5 / 20
ゲーム開始時編
ゲームとの出会い5
しおりを挟む
「行ってきます」
「沢山持って帰ってきてくださいね」
ミミちゃんに送り出されて向かった場所は草原、この前知り合ったミカさんらも一緒だ。本日の目的は薬草である。ボスなど強敵との連戦を繰り返すプレイヤーのせいでポーションなどが枯渇して大幅に値上がりしていた。その値段は5倍近くまでになっていた。とにかく質よりも量が必要なのでリリアーヌさんら生産者は値段の安定化を優先し多くのプレイヤーに呼びかけて薬草採集の人手を集めることに力を入れた
僕はというと誰も持っていない運系スキル持ちとしてパーティに入り貢献することになった。しかしどんな大規模パーティでもイベント以外では60人までという制限がかかっているので一つのパーティにしか入れない。
なので誰よりも沢山持って帰ることが必要だった。
「こっちは異常なしだ」
ミカさんは常に僕の傍にいる。彼女らも連続の戦闘で同じようにポーションの数がギリギリなので人手を出していた。最初の町近くの草原とはいえモンスターも当然出る。戦闘系なら大して問題ではないけど生産系だと最弱のラビットにも苦戦してしまう。なので護衛料として多めにポーションの制作をしてもらうそうだ。
ひたすら薬草を取る。
「ふぅ」
「疲れたか」
「まだまだ楽勝です」
「そうなのか。おなじPTがもうすでに満杯で帰るのが多いのにアイテム枠が大きいんだな」
ミカさんがPTリーダーでアイテム枠が満杯で抜ける人と作業が進みにくい人を入れ替えたりなどの仕事をしている。他の人は見てないけど。
「あたしらの仲間も採集持ちも多いけどここまで差があるなんてな」
β版とは大きく変わっていることに文句があるんだろうな。初心者の僕には分からないけど。
「退屈ではありませんか」
「カオルを取られると攻略に大きく響く、これぐらいの手間は予想できる範囲さ」
ゲーム歴が長いので必要な苦労は良く知っているようだ。
「やっぱり作業の進行が遅れているのが出始めたようだぜ。こっちに入れるぞ」
簡単な採集とはいえスキルがないと出来ないし持っていても上げるのに時間がかかる。僕のようなのを除いてさしてスキルレベルが高いとはいえないのが現実だった。
「(カオルがいるといないとじゃ効率が違いすぎる、今後を考えると押さえておかないとまずいぜ)」
ミカは作業の進行の差に苦悩していた。カオルと最初に組んだ連中は満杯で帰りそれを倉庫に預けてもう一度採集を行っていた、2往復したのも多い。ある程度育った別組のうちのメンバーでもまだ容量の4割ほどだ。今後ゲームユーザーは多く入る予定でありそれに伴いギルドメンバーの増設も視野に入れているのだがカオルほど貢献できるのは一人も見当たらなかった。
β版でゴミスキル無用スキルと評価されているドロップ系や運系スキルがここまで明暗を分けるとは考えていなかった。
「(姉御、そっちのパーティは?)」
「(こっちはもう終わってるも同然だ。カオルのおかげで段違いに手に入るからな。商機になると往復で来てるのも多いがなるべく差をつけすぎないようにしないとな)」
「(ってことはカオル以外では仕事は終わっていると)」
「(そうだな。この前のマラソンといい今回の仕事といい見積もりが甘かったぜ)」
何しろ質も量も遥かに違うのだ。カオルの有用性は今回を含めてすぐに広がるだろう。そうなると取り合いが間違いなくおきる。ミカは仲間に入ってもらいたい気持ちが大きくなる一方だった。
「(カオルは今のところどのギルドにも入る気を持っていない。しかし何とか連れ出せる機会を多くしたいぜ)」
このゲームのドロップ率が渋いという認識はユーザー全てが思っていることだ。だけども運系スキルはゲーム開始時にしか習得できないという大きな落とし穴がある。さらにランクを上げないと効果は微々たる物なのでやはり手を出す人もいないのだ。
採集といった基本ですらこの状態なのでカオルがいれば効率は圧倒的に良くなるしマラソンだってやりやすい、さらに馬鹿げた性能のモンスターをテイムしているので戦力として大きく貢献できる。
さらにアイテムを大量に入れられるインベントリも持っているので臨時の倉庫にもなりえるのだ。
ミカはカオルを仲間に誘う手段を考えながら護衛を続けた。
「採集が終わりました」
「お、そうか」
僕はかなりの長時間薬草を集め続けた。知らない間にPTの人は入れ替わり立ち代り出入りしていたようだ。
「長い時間拘束したようですみません」
「気にすんな」
ミカさんらも予想より早く大量に薬草が手に入ったので利益は出してると軽く笑った。
「姉御、仲間全員持てるだけ取りやした」
どうやら僕たちが最後らしい。
「それじゃあ戻りましょう」
「そうだな。早くメンバーにポーション作ってもらわねぇと先に進めねぇし」
そうして今日は町に戻りミミちゃんに薬草を渡す。
「これからどうしましょうか」
「そうだなぁ」
薬草は渡したがポーションにするには少し時間がかかる。
「ところでよ、リリアーヌから話は聞いてるが布地や毛皮や青銅はまだ持ってるか?」
「ありますけど」
結構作ったので余っていた。
「少しばかり分けてくれねぇか。あたしの知り合いに服職人やアクセサリー屋がいるんだが良い素材が無くて悩んでるのがいるんだ」
「いいですよ」
ミカさんに布地のロールと大きくした毛皮と青銅、おまけに宝石の原石も渡す。
「こんなにいいのか?」
「はい」
「ありがてぇ、今所持金が無いから後で持ってくるわ」
そうして町でログアウトした。
翌日。
『ポーション大量にあるよ~、買った買った~』
ポーション露店売りが大声で客を呼ぶ光景を見る。どうやら職人ががんばったようだ。
さて、どうしようかと悩むとミカさんからフレンドチャットがきた。
『カオル、いるか』
「いますよ」
『商談がある、指定の場所に来てくれ』
そうして指定の場所まで行くことにした。
「もう来てくれたのか。早いな」
「ミカさん、この建物は」
「あたしらのパーティの溜まり場兼拠点だな、β版からの参加者はある程度の所持金を引き継げるんで将来ギルドを立ち上げることを想定して購入したのさ」
今のところはただの建物であり中身や施設はまだ手を入れてないらしい。
「ところでお話とは」
「この前売ってもらった布地や青銅などのことさ」
あれをもっと用意できるのかと聞いてきた。
「少し時間をいただければ」
「出来る限り早めにしてほしい」
「なぜですか」
「知り合いに流したんだが反応が凄くてな。また出来上がった品がかなり良くてな。もっと作りたいから材料が欲しいといってきたんだ」
なるほど。
「あたしらは戦闘をメインにしてるから素材を手に入れてもレア以外は大抵売っちまう。でも売るなら長く付き合える相手を選ぶのが当然だろ」
そうだよね。
「用意する代わりに頼みたいことがあるのですが」
「なんだい?」
「僕用の装備を作ってもらいたいんです」
何しろ最初のままの装備を使い続けていたのだ、お金もあるし良い装備が欲しくなったのだ。
「重い鎧とか着れないので布製の防具とアクセサリーが欲しいんです」
「そういや最初にもらう装備のままだったんだな。任せとけ、知り合いに専門の職人がいる」
品を用意出来てから装備作成に入るということなので大急ぎで用意することにした。ただ量がそれぞれ3000個なので数日時間がかかることになった。
「用意してきました」
「予想していたよりも早いなぁ。半月以上はかかると思ってたんだが」
「ここで渡せばいいんですか」
「あたしじゃ持ちきれないよ、あわせる職人に渡してくれ」
そうして少し離れた家に向かう。
「オッス」
『ミカ!やっと来たのね!』
出迎えたのは紫色の髪とピンク色の髪の女性二人だった。外見は・・・凄くスタイルがよかった。アイシャとメリルという名前だ。
「ここにきたって言うのは布地と青銅の話なのよね」
早く答えを言えとせっつく
「前にも話したが現時点であれの製造を出来る職人はいねぇな」
「どういうことよ?現物があるのに製造できないなんて」
「だからしつこく説明しただろうが、作ったのはβプレイヤーじゃないって」
「私たちβの頃のプレイヤーでもあれと同じものを作れるのはもっと先の町に進んでスキルを上げてからよ。まさか新規プレイヤーが制作したの?」
「そのまさかだ」
ええっ!と。
「紹介するぜ、こいつはカオル、新規でしかもテイマーだ。最高ランク運系スキル持ちでもある」
よろしくと。
「理解がしがたいってのは認めるところだが正式版では内容が違うってことは良くあることだろう。現に誰も考えられない結果がもう出てるんだしな」
「たしかにね。ゴミスキルと評価されてたスキルが正式版では大きく修正が入ったのは事実よ。現にβプレイヤーの多くがスキルを組み替えてるし」
「そうねぇ。私たちもスキルの選択を悩まされたし」
二人はβの頃から続けているそうだ。
「修正箇所は多いが運系は馬鹿げたほどに修正が入ってるぜ。採集からドロップまで効率が段違いだ、生産でも完成品に圧倒的に差が出るからな」
「まったくよね」「よね~」
僕以外納得して話が進められる。
「あの~」
「おっとすまねえl」
ようやく本題に入る。
「欲しいって言ってた布地や大きな毛皮、青銅もカオルが全て用意してくれた」
二人に渡せと。トレードで渡す。
「こんなに!」「すご~い!」
二人ともとても驚いていた。すぐさま二人の目つきが変わる。
『PTに入って』
強引だった。
「アハハハ!これまで手の届かなかった性能の装備が次々とできるわ!」
「本当よね~!」
二人は一心不乱に装備を作っていた。
「あの~」
「しばらくほうっておきな。生粋の職人だしな」
2時間も待つことになる。
『ふぅ~』
どうやら興奮が収まったのか手を休める。
「感想はどうだ」
「いや~、材料もいいけど運系スキルがここまで影響が大きいとは」「ほんとよね~、出来が違いすぎるわ~」
「・・・」
「あっ、ごめん。まだ代金も払ってないのに素材つかっちゃって」
「それはいいのですけど」
僕の装備を作って欲しいとお願いする。
「代金とスキルの効果を考えると簡単すぎるわね」「わね~」
フレンド登録をしておいてとお願いされる。もちろん登録しておく。
「他に材料とか持ってないかしら」
「おいおい、カオルはまだ最初の場所しか行ってないぜ。その話は次の町までのルートが開けてからだ」
「できれば入手方法を教えて欲しいんだけど」
「もっと無理な話だ。あたしも確認したがそれはカオルの専売特許だ。渡せるわけないだろ」
その話はもうするなと釘を刺してくれる。
「材料はどこにも出回ってないから高めだな。今後とも付き合いたいならプレイヤーとしてまっとうな取引を継続しな」
ミカさんはそれで話を終える。
「分かったわ」
代金は100万G。もう価値が分からなくなり始めた。
『今後とも付き合いをお願いします』
装備の制作を依頼して家を出る。リリアーヌさんのところにも取引があるので次の予定は今のところ入れないがなるだけ早く持ってきて欲しいそうだ。
「結構強引でしたね」
「あの二人はβの頃からの知り合いで服飾人としてアクセサリー職人として人気だったんだ」
多少仕事に熱中しすぎることはあるが良い人だと。
「すまないな次々と仕事を押し付けて」
「かまいませんよ。ゲームの楽しさも分かってきましたしね」
現実では出来ないことがここでは出来るしモンスターも可愛いし、やり続けるごとに新しい発見と楽しみがある。そうして町に戻りログアウトした。
「沢山持って帰ってきてくださいね」
ミミちゃんに送り出されて向かった場所は草原、この前知り合ったミカさんらも一緒だ。本日の目的は薬草である。ボスなど強敵との連戦を繰り返すプレイヤーのせいでポーションなどが枯渇して大幅に値上がりしていた。その値段は5倍近くまでになっていた。とにかく質よりも量が必要なのでリリアーヌさんら生産者は値段の安定化を優先し多くのプレイヤーに呼びかけて薬草採集の人手を集めることに力を入れた
僕はというと誰も持っていない運系スキル持ちとしてパーティに入り貢献することになった。しかしどんな大規模パーティでもイベント以外では60人までという制限がかかっているので一つのパーティにしか入れない。
なので誰よりも沢山持って帰ることが必要だった。
「こっちは異常なしだ」
ミカさんは常に僕の傍にいる。彼女らも連続の戦闘で同じようにポーションの数がギリギリなので人手を出していた。最初の町近くの草原とはいえモンスターも当然出る。戦闘系なら大して問題ではないけど生産系だと最弱のラビットにも苦戦してしまう。なので護衛料として多めにポーションの制作をしてもらうそうだ。
ひたすら薬草を取る。
「ふぅ」
「疲れたか」
「まだまだ楽勝です」
「そうなのか。おなじPTがもうすでに満杯で帰るのが多いのにアイテム枠が大きいんだな」
ミカさんがPTリーダーでアイテム枠が満杯で抜ける人と作業が進みにくい人を入れ替えたりなどの仕事をしている。他の人は見てないけど。
「あたしらの仲間も採集持ちも多いけどここまで差があるなんてな」
β版とは大きく変わっていることに文句があるんだろうな。初心者の僕には分からないけど。
「退屈ではありませんか」
「カオルを取られると攻略に大きく響く、これぐらいの手間は予想できる範囲さ」
ゲーム歴が長いので必要な苦労は良く知っているようだ。
「やっぱり作業の進行が遅れているのが出始めたようだぜ。こっちに入れるぞ」
簡単な採集とはいえスキルがないと出来ないし持っていても上げるのに時間がかかる。僕のようなのを除いてさしてスキルレベルが高いとはいえないのが現実だった。
「(カオルがいるといないとじゃ効率が違いすぎる、今後を考えると押さえておかないとまずいぜ)」
ミカは作業の進行の差に苦悩していた。カオルと最初に組んだ連中は満杯で帰りそれを倉庫に預けてもう一度採集を行っていた、2往復したのも多い。ある程度育った別組のうちのメンバーでもまだ容量の4割ほどだ。今後ゲームユーザーは多く入る予定でありそれに伴いギルドメンバーの増設も視野に入れているのだがカオルほど貢献できるのは一人も見当たらなかった。
β版でゴミスキル無用スキルと評価されているドロップ系や運系スキルがここまで明暗を分けるとは考えていなかった。
「(姉御、そっちのパーティは?)」
「(こっちはもう終わってるも同然だ。カオルのおかげで段違いに手に入るからな。商機になると往復で来てるのも多いがなるべく差をつけすぎないようにしないとな)」
「(ってことはカオル以外では仕事は終わっていると)」
「(そうだな。この前のマラソンといい今回の仕事といい見積もりが甘かったぜ)」
何しろ質も量も遥かに違うのだ。カオルの有用性は今回を含めてすぐに広がるだろう。そうなると取り合いが間違いなくおきる。ミカは仲間に入ってもらいたい気持ちが大きくなる一方だった。
「(カオルは今のところどのギルドにも入る気を持っていない。しかし何とか連れ出せる機会を多くしたいぜ)」
このゲームのドロップ率が渋いという認識はユーザー全てが思っていることだ。だけども運系スキルはゲーム開始時にしか習得できないという大きな落とし穴がある。さらにランクを上げないと効果は微々たる物なのでやはり手を出す人もいないのだ。
採集といった基本ですらこの状態なのでカオルがいれば効率は圧倒的に良くなるしマラソンだってやりやすい、さらに馬鹿げた性能のモンスターをテイムしているので戦力として大きく貢献できる。
さらにアイテムを大量に入れられるインベントリも持っているので臨時の倉庫にもなりえるのだ。
ミカはカオルを仲間に誘う手段を考えながら護衛を続けた。
「採集が終わりました」
「お、そうか」
僕はかなりの長時間薬草を集め続けた。知らない間にPTの人は入れ替わり立ち代り出入りしていたようだ。
「長い時間拘束したようですみません」
「気にすんな」
ミカさんらも予想より早く大量に薬草が手に入ったので利益は出してると軽く笑った。
「姉御、仲間全員持てるだけ取りやした」
どうやら僕たちが最後らしい。
「それじゃあ戻りましょう」
「そうだな。早くメンバーにポーション作ってもらわねぇと先に進めねぇし」
そうして今日は町に戻りミミちゃんに薬草を渡す。
「これからどうしましょうか」
「そうだなぁ」
薬草は渡したがポーションにするには少し時間がかかる。
「ところでよ、リリアーヌから話は聞いてるが布地や毛皮や青銅はまだ持ってるか?」
「ありますけど」
結構作ったので余っていた。
「少しばかり分けてくれねぇか。あたしの知り合いに服職人やアクセサリー屋がいるんだが良い素材が無くて悩んでるのがいるんだ」
「いいですよ」
ミカさんに布地のロールと大きくした毛皮と青銅、おまけに宝石の原石も渡す。
「こんなにいいのか?」
「はい」
「ありがてぇ、今所持金が無いから後で持ってくるわ」
そうして町でログアウトした。
翌日。
『ポーション大量にあるよ~、買った買った~』
ポーション露店売りが大声で客を呼ぶ光景を見る。どうやら職人ががんばったようだ。
さて、どうしようかと悩むとミカさんからフレンドチャットがきた。
『カオル、いるか』
「いますよ」
『商談がある、指定の場所に来てくれ』
そうして指定の場所まで行くことにした。
「もう来てくれたのか。早いな」
「ミカさん、この建物は」
「あたしらのパーティの溜まり場兼拠点だな、β版からの参加者はある程度の所持金を引き継げるんで将来ギルドを立ち上げることを想定して購入したのさ」
今のところはただの建物であり中身や施設はまだ手を入れてないらしい。
「ところでお話とは」
「この前売ってもらった布地や青銅などのことさ」
あれをもっと用意できるのかと聞いてきた。
「少し時間をいただければ」
「出来る限り早めにしてほしい」
「なぜですか」
「知り合いに流したんだが反応が凄くてな。また出来上がった品がかなり良くてな。もっと作りたいから材料が欲しいといってきたんだ」
なるほど。
「あたしらは戦闘をメインにしてるから素材を手に入れてもレア以外は大抵売っちまう。でも売るなら長く付き合える相手を選ぶのが当然だろ」
そうだよね。
「用意する代わりに頼みたいことがあるのですが」
「なんだい?」
「僕用の装備を作ってもらいたいんです」
何しろ最初のままの装備を使い続けていたのだ、お金もあるし良い装備が欲しくなったのだ。
「重い鎧とか着れないので布製の防具とアクセサリーが欲しいんです」
「そういや最初にもらう装備のままだったんだな。任せとけ、知り合いに専門の職人がいる」
品を用意出来てから装備作成に入るということなので大急ぎで用意することにした。ただ量がそれぞれ3000個なので数日時間がかかることになった。
「用意してきました」
「予想していたよりも早いなぁ。半月以上はかかると思ってたんだが」
「ここで渡せばいいんですか」
「あたしじゃ持ちきれないよ、あわせる職人に渡してくれ」
そうして少し離れた家に向かう。
「オッス」
『ミカ!やっと来たのね!』
出迎えたのは紫色の髪とピンク色の髪の女性二人だった。外見は・・・凄くスタイルがよかった。アイシャとメリルという名前だ。
「ここにきたって言うのは布地と青銅の話なのよね」
早く答えを言えとせっつく
「前にも話したが現時点であれの製造を出来る職人はいねぇな」
「どういうことよ?現物があるのに製造できないなんて」
「だからしつこく説明しただろうが、作ったのはβプレイヤーじゃないって」
「私たちβの頃のプレイヤーでもあれと同じものを作れるのはもっと先の町に進んでスキルを上げてからよ。まさか新規プレイヤーが制作したの?」
「そのまさかだ」
ええっ!と。
「紹介するぜ、こいつはカオル、新規でしかもテイマーだ。最高ランク運系スキル持ちでもある」
よろしくと。
「理解がしがたいってのは認めるところだが正式版では内容が違うってことは良くあることだろう。現に誰も考えられない結果がもう出てるんだしな」
「たしかにね。ゴミスキルと評価されてたスキルが正式版では大きく修正が入ったのは事実よ。現にβプレイヤーの多くがスキルを組み替えてるし」
「そうねぇ。私たちもスキルの選択を悩まされたし」
二人はβの頃から続けているそうだ。
「修正箇所は多いが運系は馬鹿げたほどに修正が入ってるぜ。採集からドロップまで効率が段違いだ、生産でも完成品に圧倒的に差が出るからな」
「まったくよね」「よね~」
僕以外納得して話が進められる。
「あの~」
「おっとすまねえl」
ようやく本題に入る。
「欲しいって言ってた布地や大きな毛皮、青銅もカオルが全て用意してくれた」
二人に渡せと。トレードで渡す。
「こんなに!」「すご~い!」
二人ともとても驚いていた。すぐさま二人の目つきが変わる。
『PTに入って』
強引だった。
「アハハハ!これまで手の届かなかった性能の装備が次々とできるわ!」
「本当よね~!」
二人は一心不乱に装備を作っていた。
「あの~」
「しばらくほうっておきな。生粋の職人だしな」
2時間も待つことになる。
『ふぅ~』
どうやら興奮が収まったのか手を休める。
「感想はどうだ」
「いや~、材料もいいけど運系スキルがここまで影響が大きいとは」「ほんとよね~、出来が違いすぎるわ~」
「・・・」
「あっ、ごめん。まだ代金も払ってないのに素材つかっちゃって」
「それはいいのですけど」
僕の装備を作って欲しいとお願いする。
「代金とスキルの効果を考えると簡単すぎるわね」「わね~」
フレンド登録をしておいてとお願いされる。もちろん登録しておく。
「他に材料とか持ってないかしら」
「おいおい、カオルはまだ最初の場所しか行ってないぜ。その話は次の町までのルートが開けてからだ」
「できれば入手方法を教えて欲しいんだけど」
「もっと無理な話だ。あたしも確認したがそれはカオルの専売特許だ。渡せるわけないだろ」
その話はもうするなと釘を刺してくれる。
「材料はどこにも出回ってないから高めだな。今後とも付き合いたいならプレイヤーとしてまっとうな取引を継続しな」
ミカさんはそれで話を終える。
「分かったわ」
代金は100万G。もう価値が分からなくなり始めた。
『今後とも付き合いをお願いします』
装備の制作を依頼して家を出る。リリアーヌさんのところにも取引があるので次の予定は今のところ入れないがなるだけ早く持ってきて欲しいそうだ。
「結構強引でしたね」
「あの二人はβの頃からの知り合いで服飾人としてアクセサリー職人として人気だったんだ」
多少仕事に熱中しすぎることはあるが良い人だと。
「すまないな次々と仕事を押し付けて」
「かまいませんよ。ゲームの楽しさも分かってきましたしね」
現実では出来ないことがここでは出来るしモンスターも可愛いし、やり続けるごとに新しい発見と楽しみがある。そうして町に戻りログアウトした。
61
あなたにおすすめの小説
【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます
鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。
このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。
それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。
その称号効果はスライム種族特効効果。
そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・
このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。
主人公は経験値でモンスターを殴ります。
──────
自筆です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる