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私の知らない貴方

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 手を綺麗に拭いたフィオナは、アマリアの隣の席に座る。

 すぐに執事が新しくお茶を運んできて、話は三人でになった。

 レオンはあずまやの入り口でゆったりうずくまる。

 レオンには水が出てきて、それをたっぷり飲んで満足したようだ。

「フレイディにさっき会ってきたの。とても明るい様子だったわ」

 散歩というのを随分長くしたのかもしれない。

 喉が渇いていた様子のフィオナはすぐに紅茶を半分ほど飲み、息をついてからそう話した。

「あら、フレイディ様に」

「ええ、フレイディにも会いたいと思っていたから」

 アマリアはちょっと目を丸くしてしまったのだけど、フィオナはにこっと笑った。

「若奥様とは仲良くやっているかとか、たくさん話してくれたわよ。こんなにかわいらしい若奥様をいただいて幸せね、って言ってきたわ」

 今度はゆっくりお茶を飲みつつフィオナが話すのを、アマリアは楽しい気持ちで聞いた。

「まぁ、ここで話していたことと同じね」

「ええ、本当に」

 ジェシカが軽く口元に手を当て、おかしそうに言う。

 アマリアも、同じ気持ちで微笑になった。

 話題がそこからアマリアの絵に移っていったのも同じだった。

「さっきフレイディに見せてもらったの。私は絵には詳しくないからまだよくわからなかったけれど、完成がもう楽しみになったわ」

 どうやら描きかけのものを、フレイディがフィオナに披露したようだ。

 アマリアはくすぐったい思いになってしまう。
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