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知らない少女の絵

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 これは大切なもののような気がするわ。

 そんなふうに察せた。

 古そうなノートだから、これを取っておいてあること自体、それなりに重要な絵だったのだろう。

 アマリアは最後のページまでめくり終えて、少し考えた。

 どうして気になったのかわからなかった。

 レノスブル家の血縁ではなさそうな少女の絵に関する記録が、どうしてこんなところにあるのか。

 しかもしっかりとしまいこんでいたのかという点は、勿論不思議だ。

 でもそのほかに……第六感というか。

 そういう部分から気になっているのだろうな、という感覚があった。

 そのノートも持ち帰ろうかと思ったが、思い直した。

 今日は『肖像画に必要な記録』を探しに来たのだ。

 これも肖像画の記録には違いないが、目的にしていたものではない。

 勝手に持ち出すのはいけないだろう。

 よってアマリアはそのノートを引き出しに戻した。

 目的のノートだけを手にして、引き出しを閉める。
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