9 / 9
8th-contact
しおりを挟む
しとしとと雨の降りしきる5月。
僕達は、まず最初の試練に直面した。
「なあ、篠田」
「何、海堂くん?」
「定期考査って、何?」
何って、そりゃあ
「これまで勉強した分の、総復習みたいなものかな」
「なんでそんなに呑気なんだよ!」
教室に怒号が響きわたる。僕はすぐそばにいたのだから尚更耳に良くない。
「だって、授業聞いていれば落とすこともないから」
途端にガバッと飛び起きる。
「お?なんだよお前自慢かよ!真剣にこの問題に向き合ってる俺の努力は無駄ってか?!」
「努力するのはいいと思うよ。僕もこの時期頑張るから」
そしてまた机に突っ伏してしまった。
試練とは言ってもあまり苦でもないし、復習を欠かさなければ分からないなんてこともない。
「あーあ。いいよなぁ、お前は呑気で。顔もいいし、運動はできるし、頭良いし」
「ただ人並みに出来るだけだよ」
正直言って、僕には運動や勉強の基準は分からない。
いつも最低七十点は取ったりするし、運動もそんなに秀でてはいないと思う。いつも体育では海堂くんに負けてるし。
「何話してるの?」
定期考査の話中に、小堀さんがやってきた。
「小堀さん、定期考査の事をちょっとね」
「そう言えば模擬試験の時とかは、りっくんいつも五位以内だったね」
「ご、五位以内?!」
「あはは、昔のことだけどね」
なにか恐ろしいものを見るような目でこっちを見てくる。
「お前は人間じゃねぇ」
「なにそれ酷い!」
✲✲✲
梅雨は毛が跳ねてあまり好きじゃないけど、こうやって賑やかに話せるのは好きだ。いつも落ち着いたりっくんはこの時期になると子供のようになって可愛いのだ。
「そうだりっくん」
「どうしたの?」
「定期考査が終わったら、一緒にお出かけがしたくて。いい、かな」
二日くらい前から言おうと思って言えなかった、デートに誘ってみることにした。
「……実は僕も、誘おうと思ってて。なかなか言い出せないままになっちゃって」
「そうだったんだ」
じゃあ答えは
「休みの日にでも、一緒に行こうか」
いつの間にか、手が熱かった。
握られていることに気づいて、私は返事するようにそっと手を握り返した。
僕達は、まず最初の試練に直面した。
「なあ、篠田」
「何、海堂くん?」
「定期考査って、何?」
何って、そりゃあ
「これまで勉強した分の、総復習みたいなものかな」
「なんでそんなに呑気なんだよ!」
教室に怒号が響きわたる。僕はすぐそばにいたのだから尚更耳に良くない。
「だって、授業聞いていれば落とすこともないから」
途端にガバッと飛び起きる。
「お?なんだよお前自慢かよ!真剣にこの問題に向き合ってる俺の努力は無駄ってか?!」
「努力するのはいいと思うよ。僕もこの時期頑張るから」
そしてまた机に突っ伏してしまった。
試練とは言ってもあまり苦でもないし、復習を欠かさなければ分からないなんてこともない。
「あーあ。いいよなぁ、お前は呑気で。顔もいいし、運動はできるし、頭良いし」
「ただ人並みに出来るだけだよ」
正直言って、僕には運動や勉強の基準は分からない。
いつも最低七十点は取ったりするし、運動もそんなに秀でてはいないと思う。いつも体育では海堂くんに負けてるし。
「何話してるの?」
定期考査の話中に、小堀さんがやってきた。
「小堀さん、定期考査の事をちょっとね」
「そう言えば模擬試験の時とかは、りっくんいつも五位以内だったね」
「ご、五位以内?!」
「あはは、昔のことだけどね」
なにか恐ろしいものを見るような目でこっちを見てくる。
「お前は人間じゃねぇ」
「なにそれ酷い!」
✲✲✲
梅雨は毛が跳ねてあまり好きじゃないけど、こうやって賑やかに話せるのは好きだ。いつも落ち着いたりっくんはこの時期になると子供のようになって可愛いのだ。
「そうだりっくん」
「どうしたの?」
「定期考査が終わったら、一緒にお出かけがしたくて。いい、かな」
二日くらい前から言おうと思って言えなかった、デートに誘ってみることにした。
「……実は僕も、誘おうと思ってて。なかなか言い出せないままになっちゃって」
「そうだったんだ」
じゃあ答えは
「休みの日にでも、一緒に行こうか」
いつの間にか、手が熱かった。
握られていることに気づいて、私は返事するようにそっと手を握り返した。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる