蝉と水着と8ミリカメラ、黒髪の幼なじみ。夏休みの最後の思い出は太陽とプールと消毒液の匂い。

にゃむ

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恥と挫折と空想と被害妄想にまみれた10代の自分に向けて、何か書いてみようと思いました。

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「俺の名前は澄田航二(すみだこうじ)、西南高校3年の17歳」

”俺”はもいいや。

僕は今から、”僕”と名乗ります。

今は、2022年の9月5日の夜です。

今書いているお話は、僕が17歳だったかつてのお話です。

もちろん、僕も、物語も、架空のものであり、

空想上のものです。

それどころか、物語ですらないかもしれませんね。

くれぐれもそのことを最初にことわっておきます。



10代の僕は自分のことがあまり好きではありませんでした。

今だってそんなに大好きという訳ではありませんが。

そのころは、今よりずっと

名前も、体も、考えていることも、

自分の全てに違和感を感じていました。



僕という、小さな何かが、頭の中に棲んでいて、それが本当の僕で、

僕は、どこかで使い古しの肉体を借りてきて、

一時的にその肉体に棲んでいるだけのような感覚でした。

僕の頭を、ノコギリで切開したなら、その中に小さな僕が見つけることが

できたかもしれないです。



運動をしても、勉強をしても上手にできなかった僕は、僕に自分のことを世の中でいちばんつまらない、

取り柄のない人間だと、思うことにしました。

そう思うと、不思議なもので周りの友達も先生も、僕がつまらなくて取り柄のない人間で間違いないと

納得して、太鼓判を押してくれるような気がして、幾分優しく接してくれるような気がしました。




そこで、ようやく僕は自分を許すことができました。

取り柄がなくて、つまらない人間だから、

うまくいかないのは当然だよ。

何やってもうまくいかなくても、気にしないで。

そこに複雑なカラクリは何もない。

できないものはできない。

できることはできる。

シンプルにそれだけのことだと納得しました。




世界中に10代の男の子は、ものすごくたくさんいるでしょう。

その中で特別であろうとすることは、

お月さんに向かっておしっこするようなものですね。

宇宙に無限にある、たった一個のチリ屑である僕が

むきになって頑張って、できることなんて知れている。

なんの取り柄もなく、つまらない人間である自分に

できることは何もありません。


しかし自分にもう過ぎ去ってしまった10代の頃があり、

何もかも上手くいかなったように見えた何年間も

今思えば、それはそれで悪くないようのも思えて、

空想上の架空のお話ではありますけれど

つたないながらも

文章にしてみようと思い、この雑文をいま書いています。

ごめんなさい。

そして物語は2022年の5月3日の祝日から始まります。













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