6 / 7
第一章:The Magic Blade
クソ親類・クソ両親・連続屠殺(1)
しおりを挟む
「ただ今、帰りました」
私は玄関で、そう言った。
「どうしたの、遅かったじゃない?」
家に上がるとダイニング・キッチンの方から母親の声。
「どこ行ってたんだ?」
続いて父親。
「はい、お祖父様の道場で稽古を付けてもらった後に、博多の藤田の伯父様の家に……」
「そうか……。そうだ、話は変るが、高校を卒業したら、そろそろ結婚相手を決めてだな……」
「早過ぎますよ。いくら何でも……」
「だが……俺も仕事が忙しいんで、次に一家揃うのがいつになるか判らんしな、早めに言っておいた方が……」
「あなた……ですけどねえ……」
「いや、でも……家の後継りは男だろ。ウチの会社の若いのか、父さんや義兄さんの秘書で優秀なのを婿養子にしてだな……」
「お父様」
必死だった。
胸の奥底から溶岩のように湧き上がる怒りを必死で隠して……何年も演じ続けた「良い子」のフリを必死で続けた。
「何だ?」
ダイニング・キッチンに入った私は……。
「うがああああッ‼」
「うわあああッ⁉」
私の絶叫と共に、ダイニング・テーブルの足の内、2本が床から離れ……。
「えっ?」
「ぐへぇ……」
父親は椅子ごと倒れて、ダイニング・テーブルに押し潰される。
笑える。
まるで石に潰された蝦蟇だ。
でも……よかった……まだ、生きてて意識が有る。
「ああああ…………」
母親は、まだ、状況を理解していない。
「『そろそろ、結婚相手を決めろ』? 他家に養子に行かせたとは言え……実の娘の命日にする話ですか?」
「あ……あ……あ……」
「藤田の家も同じ……他家からの養子とは言え、娘の命日である事を、すっかり忘れ去っていた」
「え……えっと……」
「それに……この食事……。娘の命日にしては、随分と豪勢ですね」
私は、ダイニング・キッチンの床に散らばった夕食を指差す。
「教えていただけますか? 私の最愛の妹である礼子は……本当は、どこに消えたのですか?」
私は玄関で、そう言った。
「どうしたの、遅かったじゃない?」
家に上がるとダイニング・キッチンの方から母親の声。
「どこ行ってたんだ?」
続いて父親。
「はい、お祖父様の道場で稽古を付けてもらった後に、博多の藤田の伯父様の家に……」
「そうか……。そうだ、話は変るが、高校を卒業したら、そろそろ結婚相手を決めてだな……」
「早過ぎますよ。いくら何でも……」
「だが……俺も仕事が忙しいんで、次に一家揃うのがいつになるか判らんしな、早めに言っておいた方が……」
「あなた……ですけどねえ……」
「いや、でも……家の後継りは男だろ。ウチの会社の若いのか、父さんや義兄さんの秘書で優秀なのを婿養子にしてだな……」
「お父様」
必死だった。
胸の奥底から溶岩のように湧き上がる怒りを必死で隠して……何年も演じ続けた「良い子」のフリを必死で続けた。
「何だ?」
ダイニング・キッチンに入った私は……。
「うがああああッ‼」
「うわあああッ⁉」
私の絶叫と共に、ダイニング・テーブルの足の内、2本が床から離れ……。
「えっ?」
「ぐへぇ……」
父親は椅子ごと倒れて、ダイニング・テーブルに押し潰される。
笑える。
まるで石に潰された蝦蟇だ。
でも……よかった……まだ、生きてて意識が有る。
「ああああ…………」
母親は、まだ、状況を理解していない。
「『そろそろ、結婚相手を決めろ』? 他家に養子に行かせたとは言え……実の娘の命日にする話ですか?」
「あ……あ……あ……」
「藤田の家も同じ……他家からの養子とは言え、娘の命日である事を、すっかり忘れ去っていた」
「え……えっと……」
「それに……この食事……。娘の命日にしては、随分と豪勢ですね」
私は、ダイニング・キッチンの床に散らばった夕食を指差す。
「教えていただけますか? 私の最愛の妹である礼子は……本当は、どこに消えたのですか?」
0
あなたにおすすめの小説
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる