二度目の生き方を探してく

嬉野 巧

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努力の先に何を見る

先人の知恵

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「魔法ってどうやれば上手くなる? というか、どういう人が上手いとされるの?」


 俺がそう尋ねると、家主のソリッドは黙り込んでしまった。そのまま俺を客室に通し、パチパチとはじける炭酸水を透明なグラスで出してくれた。


「上手いと言われるのはそりゃ、色々出来る奴だったね。生活に役立てば役立つほど有能だった」


 うん、と相づちを打ちストローで炭酸水を飲む。強めの刺激で頭がさえる気がした。


「ただ、肝心なのはどうすりゃってとこだろう? 私はねぇ……私は~気づいたら出来てたってのは無益だろう……?」


 うーんとうなりながら彼女は空中にイルカを浮かび上がらせた。正確にはイルカの形をした水の輪っかだろうか。


「すげー、どうやってんの?」


「やり方は水を出して場所を固定する、それだけさ。形は私のセンスだね」


 で、とソリッドは続けた。


「こいつは小童どもに向けて作ったもんでね。どうすりゃ目を輝かせられるかって考え抜いたもんさ」


「俺は見た覚えないけど~?」


「あんたは本読むのが好きだったろ。遊びに来たって暇を持て余してじゃれついたりしなかった。だからさ」


「そっか、そうだったね」


 キラキラと光るイルカをきれいだなーと眺めながら、思っていたより昔の自分は余裕が無かったのかなと考える。必要だっただけで、本が好きだと感じたことはなかったのを思い出した。


「外へ出て変わったかい。ここは狭いからね」


「うーん」


 何にどう答えるか思いつかずにいると、彼女は「まあいいさ」と笑った。


「何がやりたいか? そのために自分の出来ることをどう使えばいいのか、考えて色々試すのが一番さ。少なくとも魔法の使い方は上手くなる。出来ないことは出来やしないけどね」


 小さな仕掛けがくるくる回って風を起こしているこの家で、俺は彼女の話に頷いた。
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