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【第10話】聖者も交わるカボチャパーティー
【10-17】
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「オピテル様はぁぁぁ、本当でしたら魔の者のアタクシなんかと会話を交わしたりされないはずだったのですけどぉぉぉ、アタクシがお仕事で失敗しちゃったときに庇ってくださったのがキッカケでぇぇぇ、お話していただくようになったのですぅぅぅ」
うっとりとした顔で語り始めたセレーナさんに対し、魔王と悪魔たちは各々で複雑そうな表情を浮かべつつも、余計な言葉を挟むことはせずに、とりあえず話を聞くことを優先するつもりのようだ。
ノヴァユエがカミュの隣の席に座ると、赤い悪魔は少し眉を顰めたものの、特に咎めることはしない。ノヴァユエはそれが嬉しかったのか、ニヤニヤと笑いつつマイペースに焼菓子に手を伸ばした。ジルとカミュもそれぞれ小さく「いただきます」と呟いてから、お茶とお菓子を楽しみ始める。
そんな中、セレーナさんの話はのんびりと進んでいった。
「アタクシみたいな出来損ないの悪魔は難しいお仕事は任されませんのでぇぇぇ、そんなに助けていただく必要も心配していただく必要も無いのですけれどもぉぉぉ、それでもオピテル様は優しくしてくださってぇぇぇ……、アタクシが聖地の近くの交易場まで行く度に話し掛けてくださってぇぇぇ……」
「その、交易場……? っていう所では、聖なる者と魔の者は仕事上の必要最低限の会話しかしないのが普通なのに、オピテルさんはセレーナさんに話し掛けてきて、一緒に雑談をしていた、ってことかな?」
「はひぃぃぃ! そうなんですぅぅぅ」
セレーナさんは嬉しそうに笑って何度もコクコクと頷き、離れた窓辺で並んでいるクックとポッポも真似をしてカクカクと首を振った。セレーナさんはマッ茶を一口飲んでから、続きを語り始める。
「聖なる者の方々はぁぁぁ、皆様ふわふわしていらして可愛らしいですしぃぃぃ、アタクシなんて魔の者の中でも最底辺の外見だというのにオピテル様は可愛いなんて言ってくださってぇぇぇ」
「うん……? セレーナさんは可愛いって僕も思うよ」
「えええぇぇぇ!? ダ、ダメですぅぅぅミカ様ぁぁぁ! ア、アタクシにはオピテル様という心に決めた御方がぁぁぁ」
「えっ? う、うん……、それは分かってるけど……?」
お世辞ではなく、セレーナさんは可愛らしい顔立ちをしていると思う。だから素直にそう言っただけなのだけれど──何かまずかっただろうか。助けを求めてカミュを見つめると、彼は苦笑と共に口を開いた。
「ミカさん、彼女はあの通りですから、セレーナ自身のことに言及すると話が進まなくなる恐れがあります。そして、彼女に話の進行役を任せたままにしておくと、上手く進んでいかない可能性も高くなるかと。──というわけでセレーナ、私が気になったことを尋ねさせてもらいますね。今、貴方は、オピテル殿について『心に決めた御方』と言っておりましたが、それはつまり、人間で云うところの結婚相手として彼のことを認識しているということなのですか?」
「そ、それはぁぁぁ、……はひぃぃぃ、そうなのですぅぅぅ」
セレーナさんは一瞬だけ言葉を詰まらせて戸惑っていたけれども、意外とすぐに肯定した。それにはカミュも少し驚いたのか、彼にしてはちょっと可愛らしい表情で赤い目を瞬かせている。ジルは真顔のまま黙々とお菓子を食べ続け、ノヴァユエはニヤニヤしながらお菓子を食べ続けていた。
皆の注目を集めているのが恥ずかしいのか、セレーナさんは少しだけモジモジしながらも、それでも懸命に言い募った。
「カマルティユ兄様の、……そしてたぶんノヴァユエ兄様も。兄様たちが仰りたいことは、分かるのですぅぅぅ。アタクシたちは聖なる者の方々とは本来関わり合いになるはずのない存在ですしぃぃぃ、家族っていう集団を形成する種族でもないですからぁぁぁ。……で、でもぉぉぉ、アタクシは……、アタクシはぁぁぁ、オピテル様と一緒にたくさんお話をして、たくさん大好きになりましてぇぇぇ、オピテル様のお話を聞く限り、それはつまり愛しているということのようでしてぇぇぇ、聖なる者の方々は愛し合っている相手との間にすぐ新しい生命を創り出せるとのことでぇぇぇ、そ、それで、つまりぃぃぃ……、アタクシ、きっと、子どもが出来たと思うのですぅぅぅ」
──来た。いよいよ、核心に迫るときが来た。
誰がどう話を進めるかセレーナさん以外の全員で視線を交わし合い、その結果、その役目を引き受けたのは──ジルだった。
うっとりとした顔で語り始めたセレーナさんに対し、魔王と悪魔たちは各々で複雑そうな表情を浮かべつつも、余計な言葉を挟むことはせずに、とりあえず話を聞くことを優先するつもりのようだ。
ノヴァユエがカミュの隣の席に座ると、赤い悪魔は少し眉を顰めたものの、特に咎めることはしない。ノヴァユエはそれが嬉しかったのか、ニヤニヤと笑いつつマイペースに焼菓子に手を伸ばした。ジルとカミュもそれぞれ小さく「いただきます」と呟いてから、お茶とお菓子を楽しみ始める。
そんな中、セレーナさんの話はのんびりと進んでいった。
「アタクシみたいな出来損ないの悪魔は難しいお仕事は任されませんのでぇぇぇ、そんなに助けていただく必要も心配していただく必要も無いのですけれどもぉぉぉ、それでもオピテル様は優しくしてくださってぇぇぇ……、アタクシが聖地の近くの交易場まで行く度に話し掛けてくださってぇぇぇ……」
「その、交易場……? っていう所では、聖なる者と魔の者は仕事上の必要最低限の会話しかしないのが普通なのに、オピテルさんはセレーナさんに話し掛けてきて、一緒に雑談をしていた、ってことかな?」
「はひぃぃぃ! そうなんですぅぅぅ」
セレーナさんは嬉しそうに笑って何度もコクコクと頷き、離れた窓辺で並んでいるクックとポッポも真似をしてカクカクと首を振った。セレーナさんはマッ茶を一口飲んでから、続きを語り始める。
「聖なる者の方々はぁぁぁ、皆様ふわふわしていらして可愛らしいですしぃぃぃ、アタクシなんて魔の者の中でも最底辺の外見だというのにオピテル様は可愛いなんて言ってくださってぇぇぇ」
「うん……? セレーナさんは可愛いって僕も思うよ」
「えええぇぇぇ!? ダ、ダメですぅぅぅミカ様ぁぁぁ! ア、アタクシにはオピテル様という心に決めた御方がぁぁぁ」
「えっ? う、うん……、それは分かってるけど……?」
お世辞ではなく、セレーナさんは可愛らしい顔立ちをしていると思う。だから素直にそう言っただけなのだけれど──何かまずかっただろうか。助けを求めてカミュを見つめると、彼は苦笑と共に口を開いた。
「ミカさん、彼女はあの通りですから、セレーナ自身のことに言及すると話が進まなくなる恐れがあります。そして、彼女に話の進行役を任せたままにしておくと、上手く進んでいかない可能性も高くなるかと。──というわけでセレーナ、私が気になったことを尋ねさせてもらいますね。今、貴方は、オピテル殿について『心に決めた御方』と言っておりましたが、それはつまり、人間で云うところの結婚相手として彼のことを認識しているということなのですか?」
「そ、それはぁぁぁ、……はひぃぃぃ、そうなのですぅぅぅ」
セレーナさんは一瞬だけ言葉を詰まらせて戸惑っていたけれども、意外とすぐに肯定した。それにはカミュも少し驚いたのか、彼にしてはちょっと可愛らしい表情で赤い目を瞬かせている。ジルは真顔のまま黙々とお菓子を食べ続け、ノヴァユエはニヤニヤしながらお菓子を食べ続けていた。
皆の注目を集めているのが恥ずかしいのか、セレーナさんは少しだけモジモジしながらも、それでも懸命に言い募った。
「カマルティユ兄様の、……そしてたぶんノヴァユエ兄様も。兄様たちが仰りたいことは、分かるのですぅぅぅ。アタクシたちは聖なる者の方々とは本来関わり合いになるはずのない存在ですしぃぃぃ、家族っていう集団を形成する種族でもないですからぁぁぁ。……で、でもぉぉぉ、アタクシは……、アタクシはぁぁぁ、オピテル様と一緒にたくさんお話をして、たくさん大好きになりましてぇぇぇ、オピテル様のお話を聞く限り、それはつまり愛しているということのようでしてぇぇぇ、聖なる者の方々は愛し合っている相手との間にすぐ新しい生命を創り出せるとのことでぇぇぇ、そ、それで、つまりぃぃぃ……、アタクシ、きっと、子どもが出来たと思うのですぅぅぅ」
──来た。いよいよ、核心に迫るときが来た。
誰がどう話を進めるかセレーナさん以外の全員で視線を交わし合い、その結果、その役目を引き受けたのは──ジルだった。
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