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第一章:シュミラクラ
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どうやら、鎮静剤か睡眠薬を打たれたらしい。
ベッドの上で気が付いた時には……いや、この部屋には時計が無い。今何時か判らない。
日が暮れてから、かなりの時間が経ったのは確かなようだ。
せめて時刻だけでも知る方法は……?
TVだ……。
机の上のTVのリモコンを取ろうとすると……。
机の上には、TVのリモコンを文鎮代りにしてA4の用紙が置かれていた。
『詳しい説明は、明日の朝食後、順番に行ないます。また、予想外の事態が発生した為に、この実験は明日午前中で一端中止となります』
どうなっている……?
だが、どうやら……本当に私を実験台にしている連中にも判っていない事が有る……その可能性はかなり高くなったようだ。
五〇%はいかないが、無視するには大き過ぎる程度には……。
あれは……何だったのだ?
本当に私の脳内には何かの電子機器が埋め込まれていて……奴らは、その電子機器が誤作動を起こすような環境に私を置いたのか?
それとも……あれは「魔法」か「超能力」による精神操作なのか?
精神操作系の異能力?
なら……「大阪派」が生み出し「外」に逃亡した人造異能力者「シン天皇」の破壊は……本当に成功したのか?
マズい……。
あれが自称「正義の味方」どもの手に落ち……そして、筑豊TCAには……。
居ない……筑豊TCAには統治能力を持つ者が居ない……。
対立会派の「大阪派」は我々が粛清し、その我々も自称「正義の味方」どもの捕虜となり……。
残されたのは、精神操作系の異能力への抵抗力無き一般臣民のみ。
その状態で、破壊されたと思われたアレを「外」の者達が利用出来るなら……ああああ……マズいマズいマズい。
筑豊TCAの一般臣民は……「外」の連中の奴隷に……。
大丈夫だ。アレは滅ぼした筈だ。
本当にそうか? 実は生きているのでは無いのか?
その時、私は気付いた。
さっきと同じだ。
頭の中で、私ではない誰かが言い合いをして……。
続いて……部屋の固定電話のベル。
その時……ようやく気付く。
左の手首にリストバンド状の……左手の人差し指にクリップ状の……多分、何かの医療機器。
その2つはケーブルでヘッドギアに繋がっているようで……。
更なる混乱と不安。
だが……何が起きているかの手掛かりは……あれしか無い。
私は受話器を取った。
『大丈夫ですか?』
「何がだ?」
『脈拍の急激な上昇を検知しました』
「何が起きている?」
『詳細は明日の朝に説明します。簡単に言えば、貴方に行なわれた脳改造は不完全な実験段階のものであると思われます』
「えっ?」
『貴方が強い不安を抱いた場合、ある条件の元では、その不安が増幅され続ける可能性が有ります。正確さより判り易さを優先した説明をするなら……今の貴方には「不安の暴走」とでも呼ぶべき状態に陥る危険性が有ります』
ああああ……嘘だろう……だが、どうして、ここに連れて来られてから……その「不安の暴走」が起きるようになったのだ?
今までは、こんな事は無かった筈だ。
『脈拍の上昇がかなり危険なレベルに達していますので、もう1度、鎮静剤を使用します』
「使用しますか?」ではなく「使用します」。
私が今、どんな状況に有るのか?
私の心身にどんな問題が生じているか?
そして、その問題にどう対処するか。
それらの最低限の説明はしてくれる。
だが、あくまで質問ではなく通告。
私は……奴らにとっては……今の所は「人間の言葉を理解出来る実験対象」らしい……。
ベッドの上で気が付いた時には……いや、この部屋には時計が無い。今何時か判らない。
日が暮れてから、かなりの時間が経ったのは確かなようだ。
せめて時刻だけでも知る方法は……?
TVだ……。
机の上のTVのリモコンを取ろうとすると……。
机の上には、TVのリモコンを文鎮代りにしてA4の用紙が置かれていた。
『詳しい説明は、明日の朝食後、順番に行ないます。また、予想外の事態が発生した為に、この実験は明日午前中で一端中止となります』
どうなっている……?
だが、どうやら……本当に私を実験台にしている連中にも判っていない事が有る……その可能性はかなり高くなったようだ。
五〇%はいかないが、無視するには大き過ぎる程度には……。
あれは……何だったのだ?
本当に私の脳内には何かの電子機器が埋め込まれていて……奴らは、その電子機器が誤作動を起こすような環境に私を置いたのか?
それとも……あれは「魔法」か「超能力」による精神操作なのか?
精神操作系の異能力?
なら……「大阪派」が生み出し「外」に逃亡した人造異能力者「シン天皇」の破壊は……本当に成功したのか?
マズい……。
あれが自称「正義の味方」どもの手に落ち……そして、筑豊TCAには……。
居ない……筑豊TCAには統治能力を持つ者が居ない……。
対立会派の「大阪派」は我々が粛清し、その我々も自称「正義の味方」どもの捕虜となり……。
残されたのは、精神操作系の異能力への抵抗力無き一般臣民のみ。
その状態で、破壊されたと思われたアレを「外」の者達が利用出来るなら……ああああ……マズいマズいマズい。
筑豊TCAの一般臣民は……「外」の連中の奴隷に……。
大丈夫だ。アレは滅ぼした筈だ。
本当にそうか? 実は生きているのでは無いのか?
その時、私は気付いた。
さっきと同じだ。
頭の中で、私ではない誰かが言い合いをして……。
続いて……部屋の固定電話のベル。
その時……ようやく気付く。
左の手首にリストバンド状の……左手の人差し指にクリップ状の……多分、何かの医療機器。
その2つはケーブルでヘッドギアに繋がっているようで……。
更なる混乱と不安。
だが……何が起きているかの手掛かりは……あれしか無い。
私は受話器を取った。
『大丈夫ですか?』
「何がだ?」
『脈拍の急激な上昇を検知しました』
「何が起きている?」
『詳細は明日の朝に説明します。簡単に言えば、貴方に行なわれた脳改造は不完全な実験段階のものであると思われます』
「えっ?」
『貴方が強い不安を抱いた場合、ある条件の元では、その不安が増幅され続ける可能性が有ります。正確さより判り易さを優先した説明をするなら……今の貴方には「不安の暴走」とでも呼ぶべき状態に陥る危険性が有ります』
ああああ……嘘だろう……だが、どうして、ここに連れて来られてから……その「不安の暴走」が起きるようになったのだ?
今までは、こんな事は無かった筈だ。
『脈拍の上昇がかなり危険なレベルに達していますので、もう1度、鎮静剤を使用します』
「使用しますか?」ではなく「使用します」。
私が今、どんな状況に有るのか?
私の心身にどんな問題が生じているか?
そして、その問題にどう対処するか。
それらの最低限の説明はしてくれる。
だが、あくまで質問ではなく通告。
私は……奴らにとっては……今の所は「人間の言葉を理解出来る実験対象」らしい……。
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