婚約破棄された後に神託で聖女に選ばれました。英雄と幸せになります!

佐藤 すみれ

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20.舞踏会で自分勝手な者ども

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「エリーゼ、見つけた。会いたかったよ」

 聞きたくない声の主はルーファスだった。こっちは会いたくなかった。いや本当にしつこい。そっちからの婚約解消だろうが、なんで関わってくるんだろう。気分が沈んでる時に最悪な人に出会ってしまった。
 怒るわけにもいかないから愛想笑いをする。私が何か言う前にカミラ様が前に出てくれた。

「フェルザイム様には私が見えていないようですわね。そもそも、婚約解消されたのなら気安くしない方がよろしいんじゃなくって?」

「いや、その…婚約解消は誤りだったと思っていて…また一緒になりたいんだ」

 何言ってんだこの人。自分勝手過ぎないかしら、なんで一緒になれるって思えるのか、イヤに決まってるでしょう。

「卒業式でアレだけのことをしましたよね。またエリーゼ様と一緒になりたいだなんて、厚顔無恥こうがんむちじゃありませんこと!」

 カミラ様に言葉が嬉しい。もっと言っちゃってくださいと思うけど、今日は舞踏会だからあまり騒ぐのはよくない。程よくルーファスのやつがどっか行ってくれないかと思ったけど、事態は悪化しそうだ。

「ルーファス様、婚約解消だけでなく濡れ衣まで着せてましたよね。それでよくヨリを戻そうと言えますね」

 私とカミラ様の近くに同級生が居たようで、話を聞いてたのかサッと会話に入ってきた。他にもルーファスを非難する声が飛び交う。女性だけでなく、男性もいる。
 嫌がらせをしていたと言う濡れ衣を着せられた時とは随分周りの反応が違う。聖女になったからだろうか。それにしてもこれどうやって収集つけよう。

「エリーゼ、いや、エリーゼ嬢。本当にすまなかった。せめて私の話を聞いて欲しい」

 理解してないだろうルーファスの言葉に周りの女性の目が釣り上がる。味方がいるのって安心するわね。流石のルーファスもまずいと思ったのか他に移動してくれた。私…一言も喋らなかったわ。

「皆さん…私のためにありがとうございます。どうしようと思っていたので助かりました」

 お礼を言って解散しまた舞踏会を楽しんで欲しいと思ったが、なかなかそうはいかず皆さん慰めてくれる。カミラ様も他の人に割り込まれていつの間にか遠くにいた。

「エリーゼ様、大丈夫でしたか?」

 優しい声がして振り向くとゼクス様がこちらにきていた。あれ??クララ様は?

「ゼクス様、ええ、お見苦しいところを…恥ずかしいですわ」

 苦笑いする。ゼクス様に会えて嬉しいのに、よりによってこんな場面を見られるなんて、嫌だなぁ。

「少し疲れたんじゃありませんか。テラスで外の空気でもいかがですか?」

 ここから抜け出せるなら喜んで!

「まぁ、是非。ありがとうございます」

 ゼクス様の手を取りエスコートしてもらう。スムーズに退席できるのが嬉しい。



「本当はもっと早く貴女のところに行きたかったんですが、なかなか人が途切れなくって…私が近くにいたらあんな奴を近づけなかったのに」 

「ふふ、ありがとうございます。気持ちだけでも嬉しいですわ。しかし、しばらくは社交界で噂の窓になりそうですね」

 旅からそんな経ってないのに久しぶりにゼクス様に会えたような気がする。やっぱり好きなんだなぁ…この人のこと。
 テラスでたわいないことを話しているだけで楽しい。話しすぎて少しケホッと咳をしてしまった。

「エリーゼ様、喉乾きませんか?ちょっと飲み物取ってきますね」

「あ…ありがとうございます」

 ゼクス様が気を使って飲み物を取りに行ってくれた。夜風が気持ちいい。やっと楽しめるかもしれない。
 テラスの近くが騒がしくなった、会場内がで誰かが言い争いをしている

「クララ様。婚約者でもないのにゼクス様に近づき過ぎるじゃありませんか?きっと迷惑していますよ」

「ゼクス様が素敵だからといってベタベタとするのは、はしたないですわ」

「そんなつもりはないですわ。ゼクス様と楽しくお話してただけです。婚約者がいないもの同士なら近くてもいいでしょう」

「まぁ…貴女はフェルザイム家のルーファス様と恋仲ではなかったの?」

「あの騒動は本当に迷惑でしたわ。信じられません」

「アレはルーファス様が勝手に…」

 会話から察するにクララ様とゼクス様のファンの方々かしら、テラスのドアの近くで言い争いしている。クララ様がゼクス様の近くにいたのは勝手に擦り寄ってただけ?それとも一緒に来たんだろうか。さっき聞けば良かったな。

 このままではゼクス様がきてしまうし、私が出ていったも気まずい。ルーファスといいクララといい、なんでこんな問題ばかり起こしているのか…
 ゼクス様に戻ってきて欲しいけど、戻ってきて欲しくない。複雑な乙女心だわ。











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