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リーヴリル、西部に行く9
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「とりあえずアカツキ家とガリューク家の方はこれでどうにかなりますがこの先にあるハウベル城砦の方にも行きましょう。あそこは西部全域の要とも言える攻防の要所。先に押さえておかなければいけません」
シャンクトゥラ、カノン、ヒビキが同意する。両方の領地より少し西側にある場所で古来から防衛戦線の要として存在しており貿易路の中心でもあるそうだ。ここより西部の品々のほとんどが集まる場所だと説明される。
急いでそこに向かうとそこはまだ無事なようで兵士たちは健康そのものだった。
「神官たちがここに来てはいませんか?」
入り口の兵士に問いかけると、
「いいえ、そのような人達は来てはいませんが」
そう答えてきた。まだここには被害が拡大してはいないようだ。
「私はガリューク家のシャンクトゥラ、連れはアカツキ家のカノンとヒビキ、それに東部からの旅人です。すみませんがここの司令官に大至急話をしたいと伝えてください」
兵士はこちらに何かしら緊急の事情があるとすぐさま判断して司令官の部屋まで連れて行く。
「おお、姫様方。この場所に急いで来られるとは何かあったのですか?」
老年の将は突然の来訪に少し驚きながらも冷静に対応してくれた。
「すみません。本来ならば礼服に着替えてから会うのが常識なのですが国の存亡に関わる事態が起きました。光属性大司教のマルダーが・・・」
ここまで起こったことを一つ一つ説明していくとすぐさま表情が険しくなっていく。
「なるほど。大体のことは理解できました。実はここ最近司教や司祭らが『光属性こそが万能の神である!』などと言い出し始めて教会や信者を増やし他の属性を司る神々の神殿を破壊しろという馬鹿げたことを言い出し始めて困っていたのです。全属性を平等な列で祭っているガリューク家やアカツキ家や我らが拒否するとわかっていてそのようなことをしでかしたのですね」
なんという愚かなことを、と。この世界では一神教ではなく多神教のようだ。と、なれば彼らから見れば邪教になるのだろうなこちらは。ある程度は理解は出来るのだが、
「いつごろからそのようになったのですか?」
率直な疑問をぶつけることにした。
「そういう話が強く出てきたのは約20年ほど前ですな。その当時はそれなりに神々に真面目に信仰していたのですがそれらが発言力を強め始めると決まって大災害が起こり住民の命や大地などに大きな傷を残していった。そのあたりから信仰が狂いだして他種族差別の風潮が生まれだしたのじゃ。しばらくは光属性が一番偉くなったが6年ほど前から自然が目に見えて豊かになり始めて他属性の信仰が強くなり始めた。そうなりはじめると信者らも住み分けを行ない始めてここより西部は光属性が東部が他属性というようになったのです」
おそらく自分が神々に与えた物をばら撒いた頃だろう。結果はかなり明確に出たようだ。
「すみませんが西部から光属性の神官らが来ていませんか」
「いや、来てはいないな。旅人や商人はかなり来ているが」
ここの防備はかなり厚いし連度も高い。井戸などに何か入れようとするとすぐさま発見されるな。と、なるとこの方法で当てるしか方法が無いか。
「すみませんがここに来た人たちを少し見てもいいですか」
確信は無いがあのガラス道具を作る技術があるのならば目当てのものがあるはずだ。【万里眼】で人々の持っている物を瞬時に見通す。すると、
(やっぱりあった。どうしてこれほどの物を作る技術がありながら人を不幸にするのだろう。本当ならばこれは多数の人たちを救える道具なのに)
怒りを覚える。この世界では治癒魔法があるからかもしれないが使える人はさほど多くは無いかもしれない。だからこそこの技術があればもっと多くの人が救える。それをこのように使うのは悪人以外ない。
数人の旅人がそれを持っていた。
「なんだ?」
「すまないけどその懐の中の物を出してもらえないでしょうか?今ならまだ見逃します」
それで雰囲気が少し変わる。
「言ってる意味が分かんないんだが?」
「『注射器』などを出せって言ってるの。それで食べ物などに悪性の細菌を入れるなんて許せない」
「!?」
これで確信したようだ。
「俺らをどうする気だい?」
「先に言っておきます。それを渡して神官らから命令されたことを話してもらえるなら罪を軽くするようにしてもらいますし口封じとしてそれなりの物を出しますよ」
懐からミスリル大通貨を数枚相手に握らせる。それで表情を一変させる。
「まいったねこりゃ、神官らからの報酬がクソみたいだわ。わかったわかった、知ってることは全て話すから見逃してくれや、これでもそれなりの盗賊でね、分が悪すぎるわあんたとは」
彼らをここの責任者の元まで連れて行く。彼らは依頼主やその内容をアッサリと白状した。依頼内容と報酬が酷くて実行するかどうか悩んでいたようだった。
アカツキ家やガリューク家などを始め光属性以外を信仰している有力者の都市や町らにこれらの道具を使って病気を蔓延させてから治療して恩を売り引き込むか場合によれば何度かそれを行なう計画だったようだ。マルダー大司教直々に命令が出され神官から暗殺者まで金をばら撒いて粛清するように手を打った、ただ、敬虔に信仰を積んでいる神官は入っておらず権力に塗れた汚職神官らが中心のようだ。この道具をどこで作っているのかまではわからないそうで本人らも簡単に説明を受けて使用後は熱湯につけて除菌して持ち帰ってこいとだけ命令が出されたそうだ。
「これは西部の問題だけには留まりませんぞ!人を救うための教えを説く神官らが他の信仰をしている人たちを滅ぼそうとするなど完全に狂っている。もはや猶予はありません、すぐさま兵を整え進軍するべきです!」
周りの人たちが声高に言い始める。
「すまないけど先に連れてこなければいけない人たちの意見を聞いてほしい」
【繋がる門】でルミティさんとシオンさんをここに連れてくる。突然のことに周りの人たちはうろたえたが。
「大まかな話は理解しました。もはや信仰という理由を捻じ曲げている人たちを放置できないのですね」
「大分前から嫌な信仰の押し付けをしていたけどそんなことをするなんてもう追い出すしかありません」
二人ともマルダー大司教とその一派を討伐する判断を固める。問題は自分たちの領主や家族らがすでにその懐にいることだ。今のところこれが発覚しているとは思えないから先手を取ればわたしの力でどうにかできる。
二人を元の場所に返してから出陣の準備を整え始める。同じ西部にいながら争わなければいけない彼らの気持ちは複雑だろう。
まずは3人をどうにかしないといけない。
シャンクトゥラ=ガリューク エルフ
《ボウ・ファイター・プリースト》
ガリューク家の姫 属性親和性と弓術に優れる
これをこうする。
シャンクトゥラ=ガリューク エンシェントエルフ
《ハイディラント・ナイト》
弓術と治癒魔法を極めた治癒騎士 魔弾の射手
【ハイディラント・ナイト装備一式】
射程内ならばどのような小虫にも当てられる命中力と宝石岩すら貫通する魔力矢として放つ精霊魔弓を装備、広範囲治癒魔法も使える
千里眼 有効射程増加・超 貫通力増加・超 集中 回避力増加 魔力防壁 対魔力 エルフ族の加護
「クウッ!これは!」
カノン=アカツキ 大鬼族
《酒鬼姫》
酒をこよなく愛する鬼 最高の水属性の加護を持つ
これだとこうするか。
カノン=アカツキ 鬼神族
《酒仙鬼神姫》
酒を飲むことで体内の仙気を高める 最強の水属性の異能を持つ 仙人として外から気を集めることが出来る
【酒仙鬼神姫装備一式】
装備している無限に湧き出す7つの酒の瓢箪の中身を飲むことで能力を向上させる、7の力を持ちそれぞれで能力が違う。瓢箪の酒は武器としても使える
酒精能力 貪欲の魂 水の異能 対魔力 仙人 外気孔能力 自己再生 鬼の本能の体現者 美貌
「な、なにこれ!」
次で最後だ。
ヒビキ=アカツキ 大鬼族
《斧鬼姫》
両手斧を軽々振り回す怪力の持ち主 火属性の加護を持つ
これをこうする。
ヒビキ=アカツキ 鬼神族
《滅斧鬼神姫》
あらゆる物を薙ぎ払う鬼神力を持つ 物理特化型 手にした斧で全てを破壊する 炎の従者を生み出せる
【滅斧鬼神姫装備一式】
爆滅力 火の守護者 対魔力 鬼神力 自己再生 炎の異能 炎水の心 統率者 従者召喚 美貌
「これは一体!」
これで十分な能力を持たせることが出来た。多少違和感があるような感じもするのだが容姿やスタイルが非常に良くなっている。創った装備を身に付けるとまさに戦場の華といえるほどだ。
「「「あなたは、一体誰なのですか?」」」
3人とも疑問で一杯だがその説明は西部の問題を解決してからにする。
シャンクトゥラ、カノン、ヒビキが同意する。両方の領地より少し西側にある場所で古来から防衛戦線の要として存在しており貿易路の中心でもあるそうだ。ここより西部の品々のほとんどが集まる場所だと説明される。
急いでそこに向かうとそこはまだ無事なようで兵士たちは健康そのものだった。
「神官たちがここに来てはいませんか?」
入り口の兵士に問いかけると、
「いいえ、そのような人達は来てはいませんが」
そう答えてきた。まだここには被害が拡大してはいないようだ。
「私はガリューク家のシャンクトゥラ、連れはアカツキ家のカノンとヒビキ、それに東部からの旅人です。すみませんがここの司令官に大至急話をしたいと伝えてください」
兵士はこちらに何かしら緊急の事情があるとすぐさま判断して司令官の部屋まで連れて行く。
「おお、姫様方。この場所に急いで来られるとは何かあったのですか?」
老年の将は突然の来訪に少し驚きながらも冷静に対応してくれた。
「すみません。本来ならば礼服に着替えてから会うのが常識なのですが国の存亡に関わる事態が起きました。光属性大司教のマルダーが・・・」
ここまで起こったことを一つ一つ説明していくとすぐさま表情が険しくなっていく。
「なるほど。大体のことは理解できました。実はここ最近司教や司祭らが『光属性こそが万能の神である!』などと言い出し始めて教会や信者を増やし他の属性を司る神々の神殿を破壊しろという馬鹿げたことを言い出し始めて困っていたのです。全属性を平等な列で祭っているガリューク家やアカツキ家や我らが拒否するとわかっていてそのようなことをしでかしたのですね」
なんという愚かなことを、と。この世界では一神教ではなく多神教のようだ。と、なれば彼らから見れば邪教になるのだろうなこちらは。ある程度は理解は出来るのだが、
「いつごろからそのようになったのですか?」
率直な疑問をぶつけることにした。
「そういう話が強く出てきたのは約20年ほど前ですな。その当時はそれなりに神々に真面目に信仰していたのですがそれらが発言力を強め始めると決まって大災害が起こり住民の命や大地などに大きな傷を残していった。そのあたりから信仰が狂いだして他種族差別の風潮が生まれだしたのじゃ。しばらくは光属性が一番偉くなったが6年ほど前から自然が目に見えて豊かになり始めて他属性の信仰が強くなり始めた。そうなりはじめると信者らも住み分けを行ない始めてここより西部は光属性が東部が他属性というようになったのです」
おそらく自分が神々に与えた物をばら撒いた頃だろう。結果はかなり明確に出たようだ。
「すみませんが西部から光属性の神官らが来ていませんか」
「いや、来てはいないな。旅人や商人はかなり来ているが」
ここの防備はかなり厚いし連度も高い。井戸などに何か入れようとするとすぐさま発見されるな。と、なるとこの方法で当てるしか方法が無いか。
「すみませんがここに来た人たちを少し見てもいいですか」
確信は無いがあのガラス道具を作る技術があるのならば目当てのものがあるはずだ。【万里眼】で人々の持っている物を瞬時に見通す。すると、
(やっぱりあった。どうしてこれほどの物を作る技術がありながら人を不幸にするのだろう。本当ならばこれは多数の人たちを救える道具なのに)
怒りを覚える。この世界では治癒魔法があるからかもしれないが使える人はさほど多くは無いかもしれない。だからこそこの技術があればもっと多くの人が救える。それをこのように使うのは悪人以外ない。
数人の旅人がそれを持っていた。
「なんだ?」
「すまないけどその懐の中の物を出してもらえないでしょうか?今ならまだ見逃します」
それで雰囲気が少し変わる。
「言ってる意味が分かんないんだが?」
「『注射器』などを出せって言ってるの。それで食べ物などに悪性の細菌を入れるなんて許せない」
「!?」
これで確信したようだ。
「俺らをどうする気だい?」
「先に言っておきます。それを渡して神官らから命令されたことを話してもらえるなら罪を軽くするようにしてもらいますし口封じとしてそれなりの物を出しますよ」
懐からミスリル大通貨を数枚相手に握らせる。それで表情を一変させる。
「まいったねこりゃ、神官らからの報酬がクソみたいだわ。わかったわかった、知ってることは全て話すから見逃してくれや、これでもそれなりの盗賊でね、分が悪すぎるわあんたとは」
彼らをここの責任者の元まで連れて行く。彼らは依頼主やその内容をアッサリと白状した。依頼内容と報酬が酷くて実行するかどうか悩んでいたようだった。
アカツキ家やガリューク家などを始め光属性以外を信仰している有力者の都市や町らにこれらの道具を使って病気を蔓延させてから治療して恩を売り引き込むか場合によれば何度かそれを行なう計画だったようだ。マルダー大司教直々に命令が出され神官から暗殺者まで金をばら撒いて粛清するように手を打った、ただ、敬虔に信仰を積んでいる神官は入っておらず権力に塗れた汚職神官らが中心のようだ。この道具をどこで作っているのかまではわからないそうで本人らも簡単に説明を受けて使用後は熱湯につけて除菌して持ち帰ってこいとだけ命令が出されたそうだ。
「これは西部の問題だけには留まりませんぞ!人を救うための教えを説く神官らが他の信仰をしている人たちを滅ぼそうとするなど完全に狂っている。もはや猶予はありません、すぐさま兵を整え進軍するべきです!」
周りの人たちが声高に言い始める。
「すまないけど先に連れてこなければいけない人たちの意見を聞いてほしい」
【繋がる門】でルミティさんとシオンさんをここに連れてくる。突然のことに周りの人たちはうろたえたが。
「大まかな話は理解しました。もはや信仰という理由を捻じ曲げている人たちを放置できないのですね」
「大分前から嫌な信仰の押し付けをしていたけどそんなことをするなんてもう追い出すしかありません」
二人ともマルダー大司教とその一派を討伐する判断を固める。問題は自分たちの領主や家族らがすでにその懐にいることだ。今のところこれが発覚しているとは思えないから先手を取ればわたしの力でどうにかできる。
二人を元の場所に返してから出陣の準備を整え始める。同じ西部にいながら争わなければいけない彼らの気持ちは複雑だろう。
まずは3人をどうにかしないといけない。
シャンクトゥラ=ガリューク エルフ
《ボウ・ファイター・プリースト》
ガリューク家の姫 属性親和性と弓術に優れる
これをこうする。
シャンクトゥラ=ガリューク エンシェントエルフ
《ハイディラント・ナイト》
弓術と治癒魔法を極めた治癒騎士 魔弾の射手
【ハイディラント・ナイト装備一式】
射程内ならばどのような小虫にも当てられる命中力と宝石岩すら貫通する魔力矢として放つ精霊魔弓を装備、広範囲治癒魔法も使える
千里眼 有効射程増加・超 貫通力増加・超 集中 回避力増加 魔力防壁 対魔力 エルフ族の加護
「クウッ!これは!」
カノン=アカツキ 大鬼族
《酒鬼姫》
酒をこよなく愛する鬼 最高の水属性の加護を持つ
これだとこうするか。
カノン=アカツキ 鬼神族
《酒仙鬼神姫》
酒を飲むことで体内の仙気を高める 最強の水属性の異能を持つ 仙人として外から気を集めることが出来る
【酒仙鬼神姫装備一式】
装備している無限に湧き出す7つの酒の瓢箪の中身を飲むことで能力を向上させる、7の力を持ちそれぞれで能力が違う。瓢箪の酒は武器としても使える
酒精能力 貪欲の魂 水の異能 対魔力 仙人 外気孔能力 自己再生 鬼の本能の体現者 美貌
「な、なにこれ!」
次で最後だ。
ヒビキ=アカツキ 大鬼族
《斧鬼姫》
両手斧を軽々振り回す怪力の持ち主 火属性の加護を持つ
これをこうする。
ヒビキ=アカツキ 鬼神族
《滅斧鬼神姫》
あらゆる物を薙ぎ払う鬼神力を持つ 物理特化型 手にした斧で全てを破壊する 炎の従者を生み出せる
【滅斧鬼神姫装備一式】
爆滅力 火の守護者 対魔力 鬼神力 自己再生 炎の異能 炎水の心 統率者 従者召喚 美貌
「これは一体!」
これで十分な能力を持たせることが出来た。多少違和感があるような感じもするのだが容姿やスタイルが非常に良くなっている。創った装備を身に付けるとまさに戦場の華といえるほどだ。
「「「あなたは、一体誰なのですか?」」」
3人とも疑問で一杯だがその説明は西部の問題を解決してからにする。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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