15 / 43
15.女神様の説明不足
しおりを挟む
昨日は痛恨のミスだった。波ってものを理解してなくてびしょ濡れになってしまった。なによりゼクス様に抱き上げられたのが恥ずかしくて身悶えたくなる。しかし今日はコーラル礼拝堂に向かう日。この旅の目的地に行くわけだ。海の近くの道を馬車で走っていく。
「お嬢様、寒くはございませんか?体調に変わりはありませんか?」
「アニタ、大丈夫よ。なにも変わらないわ」
びしょ濡れで戻ってきた私にびっくりしたアニタは急いでお風呂や暖かい飲み物を用意してくれた。波をかぶってしまった時は冷たかったが、そのあとはそんなに寒くはなかったので、風邪は引いていないと思う。アニタは心配性なんだ。
ゼクス様にも朝一番で風邪はひいてないかと聞かれたけど…
「見て!アニタ。コーラル礼拝堂ってアレじゃない?」
観光地にもなっていると聞いてたけど、賑わっている街を通って海のすぐそばに真っ白な建物があった。まだお昼過ぎたところで太陽が白い建物に反射して眩しい。
「エリーゼ様、お疲れ様でした。体調はいかがですか?」
「ゼクス様もお疲れ様でした。体調は大丈夫ですわ」
コーラル礼拝堂の司祭様が迎えてくれた。エルヴァイン侯爵様が司祭様と何か話している。中に入ると、女神像がすぐに目についた。海を背後に厳かな雰囲気が漂う。そのまま応接室を勧められた。
「エルヴァイン侯爵様、聖女様。遠路はるばるご足労いただきありがとうございます。コーラル礼拝堂の司祭を務めてます、エルドリン・マリスと申します。」
「はじめまして、エリーゼ・フォン・ヴァルデンです」
「うむ。変わりはないか?手紙でも書いたが、女神様からの神託で珊瑚の首飾りが必要になった。どこにある?」
すぐに本題に入ってしまった。まぁ、神託だからね。そういえばいつまでに、とか期限は設けられてないなぁと他のことを考えてしまう。
「珊瑚の首飾りは礼拝堂の横の別室に飾られております。神託の内容は聞きましたが火山の中に投げ入れてしまうんですか?」
「そうだ。そう聖女様に神託があった」
「この珊瑚の首飾りは海が荒れていた時に身の危険も顧りみず鎮めた乙女がつけていたものです。それを火山に投げるだなんて……」
珊瑚の首飾りを見たことないけど、由緒正しい物のようで神託といえども手放したくなさそうな雰囲気がしてる。珊瑚の首飾りを取ってくるだけと思ったけど、これは難航するのかなぁー。
「マリス司教、神託であるし国王陛下からのご命令でもある。珊瑚の首飾りをこちらへ…」
エルヴァイン侯爵の言葉にも司教様は嫌そうである。
「マリス司教様、私達は珊瑚の首飾りを見たことないのでせめて見たいのですが よろしいですか?」
こう着状態になりそうだったところをゼクス様が陽気に声をかける。私も便乗して見たいですと言ってみる。
「そうですね。ひとまず、珊瑚の首飾りをお見せします」
お見せするだけですと言った感じだ。神託なんだけど、司教様なら従わなきゃダメじゃない?それとも何かあるのかしら?全員で礼拝堂の横の別室へ移動する。
「これは見事な首飾りですね」
ゼクス様が感心したように声を上げる。確かにこれはとても綺麗だ。珊瑚で作られたツヤツヤした球が数珠繋ぎになっていて、少量のダイヤモンドが首飾りのトップの一際大きい珊瑚を飾っている。これは神聖なオーラが放っていそうだわ。
「本当に美しいですね。素敵な首飾りですわ」
魅入られて手を伸ばす。一番大きい珊瑚の飾りにチョンと触れるとそこから大量の水と光が溢れてきた。私を包み込むような大きな水に驚き息をのむ。他の人達の驚愕している声が遠くに聞こえる。珊瑚の首飾りの光が徐々に消えていくと水はそのまま私の胸元に吸い込まれていった。濡れてない。女神様、これは聞いてないです。なんなんですか?珊瑚の首飾りになんの効果あるのです!?
「お嬢様、寒くはございませんか?体調に変わりはありませんか?」
「アニタ、大丈夫よ。なにも変わらないわ」
びしょ濡れで戻ってきた私にびっくりしたアニタは急いでお風呂や暖かい飲み物を用意してくれた。波をかぶってしまった時は冷たかったが、そのあとはそんなに寒くはなかったので、風邪は引いていないと思う。アニタは心配性なんだ。
ゼクス様にも朝一番で風邪はひいてないかと聞かれたけど…
「見て!アニタ。コーラル礼拝堂ってアレじゃない?」
観光地にもなっていると聞いてたけど、賑わっている街を通って海のすぐそばに真っ白な建物があった。まだお昼過ぎたところで太陽が白い建物に反射して眩しい。
「エリーゼ様、お疲れ様でした。体調はいかがですか?」
「ゼクス様もお疲れ様でした。体調は大丈夫ですわ」
コーラル礼拝堂の司祭様が迎えてくれた。エルヴァイン侯爵様が司祭様と何か話している。中に入ると、女神像がすぐに目についた。海を背後に厳かな雰囲気が漂う。そのまま応接室を勧められた。
「エルヴァイン侯爵様、聖女様。遠路はるばるご足労いただきありがとうございます。コーラル礼拝堂の司祭を務めてます、エルドリン・マリスと申します。」
「はじめまして、エリーゼ・フォン・ヴァルデンです」
「うむ。変わりはないか?手紙でも書いたが、女神様からの神託で珊瑚の首飾りが必要になった。どこにある?」
すぐに本題に入ってしまった。まぁ、神託だからね。そういえばいつまでに、とか期限は設けられてないなぁと他のことを考えてしまう。
「珊瑚の首飾りは礼拝堂の横の別室に飾られております。神託の内容は聞きましたが火山の中に投げ入れてしまうんですか?」
「そうだ。そう聖女様に神託があった」
「この珊瑚の首飾りは海が荒れていた時に身の危険も顧りみず鎮めた乙女がつけていたものです。それを火山に投げるだなんて……」
珊瑚の首飾りを見たことないけど、由緒正しい物のようで神託といえども手放したくなさそうな雰囲気がしてる。珊瑚の首飾りを取ってくるだけと思ったけど、これは難航するのかなぁー。
「マリス司教、神託であるし国王陛下からのご命令でもある。珊瑚の首飾りをこちらへ…」
エルヴァイン侯爵の言葉にも司教様は嫌そうである。
「マリス司教様、私達は珊瑚の首飾りを見たことないのでせめて見たいのですが よろしいですか?」
こう着状態になりそうだったところをゼクス様が陽気に声をかける。私も便乗して見たいですと言ってみる。
「そうですね。ひとまず、珊瑚の首飾りをお見せします」
お見せするだけですと言った感じだ。神託なんだけど、司教様なら従わなきゃダメじゃない?それとも何かあるのかしら?全員で礼拝堂の横の別室へ移動する。
「これは見事な首飾りですね」
ゼクス様が感心したように声を上げる。確かにこれはとても綺麗だ。珊瑚で作られたツヤツヤした球が数珠繋ぎになっていて、少量のダイヤモンドが首飾りのトップの一際大きい珊瑚を飾っている。これは神聖なオーラが放っていそうだわ。
「本当に美しいですね。素敵な首飾りですわ」
魅入られて手を伸ばす。一番大きい珊瑚の飾りにチョンと触れるとそこから大量の水と光が溢れてきた。私を包み込むような大きな水に驚き息をのむ。他の人達の驚愕している声が遠くに聞こえる。珊瑚の首飾りの光が徐々に消えていくと水はそのまま私の胸元に吸い込まれていった。濡れてない。女神様、これは聞いてないです。なんなんですか?珊瑚の首飾りになんの効果あるのです!?
45
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
「異常」と言われて追放された最強聖女、隣国で超チートな癒しの力で溺愛される〜前世は過労死した介護士、今度は幸せになります〜
赤紫
恋愛
私、リリアナは前世で介護士として過労死した後、異世界で最強の癒しの力を持つ聖女に転生しました。でも完璧すぎる治療魔法を「異常」と恐れられ、婚約者の王太子から「君の力は危険だ」と婚約破棄されて魔獣の森に追放されてしまいます。
絶望の中で瀕死の隣国王子を救ったところ、「君は最高だ!」と初めて私の力を称賛してくれました。新天地では「真の聖女」と呼ばれ、前世の介護経験も活かして疫病を根絶!魔獣との共存も実現して、国民の皆さんから「ありがとう!」の声をたくさんいただきました。
そんな時、私を捨てた元の国で災いが起こり、「戻ってきて」と懇願されたけれど——「私を捨てた国には用はありません」。
今度こそ私は、私を理解してくれる人たちと本当の幸せを掴みます!
【完結】追放された大聖女は黒狼王子の『運命の番』だったようです
星名柚花
恋愛
聖女アンジェリカは平民ながら聖王国の王妃候補に選ばれた。
しかし他の王妃候補の妨害工作に遭い、冤罪で国外追放されてしまう。
契約精霊と共に向かった亜人の国で、過去に自分を助けてくれたシャノンと再会を果たすアンジェリカ。
亜人は人間に迫害されているためアンジェリカを快く思わない者もいたが、アンジェリカは少しずつ彼らの心を開いていく。
たとえ問題が起きても解決します!
だって私、四大精霊を従える大聖女なので!
気づけばアンジェリカは亜人たちに愛され始める。
そしてアンジェリカはシャノンの『運命の番』であることが発覚し――?
「醜い」と婚約破棄された銀鱗の令嬢、氷の悪竜辺境伯に嫁いだら、呪いを癒やす聖女として溺愛されました
黒崎隼人
恋愛
「醜い銀の鱗を持つ呪われた女など、王妃にはふさわしくない!」
衆人環視の夜会で、婚約者の王太子にそう罵られ、アナベルは捨てられた。
実家である公爵家からも疎まれ、孤独に生きてきた彼女に下されたのは、「氷の悪竜」と恐れられる辺境伯・レオニールのもとへ嫁げという非情な王命だった。
彼の体に触れた者は黒い呪いに蝕まれ、死に至るという。それは事実上の死刑宣告。
全てを諦め、死に場所を求めて辺境の地へと赴いたアナベルだったが、そこで待っていたのは冷徹な魔王――ではなく、不器用で誠実な、ひとりの青年だった。
さらに、アナベルが忌み嫌っていた「銀の鱗」には、レオニールの呪いを癒やす聖なる力が秘められていて……?
私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?
みおな
ファンタジー
私の妹は、聖女と呼ばれている。
妖精たちから魔法を授けられた者たちと違い、女神から魔法を授けられた者、それが聖女だ。
聖女は一世代にひとりしか現れない。
だから、私の婚約者である第二王子は声高らかに宣言する。
「ここに、ユースティティアとの婚約を破棄し、聖女フロラリアとの婚約を宣言する!」
あらあら。私はかまいませんけど、私が何者かご存知なのかしら?
それに妹フロラリアはシスコンですわよ?
この国、滅びないとよろしいわね?
婚約破棄された竜好き令嬢は黒竜様に溺愛される。残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ
水無瀬
ファンタジー
竜が好きで、三度のご飯より竜研究に没頭していた侯爵令嬢の私は、婚約者の王太子から婚約破棄を突きつけられる。
それだけでなく、この国をずっと守護してきた黒竜様を捨てると言うの。
黒竜様のことをずっと研究してきた私も、見せしめとして処刑されてしまうらしいです。
叶うなら、死ぬ前に一度でいいから黒竜様に会ってみたかったな。
ですが、私は知らなかった。
黒竜様はずっと私のそばで、私を見守ってくれていたのだ。
残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ?
捨てられた聖女、自棄になって誘拐されてみたら、なぜか皇太子に溺愛されています
h.h
恋愛
「偽物の聖女であるお前に用はない!」婚約者である王子は、隣に新しい聖女だという女を侍らせてリゼットを睨みつけた。呆然として何も言えず、着の身着のまま放り出されたリゼットは、その夜、謎の男に誘拐される。
自棄なって自ら誘拐犯の青年についていくことを決めたリゼットだったが。連れて行かれたのは、隣国の帝国だった。
しかもなぜか誘拐犯はやけに慕われていて、そのまま皇帝の元へ連れて行かれ━━?
「おかえりなさいませ、皇太子殿下」
「は? 皇太子? 誰が?」
「俺と婚約してほしいんだが」
「はい?」
なぜか皇太子に溺愛されることなったリゼットの運命は……。
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる