43 / 308
第二章 お飾りの王太子妃、国内にて
24 チームお飾りの正妃の功績(1)
しおりを挟む
「この人数をたった4人だけで……?」
シーズルス領主に駐屯していた騎士が、唖然としながら呟いた。
「早く!! 『クイーンイザベラ号』にいらっしゃる方に捕縛終了合図を!!」
「そうだな!!」
唖然とする騎士を別の騎士が促して、クローディアたちが待つ船に向かって捕縛が終了したと伝える合図である光を空に放った。
シーズルス領主の妻のキャシー率いる高速船が到着した時には、すでに不審船に乗った兵士全てが捕縛されていた。キャシーは元々ガルドの心配は全くしていなかったが、二艘の船と聞いたのでガルドが乗っていない方の船を助太刀しようと急いで駆けつけたのだ。
「ああ、キャシー殿。ご苦労様です」
ガルドが最後の一人の捕縛を終えて、何事もなかったのように爽やかな笑顔を向けながら言った。
キャシーは、すぐ隣にいた涙を流した痕のあるレガードの顔を見て全てを悟った。そして昔を思い出し、目を細めながらガルドに向かって言った。
「もう捕縛まで済んでしまわれたのですね……隊長……相変わらず鬼のような強さのようですね」
キャシーの現役時代。ガルドの強さは、騎士団において他の追随を許さないほど絶対的だった。
しかも、ガルドは平民から実力だけで副団長にのし上がった完全な実力者。歴代の幹部は貴族出身者ばかりだったので、ガルドは入団当初から実力はあったが、中々幹部にはなれなかった。
それでも華々しい活躍で誰にも何も言わせずに、平民から副団長にまでのし上がった。
だが、他を圧倒する強すぎる力が騎士団にもたらした物は、栄光だけではなかった。騎士団とは連携を取って任務を遂行する。だが、ガルドの力は強すぎるために不協和音をもたらすこともあったのだのだ。
またガルドの剣を前にすると心折られる者も多く、まさにガルドという存在は騎士団にとって諸刃の剣だったのだ。
本来ならガルドはまだ騎士団を引退するような年齢ではない。
だが、騎士団を辞めてレナン公爵子息の側近になっているということは、何かあったのかもしれない。
ガルドは真面目だが不器用で、あまり政治的な立ち回りは得意ではない。恐らくなんらかの理由があり、自ら身を引いたのだろう。キャシーの言葉にはそんなガルドへの労いも含まれていた。それを感じたガルドは困ったように言った。
「鬼は……言い過ぎだと思いますよ……」
キャシーは、息を吐くと隣の船を見つめた。すでに隣の船も捕縛まで済んでいる。高速船に乗れるのは5人。でも操縦者がいるので戦闘可能な人物はたったの4人。それなのに敵船に乗り込むだけではなく、全ての乗組員を命を絶たずに捕獲。
この海辺の土地シーズルス領主の妻となったキャシーは、海から来る侵略者の対応には慣れていたが、それでも恐らく4人では、応援が来るまで『クイーンイザベラ号』に不審船を近づけさせないということしか出来ない。さらにもし自分たちが先陣をきっていたら……死傷者を出していただろう。余裕のない戦ではどうしても命まで構っていることができない。今回、もしガルドたちがいなければ、キャシーたちは命がけの戦いになっていたはずだ。
「元より、隊長の心配は一切しておりませんでしたが……さすが現副団長殿とクローディア様の側近の方ですね。それに……隊長と一緒にいた方も皆様、以前よりいいお顔になっているようですわ」
キャシーが楽しそうに片目を閉じた。向上心のある騎士とは程度の差こそあれ、必ずといっていいほど己の力量を嘆くことがある。そんな時、落ちて行くか這い上がるかで、その後の全てが決まる。
ガルドと共にいた3人は皆、挫折を味わいながらも前を向いているように思えた。
「それはそうですよ。あのような偉大なお方が上に居て下さるのです。騎士として期待に答えずに居られますか?」
ガルドが柔らかな顔で言った。クローディアが『お飾りの正妃』だという噂は社交界でも広がっていたので、シーズルス領主の妻のキャシーも当然知っていた。噂ではクローディアは随分と我儘で、王太子フィルガルドを気の毒に思い同情していたが、実際に彼女に会うと、なぜ彼女が側に居てフィルガルドは側妃を迎えるのか、全く理解出来なかった。そして、やはり噂とは当てにならないと思った。
だが賢いキャシーはそんなことは口に出さずに笑った。
「ふふふ。それもそうですわね……あの方は、本当に……素晴らしい方です」
自分自身が騎士だったので気持ちがよくわかるのだが、己の能力を的確に把握し、迷わず命じることができるクローディアに仕えたいと願うのは、きっと騎士としての本能に近いように思う。
陛下はすでにクローディアではなく、新しく迎える側妃を王妃にするということを決めていると噂されている。実際にクローディアに会うまでキャシーは陛下の決定なので、特に何も思っていなかった。
だが、これだけ才能のある騎士の闘志を引き出し、ここまで陶酔させるクローディアをこのまま表舞台から下ろすことが出来るのかと疑問に思っているとガルドが口を開いた。
「ええ。ですから絶対に――失うわけにはいかないのです」
ガルドの表情にもまた、強い意思が見えた。ガルドの顔は騎士団にいる時よりも生き生きとしていた。そんなガルドを見てキャシーは羨ましいと思えた。
「私も……訓練にもっと力を入れます……」
そんなキャシーを見てガルドは柔らかく微笑んだのだった。
◆
捕縛終了の光が、不審船付近に上がり、私はほっとしていた。
ああ……ようやく終わった。
あとは、皆の顔を見て無事を確認するだけだ。そんなことを思っていると、焦った様子のロウエル元公爵が大きな声を上げた。
「全員その場を動くな!! ブラッド殿、急いで移動制限を!! 彼女の今回の功績が外部に漏れたら厄介なことになる!! 早く船の出入り口の封鎖を!!」
それを聞いてブラッドが、急いでシーズルス領主のライナスに命じた。
「直ちにこの船を封鎖しろ!! 全員、この船から一歩も出すな」
「はっ!!」
ライナスが走って護衛騎士たちにブラッドの指示を伝えに行った。
何? 一体なんなの?!
無事に火の矢は防いだというのに、急に船内が慌ただしくなった。むしろさっきより今の方が大混乱という感じだ。
「クローディア、一度、船の中へ。早く!!」
「え? は、はい!!」
私はフィルガルド殿下に再び手を握られたと思うと、殿下が大きな声を上げた。
「ブラッド!! 後は頼む、私は急ぎ彼女を保護する!!」
「頼む!!」
ブラッドの返事を聞くと、今度はリリアたちの方を見ながら言った。
「クローディアの護衛は同行を!!」
「はい!!」
リリアたちがそれぞれ返事をすると、フィルガルド殿下は私の手を引いて船内に入って行った。私の後からリリアや、ジーニアス、ヒューゴだけではなく、クリスフォードも追いかけて来た。
私としては、火の矢を防いで大団円だと思っていたのに、先ほどのロウエル元公爵の慌てた顔といい、ブラッドの焦った顔といい。普段は笑顔で優しいフィルガルド殿下の顔が強張っていることといい……。一体何がどうなった?
私は状況がわからぬまま、フィルガルド殿下に手を引かれてまるで逃げるように先ほどまで待機していた控室に戻ったのだった。
シーズルス領主に駐屯していた騎士が、唖然としながら呟いた。
「早く!! 『クイーンイザベラ号』にいらっしゃる方に捕縛終了合図を!!」
「そうだな!!」
唖然とする騎士を別の騎士が促して、クローディアたちが待つ船に向かって捕縛が終了したと伝える合図である光を空に放った。
シーズルス領主の妻のキャシー率いる高速船が到着した時には、すでに不審船に乗った兵士全てが捕縛されていた。キャシーは元々ガルドの心配は全くしていなかったが、二艘の船と聞いたのでガルドが乗っていない方の船を助太刀しようと急いで駆けつけたのだ。
「ああ、キャシー殿。ご苦労様です」
ガルドが最後の一人の捕縛を終えて、何事もなかったのように爽やかな笑顔を向けながら言った。
キャシーは、すぐ隣にいた涙を流した痕のあるレガードの顔を見て全てを悟った。そして昔を思い出し、目を細めながらガルドに向かって言った。
「もう捕縛まで済んでしまわれたのですね……隊長……相変わらず鬼のような強さのようですね」
キャシーの現役時代。ガルドの強さは、騎士団において他の追随を許さないほど絶対的だった。
しかも、ガルドは平民から実力だけで副団長にのし上がった完全な実力者。歴代の幹部は貴族出身者ばかりだったので、ガルドは入団当初から実力はあったが、中々幹部にはなれなかった。
それでも華々しい活躍で誰にも何も言わせずに、平民から副団長にまでのし上がった。
だが、他を圧倒する強すぎる力が騎士団にもたらした物は、栄光だけではなかった。騎士団とは連携を取って任務を遂行する。だが、ガルドの力は強すぎるために不協和音をもたらすこともあったのだのだ。
またガルドの剣を前にすると心折られる者も多く、まさにガルドという存在は騎士団にとって諸刃の剣だったのだ。
本来ならガルドはまだ騎士団を引退するような年齢ではない。
だが、騎士団を辞めてレナン公爵子息の側近になっているということは、何かあったのかもしれない。
ガルドは真面目だが不器用で、あまり政治的な立ち回りは得意ではない。恐らくなんらかの理由があり、自ら身を引いたのだろう。キャシーの言葉にはそんなガルドへの労いも含まれていた。それを感じたガルドは困ったように言った。
「鬼は……言い過ぎだと思いますよ……」
キャシーは、息を吐くと隣の船を見つめた。すでに隣の船も捕縛まで済んでいる。高速船に乗れるのは5人。でも操縦者がいるので戦闘可能な人物はたったの4人。それなのに敵船に乗り込むだけではなく、全ての乗組員を命を絶たずに捕獲。
この海辺の土地シーズルス領主の妻となったキャシーは、海から来る侵略者の対応には慣れていたが、それでも恐らく4人では、応援が来るまで『クイーンイザベラ号』に不審船を近づけさせないということしか出来ない。さらにもし自分たちが先陣をきっていたら……死傷者を出していただろう。余裕のない戦ではどうしても命まで構っていることができない。今回、もしガルドたちがいなければ、キャシーたちは命がけの戦いになっていたはずだ。
「元より、隊長の心配は一切しておりませんでしたが……さすが現副団長殿とクローディア様の側近の方ですね。それに……隊長と一緒にいた方も皆様、以前よりいいお顔になっているようですわ」
キャシーが楽しそうに片目を閉じた。向上心のある騎士とは程度の差こそあれ、必ずといっていいほど己の力量を嘆くことがある。そんな時、落ちて行くか這い上がるかで、その後の全てが決まる。
ガルドと共にいた3人は皆、挫折を味わいながらも前を向いているように思えた。
「それはそうですよ。あのような偉大なお方が上に居て下さるのです。騎士として期待に答えずに居られますか?」
ガルドが柔らかな顔で言った。クローディアが『お飾りの正妃』だという噂は社交界でも広がっていたので、シーズルス領主の妻のキャシーも当然知っていた。噂ではクローディアは随分と我儘で、王太子フィルガルドを気の毒に思い同情していたが、実際に彼女に会うと、なぜ彼女が側に居てフィルガルドは側妃を迎えるのか、全く理解出来なかった。そして、やはり噂とは当てにならないと思った。
だが賢いキャシーはそんなことは口に出さずに笑った。
「ふふふ。それもそうですわね……あの方は、本当に……素晴らしい方です」
自分自身が騎士だったので気持ちがよくわかるのだが、己の能力を的確に把握し、迷わず命じることができるクローディアに仕えたいと願うのは、きっと騎士としての本能に近いように思う。
陛下はすでにクローディアではなく、新しく迎える側妃を王妃にするということを決めていると噂されている。実際にクローディアに会うまでキャシーは陛下の決定なので、特に何も思っていなかった。
だが、これだけ才能のある騎士の闘志を引き出し、ここまで陶酔させるクローディアをこのまま表舞台から下ろすことが出来るのかと疑問に思っているとガルドが口を開いた。
「ええ。ですから絶対に――失うわけにはいかないのです」
ガルドの表情にもまた、強い意思が見えた。ガルドの顔は騎士団にいる時よりも生き生きとしていた。そんなガルドを見てキャシーは羨ましいと思えた。
「私も……訓練にもっと力を入れます……」
そんなキャシーを見てガルドは柔らかく微笑んだのだった。
◆
捕縛終了の光が、不審船付近に上がり、私はほっとしていた。
ああ……ようやく終わった。
あとは、皆の顔を見て無事を確認するだけだ。そんなことを思っていると、焦った様子のロウエル元公爵が大きな声を上げた。
「全員その場を動くな!! ブラッド殿、急いで移動制限を!! 彼女の今回の功績が外部に漏れたら厄介なことになる!! 早く船の出入り口の封鎖を!!」
それを聞いてブラッドが、急いでシーズルス領主のライナスに命じた。
「直ちにこの船を封鎖しろ!! 全員、この船から一歩も出すな」
「はっ!!」
ライナスが走って護衛騎士たちにブラッドの指示を伝えに行った。
何? 一体なんなの?!
無事に火の矢は防いだというのに、急に船内が慌ただしくなった。むしろさっきより今の方が大混乱という感じだ。
「クローディア、一度、船の中へ。早く!!」
「え? は、はい!!」
私はフィルガルド殿下に再び手を握られたと思うと、殿下が大きな声を上げた。
「ブラッド!! 後は頼む、私は急ぎ彼女を保護する!!」
「頼む!!」
ブラッドの返事を聞くと、今度はリリアたちの方を見ながら言った。
「クローディアの護衛は同行を!!」
「はい!!」
リリアたちがそれぞれ返事をすると、フィルガルド殿下は私の手を引いて船内に入って行った。私の後からリリアや、ジーニアス、ヒューゴだけではなく、クリスフォードも追いかけて来た。
私としては、火の矢を防いで大団円だと思っていたのに、先ほどのロウエル元公爵の慌てた顔といい、ブラッドの焦った顔といい。普段は笑顔で優しいフィルガルド殿下の顔が強張っていることといい……。一体何がどうなった?
私は状況がわからぬまま、フィルガルド殿下に手を引かれてまるで逃げるように先ほどまで待機していた控室に戻ったのだった。
698
あなたにおすすめの小説
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。