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42.ダイヤモンドとナイフ
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本日は聖女お披露目の日だ。控え室で早口デザイナーによる素晴らしいドレスに身を包み、時間まで待機する。
「緊張するわ……紹介されてるだけで、特にやることないんだけど、注目が集まるのって……緊張するわ」
何度も、緊張すると言いながら鏡を見たり、ドリンクを飲んだりと忙しない。本当はウロウロしたいけど、ドレスに何かあった困るから何もできない。
「お嬢様、ゼクス様がいらっしゃいました」
「ゼクスが?中に入ってもらって」
ゼクスが部屋に入ってくる。今日は正装の騎士服ですごくカッコいい。
「エリーゼ、そのドレスとても似合っている。とても綺麗だ」
「……ありがとうございます。ゼクスもとても素敵よ」
「お披露目までまだ時間があるから寄ったんだ。少し話いいかな?」
「ええ、もちろん」
アニタや数名のメイドに外に出てもらう。
「お話しとは……えっ……」
ゼクスは近くに来て跪く。小さな箱を取り出してた。中にはダイヤモンドが入っていた。キラキラして綺麗。
「エリーゼ、愛しています。私と結婚して欲しい」
びっくりして叫ぶかと思った。まだ付き合って日が浅いのにとか婚約もまだなのにとか色々頭をよぎる。驚いてるのに妙に冷静な部分ある。
「……だめ、かな!」
無言でいるとゼクスが上目遣いでおずおずとこちらをうかがってくる。何それ可愛い。
「喜んで、よろしくお願いしますわ」
「ありがとう。よかった。この指輪をはめさせてくれ」
ダイヤモンドの指輪をつけてくれる。部屋の明かりに照らされ光っている。
「どうしても聖女のお披露目前に渡したかったんだ。エリーゼの横には私がいるんだと見せつけたかったんだ」
「嬉しいわ…素敵な指輪ありがとう」
「婚約の前に結婚を申し込んでしまったな。お披露目が終わったらすぐに婚約して、結婚しよう」
「ゼクスったらせっかちね」
「エリーゼを他の奴に取られるかもしれないならせっかちにもなるさ」
「私にはあなただけですわ」
ゼクスと見つめあって自然と唇を重ねた。ほどなくしてドアがノックされ、アニタにお披露目の時間が近づいてきたと知らされる。
「私がエスコートします。エリーゼ、お手をどうぞ」
ゼクスの手を取り長い廊下を歩く。会場に人が集まっているせいか、この辺はとても静かだった。
歩いているといきなり部屋のドアが開いてクララ嬢が出てきた。フラフラしているかと思ったが、こちらを見ると素早く駆け寄ってきた。
「?クララ嬢、どうされまし……」
「あなたさえ居なければぁぁぁぁぁぁ!!」
ナイフを持って突進をしてきた。咄嗟のことで動けず固まっているとゼクスが剣を抜き、ナイフを弾いた。
そのままクララ嬢を拘束し床に押し付ける。
「衛兵!!!衛兵!!!」
幸い人が多く居たのですぐに人が集まりクララ嬢は王宮警備隊の人間に渡され縄をかけられた。その最中もクララ嬢は口汚い言葉を喋っていた。クララ嬢とは接点がほぼないのになんで恨まれなきゃならないのよ。
「エリーゼ、ケガはありませんでしたか」
「私は大丈夫。ゼクスが守ってくださいましたから」
ゼクスはほっと息を吐いた。
「なんでその女だけ上手くいくのよ。ルーファスもゼクスも…私にも分けなさいよ、何が聖女よ。ずるいわよ。」
「ずるいって言われても、そもそも私、貴方の事なんて、ほぼ知らないわよ」
ルーファスの浮気相手ってことしか知らない。呆れたように言うと、クララ嬢は絶叫して暴れた。逆恨みもいいところだわ。
「あの令嬢に関しては王宮警備隊に任せましょう。本当なら部屋に戻って休んでもらいたいが、お披露目がある。行けますか?」
「はい。問題ありませんわ」
再びゼクスのエスコートと何人かの警備隊員の一緒に会場のドアの前に準備する。
「思わぬ出来事があったけど、お披露目だがんばってくれ」
ゼクスが優しく微笑んでくれる。さっきの出来事は忘れてこれからの事を考えなきゃ。緊張するわ。
「緊張するわ……紹介されてるだけで、特にやることないんだけど、注目が集まるのって……緊張するわ」
何度も、緊張すると言いながら鏡を見たり、ドリンクを飲んだりと忙しない。本当はウロウロしたいけど、ドレスに何かあった困るから何もできない。
「お嬢様、ゼクス様がいらっしゃいました」
「ゼクスが?中に入ってもらって」
ゼクスが部屋に入ってくる。今日は正装の騎士服ですごくカッコいい。
「エリーゼ、そのドレスとても似合っている。とても綺麗だ」
「……ありがとうございます。ゼクスもとても素敵よ」
「お披露目までまだ時間があるから寄ったんだ。少し話いいかな?」
「ええ、もちろん」
アニタや数名のメイドに外に出てもらう。
「お話しとは……えっ……」
ゼクスは近くに来て跪く。小さな箱を取り出してた。中にはダイヤモンドが入っていた。キラキラして綺麗。
「エリーゼ、愛しています。私と結婚して欲しい」
びっくりして叫ぶかと思った。まだ付き合って日が浅いのにとか婚約もまだなのにとか色々頭をよぎる。驚いてるのに妙に冷静な部分ある。
「……だめ、かな!」
無言でいるとゼクスが上目遣いでおずおずとこちらをうかがってくる。何それ可愛い。
「喜んで、よろしくお願いしますわ」
「ありがとう。よかった。この指輪をはめさせてくれ」
ダイヤモンドの指輪をつけてくれる。部屋の明かりに照らされ光っている。
「どうしても聖女のお披露目前に渡したかったんだ。エリーゼの横には私がいるんだと見せつけたかったんだ」
「嬉しいわ…素敵な指輪ありがとう」
「婚約の前に結婚を申し込んでしまったな。お披露目が終わったらすぐに婚約して、結婚しよう」
「ゼクスったらせっかちね」
「エリーゼを他の奴に取られるかもしれないならせっかちにもなるさ」
「私にはあなただけですわ」
ゼクスと見つめあって自然と唇を重ねた。ほどなくしてドアがノックされ、アニタにお披露目の時間が近づいてきたと知らされる。
「私がエスコートします。エリーゼ、お手をどうぞ」
ゼクスの手を取り長い廊下を歩く。会場に人が集まっているせいか、この辺はとても静かだった。
歩いているといきなり部屋のドアが開いてクララ嬢が出てきた。フラフラしているかと思ったが、こちらを見ると素早く駆け寄ってきた。
「?クララ嬢、どうされまし……」
「あなたさえ居なければぁぁぁぁぁぁ!!」
ナイフを持って突進をしてきた。咄嗟のことで動けず固まっているとゼクスが剣を抜き、ナイフを弾いた。
そのままクララ嬢を拘束し床に押し付ける。
「衛兵!!!衛兵!!!」
幸い人が多く居たのですぐに人が集まりクララ嬢は王宮警備隊の人間に渡され縄をかけられた。その最中もクララ嬢は口汚い言葉を喋っていた。クララ嬢とは接点がほぼないのになんで恨まれなきゃならないのよ。
「エリーゼ、ケガはありませんでしたか」
「私は大丈夫。ゼクスが守ってくださいましたから」
ゼクスはほっと息を吐いた。
「なんでその女だけ上手くいくのよ。ルーファスもゼクスも…私にも分けなさいよ、何が聖女よ。ずるいわよ。」
「ずるいって言われても、そもそも私、貴方の事なんて、ほぼ知らないわよ」
ルーファスの浮気相手ってことしか知らない。呆れたように言うと、クララ嬢は絶叫して暴れた。逆恨みもいいところだわ。
「あの令嬢に関しては王宮警備隊に任せましょう。本当なら部屋に戻って休んでもらいたいが、お披露目がある。行けますか?」
「はい。問題ありませんわ」
再びゼクスのエスコートと何人かの警備隊員の一緒に会場のドアの前に準備する。
「思わぬ出来事があったけど、お披露目だがんばってくれ」
ゼクスが優しく微笑んでくれる。さっきの出来事は忘れてこれからの事を考えなきゃ。緊張するわ。
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