大手弁護士事務所のイソ弁ですが、理不尽な理由で給料を減らされ……えっ??

蓮實長治

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大手弁護士事務所のイソ弁ですが、理不尽な理由で給料を減らされ……えっ??

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「先に言っとくけど……この1ヶ月ばかり、ロクに成果上げてないだろ。このままだと、来期の査定は大幅に下るから」
 弁護士会から戻って来た途端に、事務所の親分がとんでもない事を言い出しやがった。
「ちょっと待って下さい。弁護士会から変な仕事押し付けられて……」
「それでも駄目だ」
「でも、変なんですよ」
「何が……」
「ほら、ウチの県で有数の『人権派』の弁護士として有名なYさんって居るでしょ」
「ああ、それで?」
「あの人に集団で懲戒請求出した馬鹿どもが居て……」
「ああ、由々しき事だな……それで……?」
「ところが、何故か、その懲戒請求関係の事務作業を、全部、俺がやれって弁護士会に言われて」
「ああ、そうか、頑張れ。でも、ウチの仕事は滞っているよな?」
「あのですねえ。数百件の懲戒請求が来てて、それ関係の事務作業を、何故か全部俺がやる羽目になったんですよ」
「数百件と言っても文面は全部、ネット上に転がってるのをコピペしただけだろ。弁護士会から言われた作業も、ウチの仕事も両立させろ。出来ないなら、来期から給料を下げる」
「無茶苦茶です」
「何がだ?」
「少しは俺の事情も考えて下さい」
「ああ、考えた上でだ」
「どこがですか?」
「おい、まさか、お前、ホントに自分のやった事を忘れたのか?」
「何の事ですか?」
「SNSでYさんへの懲戒請求を煽ってただろ、お前」
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