オヤジが生まれ変わって?系救世主

無謀突撃娘

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エクリプス辺境伯家3

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「なるほど。王国から臣下として仕えたいと、そういうことなんだね」

「話が早いな。平民出身にはこれだけ肥沃的な土地の運営など不可能だ!われらを取り立てればすぐにでも楽になるぞ!」

(こいつら何なのかな?いきなり重臣に取り立てろとか馬鹿の極みだわ。王妃様からの差し金なの?)

(お母様らは無能な者たちとは付き合わず身分差別などせずに能力ある質素な者達が好きです。おそらくお父様らが愚かな臣下に賛同して寄越したのでしょう。貴族家はいくつかありますが領地維持が精一杯で開発など不可能です。この肥沃的な土地の事を聞いて今なら押し通せると思ったのでしょう。愚かにもほどがあります)

(お母さんも差別せずにもっぱら市民の声に耳を傾けているよ。だからここでは獣人や半獣人たちから絶大な信頼を得ているし長年貢献しているから唯一公爵家を存続できているんだ。まだ統治体制が固まっていないのに問題ばかり押し付けるなんて)

(どこにでも愚かなものがいるものよのぅ。貴族という言葉に惑わされよって。その言葉を名乗るならリーヴリルのように世界に貢献せねばならぬのにのぅ)

 全員がこいつらを追い払うことで一致したがとりあえず話を聞くことにした。

「なにかしら信じられる証拠でもあるのかな」

 その言葉を待っていたかのように書類の束を大量に出される。中身を流し読みで確認するが余りに酷過ぎる。

(中身は自己推薦ものばかりだな。大して能力もないのにやたらと誇張されているし成果を出してない。何かしらの役職を渡り歩いたけど長続きしてないしただひたすら右から左に流しているだけで内容をぜんぜん理解してない。本気で出世したいのならそこで他人の3倍の成果ぐらいは出して欲しいんだけど半分にも届いていない。だめだこれは)

 価値なしと判断するしかなかった。

「われらのすばらしい結果が見えたようだな。さぁ臣下にしろ!」

 雇用される側なのに態度がでかすぎる。常識を学んで来い、そう言いたいが寝耳に水だろう。

「リムネール、この人たちを寝泊りできるところに案内してあげて。ちょっと判断に時間が掛かる」

「わかりました」

 すぐさま取り立てろと喚いたがユーフォリアたちになだめさせて帰す。

「ここにきた南部の人たちと会わせたら領地が混乱するね」

 最悪暴動を起こすかもしれない。彼らの貴族に対する意識は敵対以外ないのだから。

「どうなされますか?」

 3人が口をそろえる。

「とりあえず王様らに話を聞いてくるから居ない間問題を起こさせない様にして」

 なんでこんなに足取りが重いんだろうか。ちょっと荒れそうだ。

 そうして話を纏めて帰ってきてから問題はさらに悪化していた。

「他種族と揉めてケンカしただけでなく無銭飲食に暴行だけにとどまらず女性らに襲い掛かろうとした、ですか。そんな無法がこの王国では当たり前なの?王女様」

「「もうしわけありません!」」

 二人の王女が頭を下げまくる。あいつら、どれだけ二人に恥をかかせているのか理解できないのか?人として最低の秩序すら守れないヤツラに殺意が沸く。

「それでどう判断したのか説明して」

「それを行った全員を装備などを取り上げ強制労働に従事させました。借金の倍額を積み立てるまでは逃げられないように周りに監視させます。暴行罪などは王国に報告して労役罪なので王国軍に突き出し裁判にかけて貴族の相続権の永久剥奪と場合によれば貴族本家の取り潰しです」

「リーヴリルが得た信頼なんかをこちらで潰していることは罪以外ありえない。でも、誠意を見せるにはどうすればいいのか分からない。許してなんていえないけど領地の発展を全力でやるから時間をください」

 シャナに返事を促す。この領地の大多数に支持されているカグラ家としては王国をどう思うか。

「わらわとしてはまだ様子見の段階じゃ。これぐらいのトラブルは移動先では珍しいことではないからのぅ。ただ、これ以上同じことが起きればリーヴリルを御輿に担いで反乱じゃ」

 二人が恐怖に震える。今の王国なら更地に変えてしまうこともできるが。

「王国側に監督役になれそうな統治に能力が優れた人を斡旋してもらって様子を見よう」

 それでダメならシャナに同意することにした。

 この問題を短時間で解決するにはこれしかないか。

「テストですか?」

「うん。仕官させるために作った」

 テストの内容は簡単だが選別するにはちょうどいい。

「それで納得させられるのですか?」

 ガチガチに固まった頭では無能が出てしまい帰るだろうがそれが一つの狙いだ。

「君達も受けてもらうよ」

 なぜ受けさせるのか今は理解できないだろうが彼女たちには派閥の代表として活躍してもらう。王国のほうにも仕官募集を大々的に宣伝しておいた。

「これ難しすぎませんか?」「答えを見るとすごく簡単だね」「解釈は簡単で合理的だのぅ」

 テストの結果は非常に悪かったがある効果を狙っていた。

「何でこんなところでグズグズしてるの?問題点が分かったんだから行動するべきじゃないか!」

 そうして3人を追い出す。募集で集まった人たちと協力してもらいましょうか。

「追い出されましたけどどうしましょうか?」

 ユーフォリアとリースリットとシャナは考えていた。3日後に仕官できるかどうかのテストがある。多分これで高得点を出せないと自分らの立場や信頼は上がらない。

 そうして悩んでいたがとある一団から声をかけられる。

「もしかして王女様らではありませんか?」

 見知らぬ人たちだ、装備などを身に付けていることから兵士か冒険者だろう。獣人族やエルフ族なども混じっている。

「あなたたちは誰ですか?」

「自分は貴族の子供たちですが問題を起こしたヤツラとは違う最下級貴族の出の者です。王都で働いてたんですけど食べていくのすら精一杯で苦しかったんですけど『いつか良い暮らし』をしようと思い描いてたんです。けどそういう機会がなくて。で、ここのエクリプス辺境伯様が王都で仕官募集の話が大々的に広まってビッグチャンスだと思いここに来たんですよ」

 もう一人が名乗り出る

「アタシラは獣人や半獣人などだよ。この肥沃的な土地で生産される品々が王国で大評判になっていてね。ここにはそれらの品々の取引に来たんだよ。他種族の人たちも話し合えば気がいい人たちばかりで驚いたよ」

 最後の一人が名乗り出る

「自分たちは南部から来た種族で仕官できれば家族の生活が楽になるので応募しました。リーヴリル様には多大にお世話になっているので何か恩返しをしたいと思って。シャナ様はどうしてですか?」

「それでわたしたちになにか話があるとか」

「先のテストですよ。全員が赤でダメだしされたでしょ?正直ヘコみました。答えを見ればこんな簡単に合理的に出来た問題すら出来ないほど無能だと。それを怒った貴族が多く帰りましたが自分たちはまだあきらめていません。ここで採用されれば格段に良い暮らしが出来るのは間違いなのですから。だから仲間たちとテストの問題点を洗いなおして3日後の本番に備えようかと話してたところに王女様たちがいて」

「あたしたちも同じでさ、こことの関係を深めるには仕官するしか方法がないと判断したのさ。同じように徹底的に見直してなんとしてでも合格しようかと思ってね。リースリット様たちもおなじだろ」

「いつまでも人だよりの生活では先が見えません。身分など興味ありませんがリーヴリル様は誰であろうと平等に接するすばらしいお方です。いまは無力ですが将来必ず恩返しをしたい。そのために3日後のテストをがんばるつもりです」

 本番のテストはどうなるか分からないがここでウジウジ悩むよりもはるかに建設的だ。リーヴリルもそれを望んでいるからこそテストの内容を責めなかった。来た人たちを集めて勉強会を開きがんばろうと。
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