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悪夢の異世界追放転生から帰還しました。お前ら、泣いて許しを乞うても、もう遅い……ってアレ?
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「悪いな、この任務は極秘なんだよ」
国王が召集した俺達のパーティーは、あの恐るべき神器を入手し……後は王都へ帰還するだけだった。
この神器は隣国との戦いを勝利に導くだろう。
だが……実戦に投入する準備が整うまでは……その存在を隣国に知られてはならない。
……そこまでは判っているのだが……。
「俺が裏切るとでも言うのか?」
俺は、パーティーのリーダーである、王族の分家の三男坊にそう言った。
「機密保持の為、我々のパーティーは……陛下の直臣……王族の藩屏たる者のみで構成すべきでしたが……残念ながら1人例外が生じてしまった」
国王の近衛軍所属の魔法使いの中でも、実戦に関してはピカ一と言われている奴……実際に言われるだけの腕は有った……がそう言った。
ヤツの言ってる事に該当するのは言うまでも無い。俺だ。
「忍び」としての技量を持つ俺は……代々「王国の影の部分」を担ってきた一族の……更に家臣の……そのまた……。まぁ、早い話が、その手の人間の中で腕前が一番上だったのが、国王から見れば、家来の家来の家来の家来ぐらいに当たる俺だったのだ。
「フザけた事を言う……。この中で一番腕が立つのは俺……うわっ?」
次の瞬間、俺の足下に異界への門が開いた。
殺すより確実な方法なのは認めざるを得ない。
どうやら無数に有るらしい「魔界」「地獄」「奈落」などと言われてる世界のどれかまでは判らないが……ともかく、そんな世界の1つに俺を送り込みやがったらしい。
俺を殺しても……万が一、俺が亡霊になったら……死霊術士であれば、俺の亡霊を呼び出して、何が起きたかを知るかもしれない……。
もちろん、そんなのは文字通り「万が一」だ。
しかし、ここでは、その「万が一」も起き得ない。
この世界で魔物に食われる事は……魂さえも魔物の一部になる事を意味する。
「がうっ?」
「ふぎゃっ?」
魔物達が……俺の存在に気付いたようだった。
多分……人の一生よりは長い時間が過ぎただろう。
俺は……いつしか……魔物達の一匹になっていた。
この世界の空には……いくつもの青い球体が浮かんでいる。
あの球体は、1つ1つが人間の住む世界への門らしい。
俺は……ようやく、あの「門」が有る所まで飛べる力を手にした。
俺は……今さっき……殺し……食った他の魔物から奪った力を使い……。
俺の背中には闇の魔力で出来た大きな翼が出現した。
既に人間とは似ても似つかぬ姿になったのに背中と言うのも変だが、ともかく人間にとっての背中に相当する場所だ。
俺は……空を飛び……そして探した。
俺の中に、かすかに残った人間の本能……それが……俺が人間だった頃に居た世界がどれかを教えてくれた。
何だ、ここは?
本当に俺の居た世界なのか?
間違ってしまったのか?
それとも……俺が人間だった時代から……ここまで世界が変化するほどの時代が過ぎたのか?
ガラスと人造の石で出来た、いくつもの四角い塔。
瀝青らしきモノで舗装された道を走る……鉄の乗り物。
復讐のつもりで戻って来たのに……実感が湧かない。
どうやら……人間より遥かに巨大になってしまった今の俺からすると……子供の玩具にしか思えない鉄の乗り物と空を飛ぶ乗り物が、正体不明の飛び道具で俺を攻撃し始めた。
俺は……これっぽっちも効かないその攻撃を浴びながら……胸の中の怒りと憎しみを何にブツければ良いのかさえ判らないまま……呆然と立ち尽くすしか無かった。
国王が召集した俺達のパーティーは、あの恐るべき神器を入手し……後は王都へ帰還するだけだった。
この神器は隣国との戦いを勝利に導くだろう。
だが……実戦に投入する準備が整うまでは……その存在を隣国に知られてはならない。
……そこまでは判っているのだが……。
「俺が裏切るとでも言うのか?」
俺は、パーティーのリーダーである、王族の分家の三男坊にそう言った。
「機密保持の為、我々のパーティーは……陛下の直臣……王族の藩屏たる者のみで構成すべきでしたが……残念ながら1人例外が生じてしまった」
国王の近衛軍所属の魔法使いの中でも、実戦に関してはピカ一と言われている奴……実際に言われるだけの腕は有った……がそう言った。
ヤツの言ってる事に該当するのは言うまでも無い。俺だ。
「忍び」としての技量を持つ俺は……代々「王国の影の部分」を担ってきた一族の……更に家臣の……そのまた……。まぁ、早い話が、その手の人間の中で腕前が一番上だったのが、国王から見れば、家来の家来の家来の家来ぐらいに当たる俺だったのだ。
「フザけた事を言う……。この中で一番腕が立つのは俺……うわっ?」
次の瞬間、俺の足下に異界への門が開いた。
殺すより確実な方法なのは認めざるを得ない。
どうやら無数に有るらしい「魔界」「地獄」「奈落」などと言われてる世界のどれかまでは判らないが……ともかく、そんな世界の1つに俺を送り込みやがったらしい。
俺を殺しても……万が一、俺が亡霊になったら……死霊術士であれば、俺の亡霊を呼び出して、何が起きたかを知るかもしれない……。
もちろん、そんなのは文字通り「万が一」だ。
しかし、ここでは、その「万が一」も起き得ない。
この世界で魔物に食われる事は……魂さえも魔物の一部になる事を意味する。
「がうっ?」
「ふぎゃっ?」
魔物達が……俺の存在に気付いたようだった。
多分……人の一生よりは長い時間が過ぎただろう。
俺は……いつしか……魔物達の一匹になっていた。
この世界の空には……いくつもの青い球体が浮かんでいる。
あの球体は、1つ1つが人間の住む世界への門らしい。
俺は……ようやく、あの「門」が有る所まで飛べる力を手にした。
俺は……今さっき……殺し……食った他の魔物から奪った力を使い……。
俺の背中には闇の魔力で出来た大きな翼が出現した。
既に人間とは似ても似つかぬ姿になったのに背中と言うのも変だが、ともかく人間にとっての背中に相当する場所だ。
俺は……空を飛び……そして探した。
俺の中に、かすかに残った人間の本能……それが……俺が人間だった頃に居た世界がどれかを教えてくれた。
何だ、ここは?
本当に俺の居た世界なのか?
間違ってしまったのか?
それとも……俺が人間だった時代から……ここまで世界が変化するほどの時代が過ぎたのか?
ガラスと人造の石で出来た、いくつもの四角い塔。
瀝青らしきモノで舗装された道を走る……鉄の乗り物。
復讐のつもりで戻って来たのに……実感が湧かない。
どうやら……人間より遥かに巨大になってしまった今の俺からすると……子供の玩具にしか思えない鉄の乗り物と空を飛ぶ乗り物が、正体不明の飛び道具で俺を攻撃し始めた。
俺は……これっぽっちも効かないその攻撃を浴びながら……胸の中の怒りと憎しみを何にブツければ良いのかさえ判らないまま……呆然と立ち尽くすしか無かった。
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