婚約破棄された後に神託で聖女に選ばれました。英雄と幸せになります!

佐藤 すみれ

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21.その優しさは何から来てるのかしら

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 今、私はテラスで思い人と楽しく話してた。ちょっとゼクス様が席を離れた瞬間に問題発生です。テラス前で言い争いが勃発ですわ。

「クララ様、あまりにも奔放過ぎですわ。ルーファス様やゼクス様と身軽なようですね」

「ひどいですわ。私、そんなつもりじゃないのに」

 じゃあどう言うつもりでルーファスと?そういうつもりじゃないなら、あの卒業式の婚約破棄騒動はなんだったのか…テラスにいるから会話が丸聞こえだわ。クララ様の声が涙声になる。早くどっか行って欲しいわ。身勝手な発言にイライラしてしまう。

「すみません、ちょっと通していただけますか?」

 かたい声ゼクス様の声が聞こえてきた。

「ゼクス様ぁ、聞いてください。この方達ひどいんです」

 クララ様の甘えたような声に腹が立ってくる。よくそんなセリフ言えるな。聞きたくないのに聞こえてくるのもいやね。

「また、貴女ですか。いい加減にしてください…」

「えっ…そんな…」

 冷たい声てあしらうゼクス様の声が聞こえてなんだかスッキリする。言い争いしているがなくなりゼクス様がテラスに入ってきた。

「お待たせしました。お酒が飲めるかわからなかったのでジュースにしました」

 すごく優しい声と笑顔で話しかけてくれる。さっきとの差に、もしかしてゼクス様も…と、期待してしまう。

「ありがとうございます。…嬉しい」

「…もし良かったら、この後一曲踊りませんか?」

「喜んで…足踏まないように気をつけなきゃ」

「少しくらい踏まれても平気ですよ」

 腕を組み、笑いながらテラスから出ると視線を感じる。すごい形相でクララが見てくる。フッ…ってバカにするみたいに笑っちゃダメかしらね。ダメね、はしたないわ。


「それでは、エリーゼ様。お手をどうぞ」

 曲が流れダンスが始まる。楽しい。足を踏むのが心配だったけれど、ゼクス様はすごく上手で心配より楽しさが勝った。

「お上手じゃないですか」

「それはゼクス様がでしょう」

 息が合うってこんな感じなのね。楽しい。曲が終わるともうダンス出来ない。婚約者でもない異性とは大体、一曲だけだ。曲が終わる。名残惜しいけど、もう少し話したいな。

「……エリーゼ様、もう一曲いかがですか」

「えっ…はいっ…」

 次の曲もパートナーをかえずに踊るとほんの少しざわめきが起きた。いいよね…私もゼクス様も婚約者いないんだもん。

「…その、エリーゼ様。今度、火山に行くでしょう?その為の準備に一緒に買い物に行きませんか?」

「え?買い物…ですか?」

 クルリとターンする。ドレスがひらりとゆれる。

「はい、エリーゼ様は火山も初めてでしょう。今は夏ですが山は寒いのでよく準備しなければなりませんから」

ゼクス様とお出かけ。もちろん行きます。でも内容はどちらかというと仕事よね。これはどうなの?ゼクス様は私の事、意識してくれてるの?それとも聖女だから優しくしてくれるの?わからないわ。ただ、一緒にいられるのは嬉しい。

「是非、私じゃ分からないことが多いですから、ありがたいです」

「では、後日手紙を出しますね」

舞踏会は最後は楽しく終わることが出来た。次、デートだと思ってもいいよね。












 
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