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プロローグ
Be Devil
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「あの……姐さん……やっぱ、やんないと駄目っすか?」
「あたしも嫌ですよ……」
私の組織の最古参メンバーである深沢大和と古賀アカネは、もう5分近くも同じボヤきを繰り返していた。
最古参メンバーと云うのは、私がこの時代に甦った直後に、たまたま出会して支配した暴走族の一員と云う意味だ……。
その時の「この時代での最初の手下」達は……どこぞの阿呆が、私を封印していた呪物を持ち去って2年以上か……その間に色々と有って、この2人を残して残念な事になった。
もっとも、連中の魂は、この時代の「魔法使い」の言葉で云う「使い魔」として有効活用させてもらっているが……。
「なら……仕方ない。……まずは、その間抜けな『精神操作能力者』を説得してもらえるか?」
「へ……?」
「ああ……嫌な予感が……」
「そいつへの制裁として、チ○コを切り落そうとしたが、そいつが嫌がったので、ハンマーでそいつの手足の骨を砕く事にした。でも、今度は、お前たちが、そいつの手足を叩き潰すのは嫌だと言っている……。なら、しょうがない。その口が臭い五十男に『手足を砕かれるより、チ○コを切り落される方がマシです』と言わせろ」
「あ……あの……」
「相手の嫌がる事はしないのが、この時代のルールではないのか? その間抜けは然るべき制裁をされて当然の真似をやらかしたが……せめて、そいつにとって一番マシな制裁で済ませてやるべきだ。違うか? 制裁の方法を変えるなら、まずは、そいつの同意を取れ」
千数百年ぶりに人間の世界に甦ってみれば、やたらと「常人にない特殊な能力」の持ち主が増えていた。
今日、「『悪の組織』向けの投資信託」を勧めに来た、この時代の基準では「齢の割にイケメン」だが他に山程の欠点が有る男もそうだった。
そして、この男の山程の欠点の最大のモノが……よりにもよって、この私に「精神操作能力」とやらを使うような阿呆だと云う事だ。2つ目が口が臭い事と話す時に唾を飛ばす事。3つ目が2つ目の欠点に自分で気付いていない事で、4つ目が明らかな詐欺師だと云う事。
退屈しのぎに、その「精神操作」が効いたフリをして、この阿呆を寝室に案内し……あっと云う間に、世にもマヌケな五十男は、死なない程度の怪我を負い、私の手下達に両手両足を押さえ付けられて、処刑の時を待つ羽目になった。
「あ~……つまらん……」
私は、この時代の道具であるタブレットPCを起動し……「ネットニュース」とやらを見ると……よりにもよって画面に映ったのは、私を捨てた女の生き生きとした顔……。
『あのさあ……優奈姉は、あんたの事、恋人とかライバルとか思ってた訳じゃないと思うよ』
頭の中で聞こえるのは、この肉体の本来の持ち主である野見山千夏の思念。
かつて……何回か戦った「鬼」系の「御当地ヒーロー」は、新しく出来た一般人の救助・避難誘導が専門のチームに「移籍」していた。
『ところで、未だに良く判らんのだが……「鬼」とは何だ? 私が生きてた頃には無かった……ええっと……概念なんでな』
どうやら、「移籍」のお蔭で、ヤツは顔や名前を公表する事が出来るようになり……こうして、「ネットニュース」とやらでも今の言葉で言うなら「スター」扱いだ。
『だから……人間に似てるけど、角や牙が有って……』
『牙はともかく、あいつの角は「霊力」そのものだぞ……電子機器には映らんだろ』
『いや……だから……』
ひょっとしたら、「鬼」と云うのは……たまたま姿が似ている複数種類の「異種」を雑に一纏めにした「概念」なのか?
訳が判らん……。数百年前に生まれたらしい言葉よりも、最近のモノの方が良く理解出来る。
『ところで、そろそろ、TV買っていいか?』
『駄目。お金ないでしょ』
『バイクは?』
『仕事用以外は駄目に決ってる。TVより、お金がかかる』
『仕事用って、電動式のヤツか?』
『当前』
『いや……電動式のバイクは……この時代の言葉で云うなら……「格好良くない」』
『あのね……これから充電スタンドが増えてく代りにガソリンスタンドは減ってく上に、ガソリンエンジン式の車やバイクの整備費は、どんどん上ってくの。ガソリンエンジン式の車やバイクは、これからは、中古品でも車オタクやバイクオタクの金持ちしか持てない贅沢品になってくの』
やれやれ……。
『で、明日もお金を稼ぎに行く事になってるから、予定を確認しといて』
『わかった……わかった……』
人間の世界に舞い戻り、中小とは言え「悪の組織」の親玉になったは良いが……あの闇の中で思い描いていたのとは何かが違う……。
私は……やりたくもない仕事で金を稼いで、手下達を食わせ、「上部組織」とやらに下げたくもない頭を下げる為に、この世界に甦ったのか?
その時、大型のハンマーで何かを思いっ切り叩く音がした。
「ぎゃああああッ‼」
……何だ、あいつらも、やれば出来るじゃないか。
「あたしも嫌ですよ……」
私の組織の最古参メンバーである深沢大和と古賀アカネは、もう5分近くも同じボヤきを繰り返していた。
最古参メンバーと云うのは、私がこの時代に甦った直後に、たまたま出会して支配した暴走族の一員と云う意味だ……。
その時の「この時代での最初の手下」達は……どこぞの阿呆が、私を封印していた呪物を持ち去って2年以上か……その間に色々と有って、この2人を残して残念な事になった。
もっとも、連中の魂は、この時代の「魔法使い」の言葉で云う「使い魔」として有効活用させてもらっているが……。
「なら……仕方ない。……まずは、その間抜けな『精神操作能力者』を説得してもらえるか?」
「へ……?」
「ああ……嫌な予感が……」
「そいつへの制裁として、チ○コを切り落そうとしたが、そいつが嫌がったので、ハンマーでそいつの手足の骨を砕く事にした。でも、今度は、お前たちが、そいつの手足を叩き潰すのは嫌だと言っている……。なら、しょうがない。その口が臭い五十男に『手足を砕かれるより、チ○コを切り落される方がマシです』と言わせろ」
「あ……あの……」
「相手の嫌がる事はしないのが、この時代のルールではないのか? その間抜けは然るべき制裁をされて当然の真似をやらかしたが……せめて、そいつにとって一番マシな制裁で済ませてやるべきだ。違うか? 制裁の方法を変えるなら、まずは、そいつの同意を取れ」
千数百年ぶりに人間の世界に甦ってみれば、やたらと「常人にない特殊な能力」の持ち主が増えていた。
今日、「『悪の組織』向けの投資信託」を勧めに来た、この時代の基準では「齢の割にイケメン」だが他に山程の欠点が有る男もそうだった。
そして、この男の山程の欠点の最大のモノが……よりにもよって、この私に「精神操作能力」とやらを使うような阿呆だと云う事だ。2つ目が口が臭い事と話す時に唾を飛ばす事。3つ目が2つ目の欠点に自分で気付いていない事で、4つ目が明らかな詐欺師だと云う事。
退屈しのぎに、その「精神操作」が効いたフリをして、この阿呆を寝室に案内し……あっと云う間に、世にもマヌケな五十男は、死なない程度の怪我を負い、私の手下達に両手両足を押さえ付けられて、処刑の時を待つ羽目になった。
「あ~……つまらん……」
私は、この時代の道具であるタブレットPCを起動し……「ネットニュース」とやらを見ると……よりにもよって画面に映ったのは、私を捨てた女の生き生きとした顔……。
『あのさあ……優奈姉は、あんたの事、恋人とかライバルとか思ってた訳じゃないと思うよ』
頭の中で聞こえるのは、この肉体の本来の持ち主である野見山千夏の思念。
かつて……何回か戦った「鬼」系の「御当地ヒーロー」は、新しく出来た一般人の救助・避難誘導が専門のチームに「移籍」していた。
『ところで、未だに良く判らんのだが……「鬼」とは何だ? 私が生きてた頃には無かった……ええっと……概念なんでな』
どうやら、「移籍」のお蔭で、ヤツは顔や名前を公表する事が出来るようになり……こうして、「ネットニュース」とやらでも今の言葉で言うなら「スター」扱いだ。
『だから……人間に似てるけど、角や牙が有って……』
『牙はともかく、あいつの角は「霊力」そのものだぞ……電子機器には映らんだろ』
『いや……だから……』
ひょっとしたら、「鬼」と云うのは……たまたま姿が似ている複数種類の「異種」を雑に一纏めにした「概念」なのか?
訳が判らん……。数百年前に生まれたらしい言葉よりも、最近のモノの方が良く理解出来る。
『ところで、そろそろ、TV買っていいか?』
『駄目。お金ないでしょ』
『バイクは?』
『仕事用以外は駄目に決ってる。TVより、お金がかかる』
『仕事用って、電動式のヤツか?』
『当前』
『いや……電動式のバイクは……この時代の言葉で云うなら……「格好良くない」』
『あのね……これから充電スタンドが増えてく代りにガソリンスタンドは減ってく上に、ガソリンエンジン式の車やバイクの整備費は、どんどん上ってくの。ガソリンエンジン式の車やバイクは、これからは、中古品でも車オタクやバイクオタクの金持ちしか持てない贅沢品になってくの』
やれやれ……。
『で、明日もお金を稼ぎに行く事になってるから、予定を確認しといて』
『わかった……わかった……』
人間の世界に舞い戻り、中小とは言え「悪の組織」の親玉になったは良いが……あの闇の中で思い描いていたのとは何かが違う……。
私は……やりたくもない仕事で金を稼いで、手下達を食わせ、「上部組織」とやらに下げたくもない頭を下げる為に、この世界に甦ったのか?
その時、大型のハンマーで何かを思いっ切り叩く音がした。
「ぎゃああああッ‼」
……何だ、あいつらも、やれば出来るじゃないか。
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