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【サミュエル】(学院発展ルート)
18 幸せの形【サミュエル ルート最終話】
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私たちの部屋は扉で仕切られている部屋だった。
いつでも練習ができるようにという配慮らしい。
母は、『ダブルベットで同室でもいいんじゃない?』と言ったそうだが、実父が泣きながら断固反対し、このような部屋になったようだった。
私とサミュエル先生は案内された部屋に2人きりになった途端、どちらからというわけではなく自然と唇を重ねていた。
今までお互いに抑えていた想いが解き放たれ、夢中で唇をむさぼった。
サミュエル先生の唇は薄いのに柔らかくて、私はいつの間にかサミュエル先生とのキスに溺れてしまっていた。
気が付くともう、外はオレンジ色に染まっていた。
私たちは1時間以上もキスをしていたのだ!!
私はこの事実に驚愕した。
「ベルナデット様、その大丈夫ですか? つい、我慢が……」
「いえ、その、私も離れがたかったので……」
私がそう言うと、サミュエル先生は私の手を引くと今度は私をベットに寝かせると、また口付けられた。しばらくするとサミュエル先生の甘い声が聞こえた。
「んっ……いくら……あなたの唇を味わっても足りない。もっとほしいと思ってしまうのです」
私は腕をサミュエル先生の首に回した。先程はずっと立ってキスをしていたので、身長差もありできなかったのだ。
「……ンっは……私も……です」
見つめ合うと、サミュエル先生が嬉しそうに笑った。
「愛しています。ベルナデット様、生涯あなたのお傍に」
「私も、愛しています」
そうして、私たちはまた唇を重ねたのだった。
+++++
夕食の時間になり、私たちは母と実父と共に4人で食事をすることになった。
「はぁ~~家族との食事最高だな~~」
実父が目尻を下げて言った。
「本当に嬉しいわ!!」
母もとても嬉しそうに笑った。私は母と過ごした思い出はほとんどないが、心があたたかくなったのが不思議な気がした。
食事が終わり、部屋に戻ろうとしたところで、母に呼び止められた。
「キスがまだなら、キスの練習をしていた方がいいわよ?なかなか30分以上も口を合わせるの途中で息が苦しくなって大変だから!! じゃあ、お休みなさい」
そう言われて私は首を傾げた。
すでに私たちは先程、1時間以上いや、その倍以上の時間キスをしていた。
「苦しい? キスが? キスは全く苦しくないですよね?」
私がサミュエル先生を見上げると、サミュエル先生も首を傾げた。
「そうですね~。あ、もしかしたら、ベルナデット様の呼吸のタイミングで唇の位置をずらしているからでしょうか?」
サミュエル先生が何気なく答えたが、そんなこと常人にできるのだろうか?!
「え?そんなことを?」
「はい……ベルナデット様の呼吸は正確なリズムを刻んでいますので、そのタイミングで唇の位置を変えて、その…ベルナデット様の唇を余すことなく味わっていると言いますか……」
「……そんなこときっとサミュエル先生にしかできないでしょうね」
するとまたサミュエル先生に抱き寄せられた。
「ふふふ。そうだと思いたいです。あなたの唇は私だけが味わえる……ですよね?」
「はい」
その日私もサミュエル先生の呼吸のリズムを知れるくらいにお互いを知ったのだった。
+++++
それから……。
私たちの披露した演奏は耳が肥えたこの国の方々も魅了したそうで、その後発表された私が王女であるという発表には歓声が上がった。
後に母や実父が私たちが認められるように苦労して下地を作っていたと聞いた。
私は王女になるために、サミュエル先生は王配になるためにそれぞれ努力した。もちろん楽器の練習も欠かすことはできない。本当に2人での演奏は多いのだ。
今日の予定が全て終わり、私はサミュエル先生とソファーでくつろいでいた。
「サミュエル様、ルーカス様からお願いされた指導教師の件ですが見つかりました?」
私はサミュエル先生のことをサミュエル様と呼ぶようになった。初めはなかなか慣れなかったが、今では普通に呼べるようになってきた。
「ええ。もちろんです。指示が的確でしたので。ルーカス殿は本当に学長として優秀ですので、頭が下がります」
「ふふふ。サミュエル学長の後ですもの。ルーカス様も必死だとクリス様にお伺い致しましたよ?」
私はサミュエル様に抱きつくとスリスリと頬を寄せた。
するとそれが合図にように頭を撫でてくれた。
「今日も大変だったのですか?」
「うう……。はい」
「ベルナデット様は本当に頑張っていますものね。では……今日はやめておきますか?」
サミュエル様が私の頭を撫でながら尋ねた。私は恥ずかしくて顔を隠すように言った。
「…………そこまで疲れてはいません」
すると、私はサミュエル様に抱きあげられ、ベットに寝かされた。
「では遠慮なく」
私の上に乗ってきたサミュエル様の首に手を回すと、深く口付けた。サミュエル様のキスは私の思考を全て奪ってふわふわしたあたたかい世界に連れて行ってくれる。
「……んっ……サミュエル様……好き……です」
私は愛しい人の顔を見ながら思わず呟いた。
「好き……それだけですか? 私は欲張りになってしまったみたいです」
「え?」
「好きだけじゃ足りない。愛しています。もう、あなたから離れて生きることはできません。あなたの奏でる極上の音楽も、あなたが私を呼ぶ愛しい声も、あなたが民の幸せを思うそのお心も全てが愛おしい」
私を見下ろすサミュエル様の顔は甘くとろけそうなのにいつも切なそうで私も胸を締め付けられるようだった。
「私も愛しています。絶対に離れないで下さいね?」
「はい」
そしてまた深く口付けた。身体も想いも全て溶けあう感覚に眩暈がした。
(私、サミュエル様と出会えて本当によかった)
窓の外には淡い光を放つ月が見えていた。
私たちは月のあたたかな光の中愛を確かめ合ったのだった。
【サミュエル ルート エピソードエンド!!!】
ーーーーーーー
サミュエル ルート完結しました!!!
長い間、ご多忙にも関わらず、ご覧頂き本当にありがとうございました。
残すところエリックルートのみです!!
もうしばらくお付き合い頂けますと有難いです。
※次回から火曜日のみの更新となります。
※サミュエルルートで出現した他のエピソードはエリックの真相ルートのエピソードエンドの後に不定期で公開する予定です。
いつでも練習ができるようにという配慮らしい。
母は、『ダブルベットで同室でもいいんじゃない?』と言ったそうだが、実父が泣きながら断固反対し、このような部屋になったようだった。
私とサミュエル先生は案内された部屋に2人きりになった途端、どちらからというわけではなく自然と唇を重ねていた。
今までお互いに抑えていた想いが解き放たれ、夢中で唇をむさぼった。
サミュエル先生の唇は薄いのに柔らかくて、私はいつの間にかサミュエル先生とのキスに溺れてしまっていた。
気が付くともう、外はオレンジ色に染まっていた。
私たちは1時間以上もキスをしていたのだ!!
私はこの事実に驚愕した。
「ベルナデット様、その大丈夫ですか? つい、我慢が……」
「いえ、その、私も離れがたかったので……」
私がそう言うと、サミュエル先生は私の手を引くと今度は私をベットに寝かせると、また口付けられた。しばらくするとサミュエル先生の甘い声が聞こえた。
「んっ……いくら……あなたの唇を味わっても足りない。もっとほしいと思ってしまうのです」
私は腕をサミュエル先生の首に回した。先程はずっと立ってキスをしていたので、身長差もありできなかったのだ。
「……ンっは……私も……です」
見つめ合うと、サミュエル先生が嬉しそうに笑った。
「愛しています。ベルナデット様、生涯あなたのお傍に」
「私も、愛しています」
そうして、私たちはまた唇を重ねたのだった。
+++++
夕食の時間になり、私たちは母と実父と共に4人で食事をすることになった。
「はぁ~~家族との食事最高だな~~」
実父が目尻を下げて言った。
「本当に嬉しいわ!!」
母もとても嬉しそうに笑った。私は母と過ごした思い出はほとんどないが、心があたたかくなったのが不思議な気がした。
食事が終わり、部屋に戻ろうとしたところで、母に呼び止められた。
「キスがまだなら、キスの練習をしていた方がいいわよ?なかなか30分以上も口を合わせるの途中で息が苦しくなって大変だから!! じゃあ、お休みなさい」
そう言われて私は首を傾げた。
すでに私たちは先程、1時間以上いや、その倍以上の時間キスをしていた。
「苦しい? キスが? キスは全く苦しくないですよね?」
私がサミュエル先生を見上げると、サミュエル先生も首を傾げた。
「そうですね~。あ、もしかしたら、ベルナデット様の呼吸のタイミングで唇の位置をずらしているからでしょうか?」
サミュエル先生が何気なく答えたが、そんなこと常人にできるのだろうか?!
「え?そんなことを?」
「はい……ベルナデット様の呼吸は正確なリズムを刻んでいますので、そのタイミングで唇の位置を変えて、その…ベルナデット様の唇を余すことなく味わっていると言いますか……」
「……そんなこときっとサミュエル先生にしかできないでしょうね」
するとまたサミュエル先生に抱き寄せられた。
「ふふふ。そうだと思いたいです。あなたの唇は私だけが味わえる……ですよね?」
「はい」
その日私もサミュエル先生の呼吸のリズムを知れるくらいにお互いを知ったのだった。
+++++
それから……。
私たちの披露した演奏は耳が肥えたこの国の方々も魅了したそうで、その後発表された私が王女であるという発表には歓声が上がった。
後に母や実父が私たちが認められるように苦労して下地を作っていたと聞いた。
私は王女になるために、サミュエル先生は王配になるためにそれぞれ努力した。もちろん楽器の練習も欠かすことはできない。本当に2人での演奏は多いのだ。
今日の予定が全て終わり、私はサミュエル先生とソファーでくつろいでいた。
「サミュエル様、ルーカス様からお願いされた指導教師の件ですが見つかりました?」
私はサミュエル先生のことをサミュエル様と呼ぶようになった。初めはなかなか慣れなかったが、今では普通に呼べるようになってきた。
「ええ。もちろんです。指示が的確でしたので。ルーカス殿は本当に学長として優秀ですので、頭が下がります」
「ふふふ。サミュエル学長の後ですもの。ルーカス様も必死だとクリス様にお伺い致しましたよ?」
私はサミュエル様に抱きつくとスリスリと頬を寄せた。
するとそれが合図にように頭を撫でてくれた。
「今日も大変だったのですか?」
「うう……。はい」
「ベルナデット様は本当に頑張っていますものね。では……今日はやめておきますか?」
サミュエル様が私の頭を撫でながら尋ねた。私は恥ずかしくて顔を隠すように言った。
「…………そこまで疲れてはいません」
すると、私はサミュエル様に抱きあげられ、ベットに寝かされた。
「では遠慮なく」
私の上に乗ってきたサミュエル様の首に手を回すと、深く口付けた。サミュエル様のキスは私の思考を全て奪ってふわふわしたあたたかい世界に連れて行ってくれる。
「……んっ……サミュエル様……好き……です」
私は愛しい人の顔を見ながら思わず呟いた。
「好き……それだけですか? 私は欲張りになってしまったみたいです」
「え?」
「好きだけじゃ足りない。愛しています。もう、あなたから離れて生きることはできません。あなたの奏でる極上の音楽も、あなたが私を呼ぶ愛しい声も、あなたが民の幸せを思うそのお心も全てが愛おしい」
私を見下ろすサミュエル様の顔は甘くとろけそうなのにいつも切なそうで私も胸を締め付けられるようだった。
「私も愛しています。絶対に離れないで下さいね?」
「はい」
そしてまた深く口付けた。身体も想いも全て溶けあう感覚に眩暈がした。
(私、サミュエル様と出会えて本当によかった)
窓の外には淡い光を放つ月が見えていた。
私たちは月のあたたかな光の中愛を確かめ合ったのだった。
【サミュエル ルート エピソードエンド!!!】
ーーーーーーー
サミュエル ルート完結しました!!!
長い間、ご多忙にも関わらず、ご覧頂き本当にありがとうございました。
残すところエリックルートのみです!!
もうしばらくお付き合い頂けますと有難いです。
※次回から火曜日のみの更新となります。
※サミュエルルートで出現した他のエピソードはエリックの真相ルートのエピソードエンドの後に不定期で公開する予定です。
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