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契約の残り時間

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 フレイディは満足と、少々の消化不良が同時にあるような表情になり、空いた手をこちらへ伸ばしてきた。

 アマリアの肩に触れる。

 ちょっとどきっとしたものの、もうだいぶ慣れたのだ。

 アマリアは自分からも動いて、フレイディに肩を抱かれる形に収まった。

 ことりとフレイディの肩に頭を預ける。

 ふわりと香水の良い香りが漂った。

 心地いい、と素直に思った。

 そしてこの心地いい存在がそばからなくなってしまうのは、やはり寂しい。

 そうとも思った。

 ある意味、実際に触れて、実感として感じることで、心にある気持ちが浮上してきたようなものだ。

 私は本当に良いのかしら。

 そんな気持ちまで浮いてきたのだから。

 でもそれを考える前に、フレイディが言った。

「だから、寂しくないようにしようと思うんだ」

 アマリアの肩を抱き、しっかり自分に抱き寄せながら、小さな声で言われた。

 アマリアにとってはよくわからないことであった。

 寂しくないように、とは、契約をやめようということだろうか?

 それで正しい夫婦として、一緒にいようとか、そういうこと……?
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