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知らない少女の絵

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 そのあと、倉庫内をあちこち見てしまった。

 記録があるくらいだから、もしかしたら絵になった完成品が一緒にあるかもしれない。

 そう思ったのだ。

 でもそれらしきものは見つからなかった。

 少女の絵というのがそもそもなかったのだ。

 残念ながら、解決や納得にはなりそうにない。

 アマリアは消化不良な思いを覚えつつも、あまり長居をするのは良くないのでそろそろ倉庫を出ることにした。

 入り口を出て、ドアを閉めて、鍵もきちんとかける。

 そうしてから廊下を歩きだした。

 まずは自室にこのノートを持っていって、ハンナに手入れを頼もうと思う。

 することはそれのはずで、目的のものが見つかってうきうき楽しみにしていたのに、さっき見つけてしまったものが何故だか頭から離れなかった。

 ノートの中に書いてあった名前。

『エルシー・マルティス』。

 まったく知らないものだったというのに。
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