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努力の先に何を見る
シンガイ商会へ
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三日ほど滞在して、俺は一旦実家に別れを告げた。手土産にと丁寧に包んだ花の種を両親から受け取り、コルアからはツタを編んだアクセサリーを受けとった。
「これもショウカに?」
「違います! 兄さんにですよ。まだ未完成なので、帰ってきたときに魔法で仕上げますから」
ちゃんと持って帰ってきてくださいね、とコルアは俺の担いだカバンにそれをくくりつけた。双葉をかたどっていて派手さはないが味がある。このままでもいいけどな、と思ったが弟の思いをくんで頷いた。
「じゃ!」
家から離れ、通りに出たところで乗合馬車を待つ。見覚えのある顔も乗って農地を通り過ぎていくと、いくつかの店が集まる場所に止まった。そこから別の馬車に乗り換えて一眠りすると、窓枠の外は建物と人に溢れていた。都会っぽさで言えば学校らへんと変わらないが、落ち着いた雰囲気で会釈がかわされる学校付近に比べると賑やかな音に溢れて活気があるといえそうだ。
「ありがとうございましたー」
運転手に軽く礼をして降りる。乗り場に設置された箱に硬貨を入れ、俺は近くに見える大きな案内板に向かった。それによると円状に道が作られていて、縁に沿って店がびっしりと並んでいるようだ。
「シンガイ商会……」
「ここをお探し?」
後ろからスッと指が伸びてきた箇所には、たしかにシンガイ商会とあった。俺が振り返ると、ショウカが上からのぞき込むようにしながら笑った。学校で会うより一段背が高い気がするうえ、ジャケットを羽織りシルバーの耳飾りをつけている。
「お、おぉう……」
「お客様を案内しよう。こちらへどうぞ」
「お……? う、うん」
口調もなんだか違う気がするが、顔立ちも声もショウカだ。そもそも迷い無く俺に声をかけてきた時点で顔見知りなのは間違いないと思う。少し通りを外れたところで俺はつい尋ねた。
「え、ショウカだよな?」
「フッ」彼女は吹き出すように笑った。
「いやだね、そうだよ! 格好が違うとそこまで変わるかい?」
パシパシと背中を叩かれて、俺は確証が持てた。背が高かったのはヒールのある靴を履いているからだと今になって気がつく。
「大分違うよ! なんていうか、格が高い感じする」
「それはなにより!」
ピシッと背筋の伸びた彼女に連れられて、俺は中心部から離れた住宅街に着いた。「どうぞ」と通されたのは緑が各所に配色された穏やかな雰囲気の家だった。
屏風が飾られた客間に通されて腰を下ろすと、すぐさま香りのいいお茶が運ばれてきた。彼らに「ありがとう」と声をかけてショウカも向かいに座った。
「花みたいな匂いがするな」
「アタシの一押し」
どう? と聞かれたので「落ち着く」と答えた。涼しい室内で温かなお茶をすすっているとボーッとしていたい気持ちが湧いてくるが、姿勢良く座るショウカを見て思い直す。
「てか、俺アルバイトに来たんだけどもてなされてない?」
「これぐらい、友人が尋ねてきたら当然さ。働いてくれた暁にはキチンと相応のもてなしが待ってる」
仕事の前に俺はしばらく泊まらせてもらう部屋へ案内を受けた。荷物を置くと、いよいよショウカが仕事場へ連れて行くと言い俺を連れて家を出た。
「これもショウカに?」
「違います! 兄さんにですよ。まだ未完成なので、帰ってきたときに魔法で仕上げますから」
ちゃんと持って帰ってきてくださいね、とコルアは俺の担いだカバンにそれをくくりつけた。双葉をかたどっていて派手さはないが味がある。このままでもいいけどな、と思ったが弟の思いをくんで頷いた。
「じゃ!」
家から離れ、通りに出たところで乗合馬車を待つ。見覚えのある顔も乗って農地を通り過ぎていくと、いくつかの店が集まる場所に止まった。そこから別の馬車に乗り換えて一眠りすると、窓枠の外は建物と人に溢れていた。都会っぽさで言えば学校らへんと変わらないが、落ち着いた雰囲気で会釈がかわされる学校付近に比べると賑やかな音に溢れて活気があるといえそうだ。
「ありがとうございましたー」
運転手に軽く礼をして降りる。乗り場に設置された箱に硬貨を入れ、俺は近くに見える大きな案内板に向かった。それによると円状に道が作られていて、縁に沿って店がびっしりと並んでいるようだ。
「シンガイ商会……」
「ここをお探し?」
後ろからスッと指が伸びてきた箇所には、たしかにシンガイ商会とあった。俺が振り返ると、ショウカが上からのぞき込むようにしながら笑った。学校で会うより一段背が高い気がするうえ、ジャケットを羽織りシルバーの耳飾りをつけている。
「お、おぉう……」
「お客様を案内しよう。こちらへどうぞ」
「お……? う、うん」
口調もなんだか違う気がするが、顔立ちも声もショウカだ。そもそも迷い無く俺に声をかけてきた時点で顔見知りなのは間違いないと思う。少し通りを外れたところで俺はつい尋ねた。
「え、ショウカだよな?」
「フッ」彼女は吹き出すように笑った。
「いやだね、そうだよ! 格好が違うとそこまで変わるかい?」
パシパシと背中を叩かれて、俺は確証が持てた。背が高かったのはヒールのある靴を履いているからだと今になって気がつく。
「大分違うよ! なんていうか、格が高い感じする」
「それはなにより!」
ピシッと背筋の伸びた彼女に連れられて、俺は中心部から離れた住宅街に着いた。「どうぞ」と通されたのは緑が各所に配色された穏やかな雰囲気の家だった。
屏風が飾られた客間に通されて腰を下ろすと、すぐさま香りのいいお茶が運ばれてきた。彼らに「ありがとう」と声をかけてショウカも向かいに座った。
「花みたいな匂いがするな」
「アタシの一押し」
どう? と聞かれたので「落ち着く」と答えた。涼しい室内で温かなお茶をすすっているとボーッとしていたい気持ちが湧いてくるが、姿勢良く座るショウカを見て思い直す。
「てか、俺アルバイトに来たんだけどもてなされてない?」
「これぐらい、友人が尋ねてきたら当然さ。働いてくれた暁にはキチンと相応のもてなしが待ってる」
仕事の前に俺はしばらく泊まらせてもらう部屋へ案内を受けた。荷物を置くと、いよいよショウカが仕事場へ連れて行くと言い俺を連れて家を出た。
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