契約ではそうなっています。ただ不可能なだけで。

蓮實長治

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契約ではそうなっています。ただ不可能なだけで。

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「大臣、抗ゾンビ化薬の接種予約システムの不具合の件ですが……」
「おい、お前、誰だ?」
「はい、ITニュースと云うWEBニュースサイトの……」
「あのなぁ、お前、誰に断って、このブラ下りに参加してんだ?」
「い……いえ、しかし、今回の問題は……」
「おい、警備員、不審者だ、つまみ出せ」
「あの……黄泉買新聞ですが……さっきの記者が質問しようとした件ですが恐縮ですが……その……『WEB画面で登録完了と表示されたのに、実際には予約データが登録されていないケースが全体の20%以上有る』件の修正は、いつ頃に……?」
「はぁっ?」
「い……いえ……」
「さっき言っただろ。あのシステムを作った製造元との契約のせいで、んだよ」
「えっと……意味が判らないのですが……」
「おい、質問は1社1つだけだろ」
「あの……没日新聞ですが……何故、製造元と連絡が取れないのでしょうか?」
「お前ら、東大出てんだろ。そんなに頭が良いのに、なんで、何度も何度も何度も何度も、説明してやんなきゃいけねぇんだ? 製造元との契約では、不具合が見付かった場合の窓口は品質保証部になってたからだよ」
「えっと……西京新聞ですが……たしかに、この手の企業であれば、不具合対応の窓口は品質保証部になるのが通例ですが……なら、製造元の品質保証部に連絡をすれば良い話では……」
「おい、お前、阿呆か? お前の新聞では、あのシステムの悪口を散々書いてたよなぁ? じゃあ逆に聞くが、お前は同じ1つの会社をであると同時にだと本気で思ってたのか? 契約書に書かれてた窓口が無かったんだよ」
「ええっと……隔日新聞ですが……今のは……」
「馬鹿か、お前。何年、俺の担当記者やってんだ? 記事にしたいんなら、まずは、再就職先を探してからにするんだな」
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