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チート技「国策を悪用して、気に入らないあいつの才能を枯渇させる」を実行しました
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「先生、しっかりして下さいッ‼」
しばらく連載を休ませてくれ……。担当している人気漫画家から、その連絡が有った時、OKを出さざるを得なかった。
同じく漫画家をやっていた奥さんが、スランプの後に自殺。
そんな事が有った後に「しばらく休みたい」と言って来たら……そりゃ……普通はOKを出すだろう……。
だが、すぐに当然気付くべき事に気付いた。
OKは出すべきだろうが、1人きりにしてはいけない。
家族が自殺したばかりの人が1人きりになる事を望むとしたら、本当の望みは何なのか?
私は、すぐに、主要なアシスタントと共に先生の自宅を訪れ……。
「誰かッ‼ 早くッ‼ 救急車呼んでぇ~ッ」
バスタブは、先生の手首の動脈から出た血で真っ赤に染まっていた。
「カミさんを……クールジャパン基金の漫画家支援に推薦したのは、ボクなんだ……」
意識を取り戻した先生は……私にそう言った。
「ああ……そうだ……。こっから先は……牧師さんが告解を聞くつもりで聞いてくれる? 出来ないなら……出来ないって言って」
「えっ?」
「誰かに話さずにはいられないけど……これは、ボクが犯した罪の告白なんだ」
「いえ……あの……こんな状況では、たしかに奥さんの死に責任を感じるのは普通かも知れませんよ。でも、普通なら感じる事が事実とは限らないし……正しいとも限らない」
「違う……ボクは……カミさんに復讐……いや違う……カミさんは何も悪い事はしてない……何って言ったら良いんだろ……ともかく……カミさんを酷い目に遭わせる為に……」
「あ……あの……どう云う事ですか?」
「ねぇ……。ボクとカミさん……どっちが才能が上だったと思う?」
先生の奥さんは、元々、先生のアシスタントだった。
とは言っても、先生の奥さんは、アシスタントで終るつもりは無く、漫画家として連載を持つのが目標だった。
しかし……絵柄も、話の内容も……流行りのモノは描けなかった。いや、流行りを取り入れた絵柄や話にすると……どこか「魂が籠っていない」ような感じがしたのだ。
結局、先生の奥さんが連載を持てたのは……ウチより1桁は発行部数が少ない雑誌だった。
5年の連載を終えた時、その雑誌の売り上げは倍になっていた。
先生の奥さんは、流行りの絵柄や話のテンプレに合わせた漫画を描くのが巧い人にはなれなかったが……新しい流行りやテンプレを生み出せる人だったのだ。
ウチの雑誌の編集者と顔見知りのとんでもない才能の持ち主の漫画を、何で、ウチの雑誌で連載させなかったんだ? と云うのは社内で責任問題になり……そして、その頃、国がやっていたクールジャパン基金は、先生の奥さんの次回作を支援する事を決めた。
アシスタントに潤沢な給料を出せる金を出し……。
次回作のアニメ化の手筈も整え……。
だが……。
「カミさんは……『自分が天才だと気付いてない天才』だったんだ。そうだよね……連載持てるまで、まわりから、流行りの絵が描けないとか、散々言われて……アシスタント生活二十年周年の手前で、ようやく連載持てたんだから……」
「……えっと……何を言われてるんですか……?」
「……ボクは……カミさんがさ……自分が天才と持て囃される事がプレッシャーになり……スランプに陥る事は予想してたよ……。だから、わざと……」
「あ……あの……まさか……」
「ボクはさ……自分のすぐ側に居る、自分じゃ絶対に追い付けない才能を潰せれば良かったんだよ……。それ以上の事は望んでなかった……。でも……やっぱり……そんな間違った事を望んだ時点でさ……」
「じょ……冗談ですよね……」
「ごめん……多分、ボク、もう2度と漫画は描けない」
しばらく連載を休ませてくれ……。担当している人気漫画家から、その連絡が有った時、OKを出さざるを得なかった。
同じく漫画家をやっていた奥さんが、スランプの後に自殺。
そんな事が有った後に「しばらく休みたい」と言って来たら……そりゃ……普通はOKを出すだろう……。
だが、すぐに当然気付くべき事に気付いた。
OKは出すべきだろうが、1人きりにしてはいけない。
家族が自殺したばかりの人が1人きりになる事を望むとしたら、本当の望みは何なのか?
私は、すぐに、主要なアシスタントと共に先生の自宅を訪れ……。
「誰かッ‼ 早くッ‼ 救急車呼んでぇ~ッ」
バスタブは、先生の手首の動脈から出た血で真っ赤に染まっていた。
「カミさんを……クールジャパン基金の漫画家支援に推薦したのは、ボクなんだ……」
意識を取り戻した先生は……私にそう言った。
「ああ……そうだ……。こっから先は……牧師さんが告解を聞くつもりで聞いてくれる? 出来ないなら……出来ないって言って」
「えっ?」
「誰かに話さずにはいられないけど……これは、ボクが犯した罪の告白なんだ」
「いえ……あの……こんな状況では、たしかに奥さんの死に責任を感じるのは普通かも知れませんよ。でも、普通なら感じる事が事実とは限らないし……正しいとも限らない」
「違う……ボクは……カミさんに復讐……いや違う……カミさんは何も悪い事はしてない……何って言ったら良いんだろ……ともかく……カミさんを酷い目に遭わせる為に……」
「あ……あの……どう云う事ですか?」
「ねぇ……。ボクとカミさん……どっちが才能が上だったと思う?」
先生の奥さんは、元々、先生のアシスタントだった。
とは言っても、先生の奥さんは、アシスタントで終るつもりは無く、漫画家として連載を持つのが目標だった。
しかし……絵柄も、話の内容も……流行りのモノは描けなかった。いや、流行りを取り入れた絵柄や話にすると……どこか「魂が籠っていない」ような感じがしたのだ。
結局、先生の奥さんが連載を持てたのは……ウチより1桁は発行部数が少ない雑誌だった。
5年の連載を終えた時、その雑誌の売り上げは倍になっていた。
先生の奥さんは、流行りの絵柄や話のテンプレに合わせた漫画を描くのが巧い人にはなれなかったが……新しい流行りやテンプレを生み出せる人だったのだ。
ウチの雑誌の編集者と顔見知りのとんでもない才能の持ち主の漫画を、何で、ウチの雑誌で連載させなかったんだ? と云うのは社内で責任問題になり……そして、その頃、国がやっていたクールジャパン基金は、先生の奥さんの次回作を支援する事を決めた。
アシスタントに潤沢な給料を出せる金を出し……。
次回作のアニメ化の手筈も整え……。
だが……。
「カミさんは……『自分が天才だと気付いてない天才』だったんだ。そうだよね……連載持てるまで、まわりから、流行りの絵が描けないとか、散々言われて……アシスタント生活二十年周年の手前で、ようやく連載持てたんだから……」
「……えっと……何を言われてるんですか……?」
「……ボクは……カミさんがさ……自分が天才と持て囃される事がプレッシャーになり……スランプに陥る事は予想してたよ……。だから、わざと……」
「あ……あの……まさか……」
「ボクはさ……自分のすぐ側に居る、自分じゃ絶対に追い付けない才能を潰せれば良かったんだよ……。それ以上の事は望んでなかった……。でも……やっぱり……そんな間違った事を望んだ時点でさ……」
「じょ……冗談ですよね……」
「ごめん……多分、ボク、もう2度と漫画は描けない」
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