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その後
――ローワン王国、漆黒の森に面している街
特設の舞台右側にはローワン王国の国王や貴族、勇者パーティメンバーだったカメルやルドルフがいて、左側にはフォゼッタ王国の国王やフォンデルク領の当主やエドガーがいる。
フォゼッタ王国国王が司会に促されて、中央に進み演説を始めた。
「ここ数年色々な苦難があっただろう。魔物の発生量増加に始まり、スタンピートの発生、未開のダンジョン発見、ダンジョンの停滞期化、両国で発生したスタンピート、ドラゴンの出現。
この場にいる者たちをはじめ、皆協力して苦難を乗り越えた事、誠に感謝する。
君達のおかげで、今こうした平和が切り開かれているのである。
また、志半ばで倒れてしまった友もいると聞く。その尊い犠牲を無駄にせず後世につなげていくのが、残った我々の役目だ」
会場のあちこちからすすり泣きが聞こえる。
「我々は犠牲を糧に前に進んで行かなければならない。ただ、前に進む前に今一度、尽力してくれた友に追悼の意を捧げよう。
そして、今回の一番の功労者であるリューイ・フォンデルクにも感謝の意を。
ここには居ない彼の為にも、皆でダンジョンを盛り上げていこう。ここにダンジョン解放を宣言する」
ワーと歓声が上がる。
今迄許可のあったパーティしか入れなかった漆黒の森のダンジョンが一般にも解放されるのだ。
その一般開放式典が今日で、ローワン王国とフォゼッタ王国の主要人物やスタンピートやダンジョン探索に深く関わった者達が集まっていた。
因みに、一般開放に伴い、ローワン王国の一部地域とフォゼッタ王国の中立地帯として、どちらの国でもない扱いとなった。
一種の独立地帯である。ただ、範囲はダンジョンとその周りの地域のみの為、一国となる程ではない。
エドガーは舞台から、町並みを見下ろしていた。
今は式典の為、色々な屋台が広場に出店されている。
元々ここは人はまばらだったが、ダンジョン一般開放と同時にこれからもっと栄えていくだろう。
「あいつも来たかっただろうなぁ」
エドガーは澄み切った空へ視線を向けた。
***
――ルミナス村の屋敷の庭
「おーれーもー、こっそり行きたかったー」
「リューイはまだダメだ」
「だって傷は塞がったよ!」
「まだ痛むんだろう?」
「むー」
「可愛い顔をしてもダメだ」
車椅子に乗って駄々を捏ねている俺の前に顔を近付けるとシルバリウスは優しくキスをした。
「そろそろ陽が落ちるから部屋へ戻ろう」
シルバリウスは言うと、俺の車椅子を引いて部屋に戻って行った。
ドラゴン戦の後の話だが、取り敢えず色々大変だったらしい。
俺は出血多量で意識喪失。
傷は中々塞がらず本当にヤバかった所で、おぼえているだろうか?
スタンピート直前に応援を呼びに行った人達が居たのを。
第一陣として決して多くはないが騎士と医療団が到着したのだ。
取り敢えず、俺は国賓対応で医療団総出で治療されていたらしい。
……1週間必ず2人以上が治癒の魔法をかけ続ける24時間体制だったらしい。
何とか命の危機は脱したものの、聖剣の傷は中々治らず、気がつくと閉じた傷がまた開いているのである。
2ヶ月経った今やっと傷が閉じたらしいのだが、痛みは残っているし、激しい運動をするとまた開いてしまう可能性もあるという事で、未だ安静にしつつ車椅子生活を送っている。
俺はそんな状態だったが、もちろんフォゼッタ王国側は真相を知り激怒。
戦争妙読みか!? と危ぶまれたが、元々は始まりのスタンピートにびびって勇者召喚した国である。
虚勢が続く事はなく、早々に折れた。
その中にはスタンピート直後にも関わらず俺の父親が特使として直接ローワン王国国王の元へ乗り込んで言葉責め、威圧責めを行ったのも大きかったそうな。
結局フォゼッタ王国に有利な条件でダンジョン周りは整ってきているそうだ。
そして、スタンピートやらダンジョン停滞化や脅威になりそうだった勇者の無力化全てに俺が関わっていて、父親からも”流石にお前の功績をこれ以上は誤魔化せん”と言われた。
ならば、簡単には手が出せないようにしようと、今までのフォンデルク領のダンジョン貢献や始まりのスタンピートでの裏方等もフォゼッタ王国国王へ報告。
一地方の、一時期は死にそうだった成人したばかりの俺に対して、”信じられない”など懐疑的な発言をする者が多く、叙爵するのも褒章も反対する者は多かったが、スチュアートの証拠資料や証言資料等が的確で、サスケの何処から持ってきたか不明な不正取引などの裏情報? もとても役に立ち? 傷の治療後シルバリウスと結婚したら、うちの辺境伯爵の爵位とは別の新しい辺境伯爵位をもらう事になるばかりかダンジョンの運営権、ダンジョンがある地域の中立地帯の領地が俺の領地になることになった。
……スケールがでかいよね。
って言ったら、スチュアートに”ぼっちゃまの功績に比べたら少ないものです”とさも当然というような雰囲気で言っていたよ。
まぁ、これには俺とシルバリウスをフォゼッタ王国に繋ぎ止める役割と、独立自治体となったとは言え、そこのトップはフォゼッタ王国の者である事でどちらの国が主体となっているか示すことにも繋がるだろう。
それに中立地帯は二国に跨っていて、どちらかの名もない貴族が統治して民に反乱を起こされてはたまらない。
それならば民に人気のある勇者パーティか新ダンジョン停滞化へ尽力した俺達の方が良いのではないかとなり、フォゼッタ王国が圧力をかけた結果俺達になったらしい。(ここ辺りはサスケ調べの裏情報より)
ひっそり自由に生きるという願いは叶わなそうだが、俺はシルバリウスと穏やかな人生が過ごせれば他は多少想定とは違っても問題ないのだ。
部屋に着くと、シルバリウスはそっと車椅子から俺を抱き上げベッドへ横たえさせる。
「大丈夫か?」
「うん」
あまりにもそおっと、動かすものだから思わず笑ってしまう。
因みに、シルバリウスは言うまでもなくまた過保護になった。
まぁ、前回もそうだったしなぁと思っているが、2ヶ月経った今もべったりだ。
離れ離れの半年から、やっと会えたと思ったら俺の生死問題……確かにトラウマになりそうだ。
だからなのかは不明だが、気が付けば体のどこかしらは必ずくっ付いていて、ちょっぴり可愛いと思ってしまう今日この頃。
あと勇者については、この国も引き渡し要求をしていたらしいが(主に父親やエドガー辺りが)俺がそこまで勇者に何かして欲しいこともないので、ローワン王国側の処罰に任せている。
国王にも楯突き、隣国との関係も壊した元凶である為、処刑されるべきという意見は多いだろうが、イベントではあったが勇者パーティに救済された村や町は多くあり民達には人気なのだ。
それを処刑したとなれば、民たちが黙っていないだろう。
それをどう扱うか今頃国王は悩まされているだろうが、ローワン王国にとっても良い薬になったのではないだろうか。
そんなこんなで俺自身は現在割とのんびりしているが周りは目まぐるしく変わっている。
俺の傷が良くなり次第結婚式もする為、徐々にだが打ち合わせも入ってきているが、過保護なシルバリウスが無理はさせない。
「ヴィー、こっちにきて」
片付けをしていたシルバリウスを呼び、腰掛けていたベッドサイドをポンポンと叩く。
シルバリウスがすぐに寄ってきて
「どうした?」
と聞くので、じっと見つめると。
シルバリウスは優しく微笑み、俺の唇にシルバリウスの唇を重ねた。
舌で唇をこじ開けられ、そっと中に侵入して舌で軽く絡ませると、シルバリウスはなれていった。
……めっちゃエロい。
唇が濡れたシルバリウス。
その微笑みは艶がのっていて色気がヤバイ!
鼻血出てないよね?
たまに昏くなるような目をするものの、最近はやっと前みたいに表情筋が仕事をして微笑みを見せるようになったのだ。
そのシルバリウスの笑顔を守りたいと思う。
まだまだベッドとお友達な貧弱モブの俺だけど、今後のシルバリウスの幸せを一番近くで見届けます!
特設の舞台右側にはローワン王国の国王や貴族、勇者パーティメンバーだったカメルやルドルフがいて、左側にはフォゼッタ王国の国王やフォンデルク領の当主やエドガーがいる。
フォゼッタ王国国王が司会に促されて、中央に進み演説を始めた。
「ここ数年色々な苦難があっただろう。魔物の発生量増加に始まり、スタンピートの発生、未開のダンジョン発見、ダンジョンの停滞期化、両国で発生したスタンピート、ドラゴンの出現。
この場にいる者たちをはじめ、皆協力して苦難を乗り越えた事、誠に感謝する。
君達のおかげで、今こうした平和が切り開かれているのである。
また、志半ばで倒れてしまった友もいると聞く。その尊い犠牲を無駄にせず後世につなげていくのが、残った我々の役目だ」
会場のあちこちからすすり泣きが聞こえる。
「我々は犠牲を糧に前に進んで行かなければならない。ただ、前に進む前に今一度、尽力してくれた友に追悼の意を捧げよう。
そして、今回の一番の功労者であるリューイ・フォンデルクにも感謝の意を。
ここには居ない彼の為にも、皆でダンジョンを盛り上げていこう。ここにダンジョン解放を宣言する」
ワーと歓声が上がる。
今迄許可のあったパーティしか入れなかった漆黒の森のダンジョンが一般にも解放されるのだ。
その一般開放式典が今日で、ローワン王国とフォゼッタ王国の主要人物やスタンピートやダンジョン探索に深く関わった者達が集まっていた。
因みに、一般開放に伴い、ローワン王国の一部地域とフォゼッタ王国の中立地帯として、どちらの国でもない扱いとなった。
一種の独立地帯である。ただ、範囲はダンジョンとその周りの地域のみの為、一国となる程ではない。
エドガーは舞台から、町並みを見下ろしていた。
今は式典の為、色々な屋台が広場に出店されている。
元々ここは人はまばらだったが、ダンジョン一般開放と同時にこれからもっと栄えていくだろう。
「あいつも来たかっただろうなぁ」
エドガーは澄み切った空へ視線を向けた。
***
――ルミナス村の屋敷の庭
「おーれーもー、こっそり行きたかったー」
「リューイはまだダメだ」
「だって傷は塞がったよ!」
「まだ痛むんだろう?」
「むー」
「可愛い顔をしてもダメだ」
車椅子に乗って駄々を捏ねている俺の前に顔を近付けるとシルバリウスは優しくキスをした。
「そろそろ陽が落ちるから部屋へ戻ろう」
シルバリウスは言うと、俺の車椅子を引いて部屋に戻って行った。
ドラゴン戦の後の話だが、取り敢えず色々大変だったらしい。
俺は出血多量で意識喪失。
傷は中々塞がらず本当にヤバかった所で、おぼえているだろうか?
スタンピート直前に応援を呼びに行った人達が居たのを。
第一陣として決して多くはないが騎士と医療団が到着したのだ。
取り敢えず、俺は国賓対応で医療団総出で治療されていたらしい。
……1週間必ず2人以上が治癒の魔法をかけ続ける24時間体制だったらしい。
何とか命の危機は脱したものの、聖剣の傷は中々治らず、気がつくと閉じた傷がまた開いているのである。
2ヶ月経った今やっと傷が閉じたらしいのだが、痛みは残っているし、激しい運動をするとまた開いてしまう可能性もあるという事で、未だ安静にしつつ車椅子生活を送っている。
俺はそんな状態だったが、もちろんフォゼッタ王国側は真相を知り激怒。
戦争妙読みか!? と危ぶまれたが、元々は始まりのスタンピートにびびって勇者召喚した国である。
虚勢が続く事はなく、早々に折れた。
その中にはスタンピート直後にも関わらず俺の父親が特使として直接ローワン王国国王の元へ乗り込んで言葉責め、威圧責めを行ったのも大きかったそうな。
結局フォゼッタ王国に有利な条件でダンジョン周りは整ってきているそうだ。
そして、スタンピートやらダンジョン停滞化や脅威になりそうだった勇者の無力化全てに俺が関わっていて、父親からも”流石にお前の功績をこれ以上は誤魔化せん”と言われた。
ならば、簡単には手が出せないようにしようと、今までのフォンデルク領のダンジョン貢献や始まりのスタンピートでの裏方等もフォゼッタ王国国王へ報告。
一地方の、一時期は死にそうだった成人したばかりの俺に対して、”信じられない”など懐疑的な発言をする者が多く、叙爵するのも褒章も反対する者は多かったが、スチュアートの証拠資料や証言資料等が的確で、サスケの何処から持ってきたか不明な不正取引などの裏情報? もとても役に立ち? 傷の治療後シルバリウスと結婚したら、うちの辺境伯爵の爵位とは別の新しい辺境伯爵位をもらう事になるばかりかダンジョンの運営権、ダンジョンがある地域の中立地帯の領地が俺の領地になることになった。
……スケールがでかいよね。
って言ったら、スチュアートに”ぼっちゃまの功績に比べたら少ないものです”とさも当然というような雰囲気で言っていたよ。
まぁ、これには俺とシルバリウスをフォゼッタ王国に繋ぎ止める役割と、独立自治体となったとは言え、そこのトップはフォゼッタ王国の者である事でどちらの国が主体となっているか示すことにも繋がるだろう。
それに中立地帯は二国に跨っていて、どちらかの名もない貴族が統治して民に反乱を起こされてはたまらない。
それならば民に人気のある勇者パーティか新ダンジョン停滞化へ尽力した俺達の方が良いのではないかとなり、フォゼッタ王国が圧力をかけた結果俺達になったらしい。(ここ辺りはサスケ調べの裏情報より)
ひっそり自由に生きるという願いは叶わなそうだが、俺はシルバリウスと穏やかな人生が過ごせれば他は多少想定とは違っても問題ないのだ。
部屋に着くと、シルバリウスはそっと車椅子から俺を抱き上げベッドへ横たえさせる。
「大丈夫か?」
「うん」
あまりにもそおっと、動かすものだから思わず笑ってしまう。
因みに、シルバリウスは言うまでもなくまた過保護になった。
まぁ、前回もそうだったしなぁと思っているが、2ヶ月経った今もべったりだ。
離れ離れの半年から、やっと会えたと思ったら俺の生死問題……確かにトラウマになりそうだ。
だからなのかは不明だが、気が付けば体のどこかしらは必ずくっ付いていて、ちょっぴり可愛いと思ってしまう今日この頃。
あと勇者については、この国も引き渡し要求をしていたらしいが(主に父親やエドガー辺りが)俺がそこまで勇者に何かして欲しいこともないので、ローワン王国側の処罰に任せている。
国王にも楯突き、隣国との関係も壊した元凶である為、処刑されるべきという意見は多いだろうが、イベントではあったが勇者パーティに救済された村や町は多くあり民達には人気なのだ。
それを処刑したとなれば、民たちが黙っていないだろう。
それをどう扱うか今頃国王は悩まされているだろうが、ローワン王国にとっても良い薬になったのではないだろうか。
そんなこんなで俺自身は現在割とのんびりしているが周りは目まぐるしく変わっている。
俺の傷が良くなり次第結婚式もする為、徐々にだが打ち合わせも入ってきているが、過保護なシルバリウスが無理はさせない。
「ヴィー、こっちにきて」
片付けをしていたシルバリウスを呼び、腰掛けていたベッドサイドをポンポンと叩く。
シルバリウスがすぐに寄ってきて
「どうした?」
と聞くので、じっと見つめると。
シルバリウスは優しく微笑み、俺の唇にシルバリウスの唇を重ねた。
舌で唇をこじ開けられ、そっと中に侵入して舌で軽く絡ませると、シルバリウスはなれていった。
……めっちゃエロい。
唇が濡れたシルバリウス。
その微笑みは艶がのっていて色気がヤバイ!
鼻血出てないよね?
たまに昏くなるような目をするものの、最近はやっと前みたいに表情筋が仕事をして微笑みを見せるようになったのだ。
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