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第2章 東京編
プレゼン&懇親会
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それから数日後。
羽柴専務と笙野部長はこれまで私が営業で回った
投資家さんを中心に声をかけ、
社の大会議室で”ジゼル”のプレゼンテーション
及び懇親会を開催。
目的は主に公演資金の調達。
もちろん招待したゲストの中には、
あの佐渡社長と奥方・光子夫人の姿もある。
そして、ルームメイトのベラが言っていた、
香港でバレエ学校の校長をやっているという
お母さんの姿もあった。
プレゼンは大型プロジェクターを用い映写され、
まず宗方監督の簡単な挨拶で始まり。
主役から順にキャストの紹介。
キャスト達からひと言&稽古風景。
最後の締めは総合プロデューサーの羽柴専務が
自分達が置かれている現状と窮地を正直に告げ、
ゲストの皆さんへ援助をお願いし、プレゼンを
終えた。
次は懇親会。
ホスト側責任者・蛯沢社長の挨拶が終わって
自由歓談へ移ると、それまで受付を中心に
会の手伝いをしていた私は仕事もなくなり、
仕方なく手持ち無沙汰気にゲスト達の歓談の輪を
邪魔しないようブラブラしていると――――
ドリンクのセルフサービスカウンターの
近くにいた晴彦と鉢合わせた。
「!! 晴彦……」
「よっ」
「どうしてここに?」
「社長のお伴」
と、示した視線の先に覇王の蛯沢社長と
晴彦の所属事務所”ソレイユ”の社長がいる。
あ、なるほど。
「……元気そうで安心した」
「うん、何とかぼちぼちやってるよ。ってか、
このギョーカイにいたら元気でなくちゃやって
られんし」
「そりゃそうだ」
「理玖、泣かせてない?」
「もちろんすっげー大事にしてるさ。先週の日曜、
千早さんへも挨拶してきた。あ、そうそう。
俺も今回の舞台、裏方で参加するからな」
「へぇー、あなたが裏方なんて珍しい」
「―― で、この仕事が済んだら、理玖と入籍する
つもりだ」
って事は、晴彦も今度ばかりは本当に本気なんだ。
弟が元彼と”生涯のパートナーに" なんて……
もちろん幸せになるのはいい事だけど、
心境はかなり複雑だ。
羽柴専務と笙野部長はこれまで私が営業で回った
投資家さんを中心に声をかけ、
社の大会議室で”ジゼル”のプレゼンテーション
及び懇親会を開催。
目的は主に公演資金の調達。
もちろん招待したゲストの中には、
あの佐渡社長と奥方・光子夫人の姿もある。
そして、ルームメイトのベラが言っていた、
香港でバレエ学校の校長をやっているという
お母さんの姿もあった。
プレゼンは大型プロジェクターを用い映写され、
まず宗方監督の簡単な挨拶で始まり。
主役から順にキャストの紹介。
キャスト達からひと言&稽古風景。
最後の締めは総合プロデューサーの羽柴専務が
自分達が置かれている現状と窮地を正直に告げ、
ゲストの皆さんへ援助をお願いし、プレゼンを
終えた。
次は懇親会。
ホスト側責任者・蛯沢社長の挨拶が終わって
自由歓談へ移ると、それまで受付を中心に
会の手伝いをしていた私は仕事もなくなり、
仕方なく手持ち無沙汰気にゲスト達の歓談の輪を
邪魔しないようブラブラしていると――――
ドリンクのセルフサービスカウンターの
近くにいた晴彦と鉢合わせた。
「!! 晴彦……」
「よっ」
「どうしてここに?」
「社長のお伴」
と、示した視線の先に覇王の蛯沢社長と
晴彦の所属事務所”ソレイユ”の社長がいる。
あ、なるほど。
「……元気そうで安心した」
「うん、何とかぼちぼちやってるよ。ってか、
このギョーカイにいたら元気でなくちゃやって
られんし」
「そりゃそうだ」
「理玖、泣かせてない?」
「もちろんすっげー大事にしてるさ。先週の日曜、
千早さんへも挨拶してきた。あ、そうそう。
俺も今回の舞台、裏方で参加するからな」
「へぇー、あなたが裏方なんて珍しい」
「―― で、この仕事が済んだら、理玖と入籍する
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って事は、晴彦も今度ばかりは本当に本気なんだ。
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