出会いは突然に〜愛人の行方〜

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11.本田さんの独白

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帰り道、私たちは恋人繋ぎで歩く。



嬉しいような、恥ずかしいような、不思議な気分だ。



「さっきの続きを話したいんだが」



「え?」



――まだ何かあるの?



本田さんが何を言うのか、私は期待と少しの緊張を胸に抱きながら彼の言葉を待った。



「……実は、俺は以前から亜美の父親を知っていた」



「父を!?」



思わぬ言葉に驚き、目を見開く。



父と本田さんが知り合いだったなんて、そんな素振りは今まで全く感じなかった。



「どうして?」



「すまない、隠すつもりはなかったんだが」



「怒っているわけじゃなくて……どうやって知り合ったんですか?」



「ああ、バーで知り合ったんだ。いわゆる飲み友達ってやつだな」



父がバーに通っていたこと自体、信じられない。



しかも、父に飲み友達がいて、それが本田さんだったなんて……想像もしていなかった。









本田さんは、父とのバーでのエピソードを話してくれた。



意外すぎる内容に、頭がついていかない。



父はそこで借金のことを話していたらしいが、詳しい話まではしていなかったという。



しかし、いつもの店に父が来なくなり、本田さんは心配になって調べさせた。



そこで初めて、借金の詳細とその状況を知ったらしい。



そして、父が亡くなり、その借金を娘である私が背負うことになると知り、あの日、私に会いに来たのだという。



「そう……だったんだ……」



父がそんな経緯で本田さんと繋がっていたなんて、信じられない気持ちでいっぱいだった。



それでも、父に愚痴を零せる友達がいたことが、本当に嬉しかった。









「後は観覧車で言った通りだ。……まさかジンの娘に一目惚れするとは思わなかったが」



話はさらに続く。



「亜美をマンションに送った後、興信所に追加で調査を頼んだ」



「私のこと……?」



「ああ。名前を聞いた時点でほぼ確信していたが、念のためにな」



「似てないですか?」



「逆だ、よく似ている。目元がそっくりだ」



そう言いながら、彼は私をじっと見つめる。



「娘だと分かってからは……もう逃がさないと思った」



「に、逃がさないって……」



どう反応すればいいのか分からない。



普通なら恐怖を覚えてもおかしくないはずなのに、そこまで強く想ってくれていると知り、驚くと同時に嬉しいと思う自分がいる。



「その後、入社予定の会社にお前がいることが分かった。お前と会社で顔を合わせた日、配属された部署にお前がいたときは驚いたよ。部下だと分かってからは……外堀を埋めることにした」



「外堀を埋めるって……何のことですか?」



「お前が俺の女だと分からせるために、名前で呼んだり、飲み会では隣に座ったりするようにした」



――あれは、わざとだったの!?



「斎藤も率先して動いてくれた」



「もしかして、合コンのことですか?」



「そうだ」



――合コンなんて斎藤さんらしくないと思っていたけれど、そういうことだったのか……!



「……ふふっ」



本田さんの必死な策を想像すると、笑いが込み上げてくる。



「何がそんなに面白い」



少し不満そうに眉をひそめながら、本田さんが呟く。



「つまり、私はあなたの策にまんまと引っかかったんですね」



「人聞きが悪いな。選んだのはお前だろう?」



「……まぁ、いいです。何だかんだ言って、幸せですから」



「そうじゃないと困る。これから2人で、もっと幸せになろう」



――本田さんの優しい声に、心が満たされていくのを感じた。
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