アンフェア

NADIA 川上

文字の大きさ
12 / 26

SOS

しおりを挟む

  カチャリとドアが開き数人の男達が座敷に
  入ってくる。
  新たなの悪夢の始まりが数人の男……。
  この人数では最初から狂わされてしまう。
  まだほんの少し保っている正気の片隅で
  そう思いながらも、これから始まる事に
  性奴隷と化した体が疼き蜜が滴り、
  男を誘う濃厚な花の香りが部屋に漂い始める。
  ひとたびその香りを嗅いだ男達は、
  こぞって服を脱ぎ実桜の体を嘗め回し、
  1人がその体を貫き、もう1人は乳*をギュッと
  摘み上げ、実桜を官能の奈落に落としていく。
  こうなったらもう実桜にはただ喘ぎ、
  奥の奥までめちゃくちゃにかき回して
  性を叩きつけて欲しいという欲求に
  支配されるだけだった……。


  相変わらず実桜は、
  自分がこの施設へ連れて来られた真の理由を
  知らぬまま、検査・実験に明け暮れる毎日を
  過ごしていた。

  が、そんなある日。
  不意に本当の両親と幸せに暮らしていた幼少期の
  思い出(記憶)が夢で蘇り、実桜を愕然とさせた。


  夢の中の幼い――おそらく4才位の実桜は、
  自宅らしい邸宅の中庭で、ぐったりとした仔犬を
  その胸にかき抱きながらさめざめとすすり泣いて
  いた。

  可愛がっていた仔犬が野犬に襲われ死んでしまった
  のだ。


『ごめんね、チロ……ホントにごめ……神様、
 お願いです、チロを ――』


  その言葉の途中で、家の中から母親らしい
  女性が何故か? 血相を変え実桜に向かって
  走ってきた。


『実桜っ!!』


  さっきまで、さめざめと泣いていた実桜の顔に
  涙はない。

  何故か? って……それは ――

  死んだはずの愛犬・チロは実桜の胸元から元気よく
  飛び降り、庭中を走り回り出したのだ。


「ママ、見て 見て。チロ、元気になったよ」


  そう、無邪気に微笑む娘に母は愕然と立ち止まった


  実桜の母方の女系家族にのみ代々受け継がれる
  という異能は”治癒能力”

  しかも実桜の場合、その能力が与えられるのは
  触れたモノにだけでなく。
  血液・唾液・分泌液などの体液からも、その能力が
  与えられるとされ。
  おまけに能力開発には異性との性交渉が
  必要不可欠な為。
  連日のよう、男性職員や研究員達の研究材料と
  なる他、慰みモノにもされていた。


  絶滅危惧種のΩでもある実桜は
  数十人の男に抱かれ続け、
  発情期が終わった時には疲労困憊で数日間は
  起き上がれない状態となるが、これもこの遊郭に
  来てからは常の事だった。
  その間に性病や妊娠の有無の検査が行われ、
  問題なしという結果が出れば、
  次の発情期までは自室での自由時間が許される。

  幸い実桜はまだ未経験だが、
  避妊薬を飲んでいても妊娠してしまうシニアや
  サポーターもいて、妊娠が発覚したそれらには
  堕胎薬が投与される。
  堕胎薬の効果は覿面だが、投与された者は
  死んだ方がましだと思えるほどの苦痛に襲われ、
  中にはそのままショック死してしまう者もいる。

  実桜の検査結果は今回も問題なく、
  再び自室で過ごす事となった。
  しばらくすると食事が定期的に運ばれ、
  それらを機械的に口にする。

  発情期には不特定多数の男を相手し、
  自身の事を気軽に相談出来る友もいない。
  息の詰まりそうなこの生活にいつまで耐える事が
  できのだろう……。
  まだ早い時間だが何もする事のない実桜は
  ベッドに横たわる。
  再び涙があふれ出し、
  枕に顔を伏せ声を押し殺して泣く。

  このまま朝を迎えずに死ねたらいいのに……。
  ここへ来てからというもの、
  何度考えたか分からない。

  ここ最近はその事ばかりを切望しながら
  泣きつかれた実桜はそのまま眠りについた。


  『神よ ―― もしあなたが本当に御座(おわ)す
   なら、なるべく早くこの私をその御許(みもと)
   へお導き下さい』

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

メイウッド家の双子の姉妹

柴咲もも
恋愛
シャノンは双子の姉ヴァイオレットと共にこの春社交界にデビューした。美しい姉と違って地味で目立たないシャノンは結婚するつもりなどなかった。それなのに、ある夜、訪れた夜会で見知らぬ男にキスされてしまって…? ※19世紀英国風の世界が舞台のヒストリカル風ロマンス小説(のつもり)です。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

還暦妻と若い彼 継承される情熱

MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。 しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。 母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。 同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...