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エクリプス辺境伯家1
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「何で俺たちがテストを受けなくちゃいけないんだよ!」
「そうよ、わたしは王国の貴族の子女よ!おかしいわ!」
やたらめったら暴言を吐くがそんなことなどどうでもいい、選別はすでに始まっていることに気が付かないのか?王国の人間はここまで愚かだと笑ってしまえばそれまでだがキッチリやらせてもらう。
「君達には配られた紙の内容に答えを出してもらう。他人の答案を見ないように。筆記用具はこちらで出すからただ書いてもらうだけでいい。名前はちゃんと書くこと。正解の回答を赤で書くからちゃんと見るように」
全員に紙を配る。ユーフォリア、リースリット、シャナも参加して南部から来た人たちや若い冒険者風の男女も見受けられる。すでにわたしが辺境伯に任命されたことを話すと、
「あんな子供でも成れるのだからこの王国はヌルいな」
そうぼやく男や。
「ここで認められれば家族の生活が楽になる」
必死の顔をしている少女。
年齢や種族などの制限は一切設けていないためかなり多く集まった。
テストの内容は簡単な計算からやや高度な判断力などを回答するもので難易度はさして高いものではないが何も学んでいなければまず答えが出せない。だけどこれはあくまで選別で結果を出すのはその後にある。無情だが努力しない者には現実を見てもらうしかない。
「そういうわけでテストを行いました。結果が出るのは3日後です」
右手で水晶のように透明な球を弄る。これは特別な相手に繋がる前世の電話のようなものだ。王妃たちには似たようなものをこっそり渡している。
「いろいろと迷惑をかけてすみません」
すでに答えは出してあるのであとは彼らしだいということになる、どういう結果になるかはまだわからない。ユーフォリアたちですら正解率は半分にも届かなかった。
「でも、こんな簡単な方法でいいのですか?」
どうやら不安があるようだ、3日後の本番ではありえないようなことになるのだから。
「問題ありません。大事なのは今という現実を受け止め前に進む熱意です、それさえあれば知識は後からでもついてきますから。そういった教育を施すのも上に立つ者の責任ですから」
「たしかに、これですら突破できない者達を臣下にするなど不可能ですね。後のことはお任せください。貴族たちの意識改革の良いお手本になるでしょう」
そうして連絡を切られる。仕事は多いがあと3日後が楽しみだ。
そうして3日後の本番になるがはっきりと分かるほど人数が少なくなっていた。こちらが親切に教えてやったのに無視されて帰ったのだ。とくに貴族の子供らが半分以上もいなくなっていた。
(おいおい、これじゃどうしようもないだろ)
失望するがある程度予想はできた。自分の知識がいかに狭かったのが認められなくて逃げたのだ。これでは受け入れようがない。残ったのは偉い貴族の子供ではなく下のほうから数えたほうが早いほど身分が低い人たちばかりであった。
(こういう人たちが偉くなればきっと世界は変わるんだろうな)
うっすらと笑みを浮かべながら問題と格闘する人たちを見ていた。
結果はユーフォリアたちがほぼ満点だった。彼女らは正解の回答を何度も見直して問題点をひたすら洗い出したのだ、一緒に受けた他の人たちを誘って勉強会を開くなど活発に交流を深めあい本番に備えた。
次がそれに参加した人たち。最初は問題の内容など意味不明だったが計算が出来る人や問題が判断できる人たちなどの話を深く聞いてそのやり方を真似したり覚えたりした人たちだ。この人たちが大きく成長しただろうな。
それより劣っていたのはほぼ貴族の子供たち。問題点の見直しなどせずに他者とも話をせず自分勝手な考えで問題を判断した人たち。貴族らしい優美な考えや妄想などに惑わされた愚かな人間だが王都に戻れる移動費をきちんと出した。せっかく来たのに何もなしでは人としておかしく思う。
この3つだけだ。上の人にはすぐさま管理職などある程度人を動かし自己判断できる権限を与えて配置することにした。
中ぐらいの人はまだ知識や経験が足りないためその下に付けて下積みに励んでもらう。初めのうちはなかなか苦労するがきっと良い経験になるだろう。
下の人は残念ながらダメだ。努力すべき所が見えていないし身勝手な判断で秩序を乱すので不採用。彼らには真面目に勉強してもらいたいがあの性格では一生上にいけないな。
問題内容は先に行ったテストと完全にまったく同じものだ。これで努力してなければ完全に役立たずだ。王妃らにその話を伝える。
「テストは終わりました。まぁ予想はしていたのですが本番の日よりも前に逃げ出す人が多かったのでそういう人たちは採用するのはどう考えても無理ですね。あとは・・・」
テストの結果を王妃に伝える。
「・・・ですので問題を洗いなおしたり解決できない問題があれば他者と話をして問題解決した人たちなどある程度の点数を上回った人達はすべて採用しました。まだまだ勉強などが必要ですがこれから覚えても遅くはありませんし人手が圧倒的に足りない状況なので良しとします。下級貴族の出ですが高い点数を出した人もそれなりにいました。以上です」
「報告ありがとうございます。この者たちが未来の王国を担う人材となることを願っています。ユーフォリアたちはともかく意外な人たちが採用されましたね」
王妃たちが驚いたのはまったく縁のなかった人たちがユーフォリア達などに好意的に近づいたことだろう。何かしらの打算があると思うが結果は申し分ないもので上位に入っている。
ユーフォリアのグループは貴族の派閥そのもので構成員は下級貴族の出身がほとんどだ。能力を磨かなくては生活できない状態で兵士や冒険者などを兼業していた。ここの土地が開拓されたのを聞いて募集してきたのだ。
リースリットのグループは貴族家などではなく獣人や半獣人などで主に生産関連などの商売で力を発揮している縁の下の力持ちだ。計算などの知識は当然あるし人脈も広い。ここには生産物を求めてきたが労働力などでも働きたい人たちもいる。
シャナのグループは南部から来た人たちの一枚岩のグループだ。カグラ家を頂点に役割分担がされていて戦闘から労働まで広くこなす。南の人たちとは険悪だが他国とは種族での繋がりが非常に強いため結束が強いし技術力も高い。
上から政治部門、商業部門、生産部門が適切だと思う。戦闘要員は均等に割り振らないと欠員が出たときが面倒だ。
「あ~、面倒だ。でもこれをやらないと雇用主として失格だよな」
数多くの人を一度に雇ったのでその配置が恐ろしく大変だった。鉱山などの大規模な利権も多くあるので公平に分配しなければいけない。しばらく残業だ。
「そうよ、わたしは王国の貴族の子女よ!おかしいわ!」
やたらめったら暴言を吐くがそんなことなどどうでもいい、選別はすでに始まっていることに気が付かないのか?王国の人間はここまで愚かだと笑ってしまえばそれまでだがキッチリやらせてもらう。
「君達には配られた紙の内容に答えを出してもらう。他人の答案を見ないように。筆記用具はこちらで出すからただ書いてもらうだけでいい。名前はちゃんと書くこと。正解の回答を赤で書くからちゃんと見るように」
全員に紙を配る。ユーフォリア、リースリット、シャナも参加して南部から来た人たちや若い冒険者風の男女も見受けられる。すでにわたしが辺境伯に任命されたことを話すと、
「あんな子供でも成れるのだからこの王国はヌルいな」
そうぼやく男や。
「ここで認められれば家族の生活が楽になる」
必死の顔をしている少女。
年齢や種族などの制限は一切設けていないためかなり多く集まった。
テストの内容は簡単な計算からやや高度な判断力などを回答するもので難易度はさして高いものではないが何も学んでいなければまず答えが出せない。だけどこれはあくまで選別で結果を出すのはその後にある。無情だが努力しない者には現実を見てもらうしかない。
「そういうわけでテストを行いました。結果が出るのは3日後です」
右手で水晶のように透明な球を弄る。これは特別な相手に繋がる前世の電話のようなものだ。王妃たちには似たようなものをこっそり渡している。
「いろいろと迷惑をかけてすみません」
すでに答えは出してあるのであとは彼らしだいということになる、どういう結果になるかはまだわからない。ユーフォリアたちですら正解率は半分にも届かなかった。
「でも、こんな簡単な方法でいいのですか?」
どうやら不安があるようだ、3日後の本番ではありえないようなことになるのだから。
「問題ありません。大事なのは今という現実を受け止め前に進む熱意です、それさえあれば知識は後からでもついてきますから。そういった教育を施すのも上に立つ者の責任ですから」
「たしかに、これですら突破できない者達を臣下にするなど不可能ですね。後のことはお任せください。貴族たちの意識改革の良いお手本になるでしょう」
そうして連絡を切られる。仕事は多いがあと3日後が楽しみだ。
そうして3日後の本番になるがはっきりと分かるほど人数が少なくなっていた。こちらが親切に教えてやったのに無視されて帰ったのだ。とくに貴族の子供らが半分以上もいなくなっていた。
(おいおい、これじゃどうしようもないだろ)
失望するがある程度予想はできた。自分の知識がいかに狭かったのが認められなくて逃げたのだ。これでは受け入れようがない。残ったのは偉い貴族の子供ではなく下のほうから数えたほうが早いほど身分が低い人たちばかりであった。
(こういう人たちが偉くなればきっと世界は変わるんだろうな)
うっすらと笑みを浮かべながら問題と格闘する人たちを見ていた。
結果はユーフォリアたちがほぼ満点だった。彼女らは正解の回答を何度も見直して問題点をひたすら洗い出したのだ、一緒に受けた他の人たちを誘って勉強会を開くなど活発に交流を深めあい本番に備えた。
次がそれに参加した人たち。最初は問題の内容など意味不明だったが計算が出来る人や問題が判断できる人たちなどの話を深く聞いてそのやり方を真似したり覚えたりした人たちだ。この人たちが大きく成長しただろうな。
それより劣っていたのはほぼ貴族の子供たち。問題点の見直しなどせずに他者とも話をせず自分勝手な考えで問題を判断した人たち。貴族らしい優美な考えや妄想などに惑わされた愚かな人間だが王都に戻れる移動費をきちんと出した。せっかく来たのに何もなしでは人としておかしく思う。
この3つだけだ。上の人にはすぐさま管理職などある程度人を動かし自己判断できる権限を与えて配置することにした。
中ぐらいの人はまだ知識や経験が足りないためその下に付けて下積みに励んでもらう。初めのうちはなかなか苦労するがきっと良い経験になるだろう。
下の人は残念ながらダメだ。努力すべき所が見えていないし身勝手な判断で秩序を乱すので不採用。彼らには真面目に勉強してもらいたいがあの性格では一生上にいけないな。
問題内容は先に行ったテストと完全にまったく同じものだ。これで努力してなければ完全に役立たずだ。王妃らにその話を伝える。
「テストは終わりました。まぁ予想はしていたのですが本番の日よりも前に逃げ出す人が多かったのでそういう人たちは採用するのはどう考えても無理ですね。あとは・・・」
テストの結果を王妃に伝える。
「・・・ですので問題を洗いなおしたり解決できない問題があれば他者と話をして問題解決した人たちなどある程度の点数を上回った人達はすべて採用しました。まだまだ勉強などが必要ですがこれから覚えても遅くはありませんし人手が圧倒的に足りない状況なので良しとします。下級貴族の出ですが高い点数を出した人もそれなりにいました。以上です」
「報告ありがとうございます。この者たちが未来の王国を担う人材となることを願っています。ユーフォリアたちはともかく意外な人たちが採用されましたね」
王妃たちが驚いたのはまったく縁のなかった人たちがユーフォリア達などに好意的に近づいたことだろう。何かしらの打算があると思うが結果は申し分ないもので上位に入っている。
ユーフォリアのグループは貴族の派閥そのもので構成員は下級貴族の出身がほとんどだ。能力を磨かなくては生活できない状態で兵士や冒険者などを兼業していた。ここの土地が開拓されたのを聞いて募集してきたのだ。
リースリットのグループは貴族家などではなく獣人や半獣人などで主に生産関連などの商売で力を発揮している縁の下の力持ちだ。計算などの知識は当然あるし人脈も広い。ここには生産物を求めてきたが労働力などでも働きたい人たちもいる。
シャナのグループは南部から来た人たちの一枚岩のグループだ。カグラ家を頂点に役割分担がされていて戦闘から労働まで広くこなす。南の人たちとは険悪だが他国とは種族での繋がりが非常に強いため結束が強いし技術力も高い。
上から政治部門、商業部門、生産部門が適切だと思う。戦闘要員は均等に割り振らないと欠員が出たときが面倒だ。
「あ~、面倒だ。でもこれをやらないと雇用主として失格だよな」
数多くの人を一度に雇ったのでその配置が恐ろしく大変だった。鉱山などの大規模な利権も多くあるので公平に分配しなければいけない。しばらく残業だ。
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