宮廷画家令嬢は契約結婚より肖像画にご執心です!~次期伯爵公の溺愛戦略~

白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!

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契約の残り時間

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 明日と明後日のものは、たった一日のことだろう。

 でもこの日常から離れ、別々に過ごすようになるときはもう、すぐそこまできている。

 フレイディが言ったのは、それに関する寂しさという気持ちだ。

「それは……、そうですわね。私もそう思います」

 アマリアは同意した。

 その気持ち、確かに自分の中にもある。

 ただ、耐えがたいという気持ちではないだけで。

 そうあるものと目の前にあるのであれば、受け入れるつもりでいた。

 だってそれが約束。

 たがえるほうが不誠実でみっともないだろう。

 アマリアはそのように思っていた。

 でもアマリアの同意に、フレイディは、ぱっと顔を上げた。

 ティーカップをテーブルに戻す。

「本当かい。俺がいないと寂しいかい」

 まるでレオンがアマリアにじゃれるときのような、手放しで明るい様子だった。

 アマリアはその単純な変化に、くすくす笑ってしまう。

「それはそうですわよ。仮にも想うお方ですわ」

「『仮にも』は不要の気がするが……」

 言い方はフレイディから勢いを奪ってしまったようだったが。

 しかしこれがアマリアだ。
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