカつくううう。
「だから帰るね!もう望月とは会わない」
「シーッ。美香さん、ホテルの入口で騒ぐのはマナー違反ですよ。とにかく中に入りましょう」
え?えええっ??
右手首を掴まれ、腰もホールドされた。
「望月って何でも冷静に対処し過ぎだよッ!絶対に場慣れしてるでしょッ?!」
「ええ、まあ…人並みには」
そんな話をしながらもズンズンとホテルの中を突き進み、チェックインも済ませ、いつの間にか室内にいる2人。
「だから、どうして分かってくれないの?望月と遊んでるヒマは無いんだってばッ」
「だったら…本気になればいい」
ふあああああっ。
誰か助けて!望月が、カッコイイ。
こんなのもう無理なんですけどッ。やだもう、子宮がズキズキする。あの言葉だけで受精しちゃったかもしれない。って、いったいどんなテクニックなのよッ?!
「うーっ」
「もう美香さんは俺のだから絶対に離しません。また別れるって言ったら、カラダで分からせてあげますからね。ほら、気持ちいいでしょ?俺の指、こんなに美香さんの中に入るんですよ」
水音が段々と大きく響き出し、思わず声が出た。
「あ…ん」
「別れるって言ったの、撤回してください」
「撤回しない…んッ、別れると決め…あん」
「撤回しないと、コレあげませんよ」
ズボン越しに望月の望月が存在を主張している。今まで望月が与えてくれた快感が次々と浮かんできて、抗えなくなってしまう。
「望月の意地悪。もう無理、我慢出来ない」
「じゃあ言いましょうか?別れないって」
「わ、別れない」
「はい、確かに聞きましたよ!」
…てな感じで呆気なく望月の手中に落ちた私は、関係継続を約束させられてしまったのである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる