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第1章:起の章
第2話「妹を追って…」
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僕は妹ヨーコの部屋にいた。
彼女の勉強机の前で茫然と立ち尽くしている。
どれくらいそうしていただろうか?
救急車のサイレンが遠くで鳴っていた。サイレンの音で僕は我に返った。
「そうだ、ヨーコが…」
僕は部屋の中を見回して、ここが妹ヨーコの部屋であることを確認した。
そして、ヨーコの勉強机に置かれたタブレット端末… ヨーコの物だ。
「このタブレットが緑色に光ってヨーコは吸い込まれたんだ…」
僕は頭がハッキリとしてきて、さっき起こったことを思い返した。
「ヨーコは本当にこのタブレットの中に吸い込まれたのだろうか…?」
僕はタブレット端末を手に取って調べてみる。
別に大して変わった所のない普通のタブレット端末だった。
僕も似たようなのを持っている。
ヨーコのタブレット端末は今年の14歳の誕生日に両親に買ってもらった物だった。
「なんでこのタブレットにヨーコが…」
僕はこの理不尽な現象と、兄として目の前でヨーコが消えるのを何も出来ずに見ていただけだったことが腹立たしくて仕方が無かった。
「どうすればいい… 父さん母さんに何て説明すればいいんだ…?」
僕は持っていきようのない自分の感情を、どうすることも出来なかった。
もう一度手に持ったタブレット端末を見直してみる。
電源は入ったままだった。
画面にはヨーコが見ていたサイトだろうか、画面に映し出されていた。
『ヨーコはいったいどんなサイトにアクセスしてたんだ…?』
僕は椅子に座り、タブレット端末をじっくり調べる事にした。
タブレット端末に映るサイト画面は見たことの無い文字で書かれていた。
文字は読めないが、背景や描かれた絵の感じは何かおどろおどろしくて魔法の世界といったイメージだ。
読めないので印象だけで言うと、何か禍々しい感じがする。
何だろう… 嫌な感じなのだ…
生理的に感じる不快感だろうか…?
だが、ヨーコのためには嫌だなんて言ってられない。
僕はサイトのURLをコピペして自分のスマホに転送した。
とにかく、字は読めないが画面上のタッチ出来そうな箇所を指で触れてみた。
何の反応もない…
さっきヨーコを包み込んだ緑色の光も、今では画面上の背景が同じ緑色だということくらいしか確認出来ない。
ただ、この背景の色は間違いなくヨーコを連れ去ったオーロラ光と同一の色だ。
僕に断言できるのは、それくらいだった。
タブレットを机に置こうとして、すぐ横に置いてあったノートに気が付いた。
ヨーコの物だろう。どこにでもある普通の大学ノートだ。
ヨーコが自宅の勉強か、学校で使っている物なのだろう。
表紙を見ると『魔法のノート』と書いてある。
女子中学生らしい字体だがヨーコの字じゃない。友達のかな?
中を開いてみた。
最初のページに『魔法のサイト』と書いてあり、その下にURLのアドレスの記載があった。
さっき僕が自分のスマホに転送したURLと同じものだった。
つまり、このノートはあの文字の読めないサイトについて書いてあるんだ。
何かヒントになるかも…
僕は読み進めていった。
絵も描いてある。画面の絵と同じがある。それにクリックするボタンの絵もあって…
「なになに…、ここをクリックすると次のページに進む…」
僕はノートの指示通りにタブレット画面上のその箇所を押してみた。
すると画面が次のページに進んだ。
あとはノートに書いてある通りに進んでいったが、記述の最後の方で『解放』と書いてあるところを見つけた。
「『解放』って何の事だろ… 押すとどうなるんだ…?」
僕はためらった。
怖いんだ… さっきヨーコを連れてったオーロラ光が現れるんだろうか…?
でも、僕はヨーコを連れ戻すためなら何だってする。
たった一人の妹で僕達は大の仲良し兄妹なんだ。
よし、クリックしてやる。
と、その前に僕までどこかへ連れて行かれたらまずいな。
持って行くものを用意しよう。何があっても大丈夫なように。
準備をするために僕は自分の部屋に戻った。
僕の用意したものは…
まず、ペットボトル入りのミネラルウォーター、お菓子少々、愛用のスマホ、モバイルバッテリー、懐中電灯、十徳ナイフ、ロープ、ガムテープ、着替えのジャージ等など…
あと護身用に叔父からもらった特殊警棒(叔父は捜査一課の刑事だ)。
まだ不安はあるが、とりあえず僕のリュックサックは一杯になった。
「それじゃあ、ヨーコを取り戻しに行くぞ!」
僕は固い決心を口にして自分を鼓舞し、ヨーコのタブレットに向き合った。
そして例の『魔法のサイト』の『解放』箇所をクリックした。
するとタブレットの画面が赤い光に輝き始めた。
見る間に画面の赤い光はさらに輝きを増して、画面上に赤い光の柱となって真上に放射された。
そして赤い光の柱は横にカーテン状に広がり始める。
まるで赤いオーロラのカーテンの様だ。
ただ、さっきヨーコの身体を包んだ光のカーテンは赤ではなく緑色だったが…
僕は赤い光のカーテンに包まれて自分の外側が何も見えなくなった。
僕は手探りでヨーコの机を確かめ、上に載っていたタブレットを両手に掴んだ。
そして、僕の意識は途切れた…
彼女の勉強机の前で茫然と立ち尽くしている。
どれくらいそうしていただろうか?
救急車のサイレンが遠くで鳴っていた。サイレンの音で僕は我に返った。
「そうだ、ヨーコが…」
僕は部屋の中を見回して、ここが妹ヨーコの部屋であることを確認した。
そして、ヨーコの勉強机に置かれたタブレット端末… ヨーコの物だ。
「このタブレットが緑色に光ってヨーコは吸い込まれたんだ…」
僕は頭がハッキリとしてきて、さっき起こったことを思い返した。
「ヨーコは本当にこのタブレットの中に吸い込まれたのだろうか…?」
僕はタブレット端末を手に取って調べてみる。
別に大して変わった所のない普通のタブレット端末だった。
僕も似たようなのを持っている。
ヨーコのタブレット端末は今年の14歳の誕生日に両親に買ってもらった物だった。
「なんでこのタブレットにヨーコが…」
僕はこの理不尽な現象と、兄として目の前でヨーコが消えるのを何も出来ずに見ていただけだったことが腹立たしくて仕方が無かった。
「どうすればいい… 父さん母さんに何て説明すればいいんだ…?」
僕は持っていきようのない自分の感情を、どうすることも出来なかった。
もう一度手に持ったタブレット端末を見直してみる。
電源は入ったままだった。
画面にはヨーコが見ていたサイトだろうか、画面に映し出されていた。
『ヨーコはいったいどんなサイトにアクセスしてたんだ…?』
僕は椅子に座り、タブレット端末をじっくり調べる事にした。
タブレット端末に映るサイト画面は見たことの無い文字で書かれていた。
文字は読めないが、背景や描かれた絵の感じは何かおどろおどろしくて魔法の世界といったイメージだ。
読めないので印象だけで言うと、何か禍々しい感じがする。
何だろう… 嫌な感じなのだ…
生理的に感じる不快感だろうか…?
だが、ヨーコのためには嫌だなんて言ってられない。
僕はサイトのURLをコピペして自分のスマホに転送した。
とにかく、字は読めないが画面上のタッチ出来そうな箇所を指で触れてみた。
何の反応もない…
さっきヨーコを包み込んだ緑色の光も、今では画面上の背景が同じ緑色だということくらいしか確認出来ない。
ただ、この背景の色は間違いなくヨーコを連れ去ったオーロラ光と同一の色だ。
僕に断言できるのは、それくらいだった。
タブレットを机に置こうとして、すぐ横に置いてあったノートに気が付いた。
ヨーコの物だろう。どこにでもある普通の大学ノートだ。
ヨーコが自宅の勉強か、学校で使っている物なのだろう。
表紙を見ると『魔法のノート』と書いてある。
女子中学生らしい字体だがヨーコの字じゃない。友達のかな?
中を開いてみた。
最初のページに『魔法のサイト』と書いてあり、その下にURLのアドレスの記載があった。
さっき僕が自分のスマホに転送したURLと同じものだった。
つまり、このノートはあの文字の読めないサイトについて書いてあるんだ。
何かヒントになるかも…
僕は読み進めていった。
絵も描いてある。画面の絵と同じがある。それにクリックするボタンの絵もあって…
「なになに…、ここをクリックすると次のページに進む…」
僕はノートの指示通りにタブレット画面上のその箇所を押してみた。
すると画面が次のページに進んだ。
あとはノートに書いてある通りに進んでいったが、記述の最後の方で『解放』と書いてあるところを見つけた。
「『解放』って何の事だろ… 押すとどうなるんだ…?」
僕はためらった。
怖いんだ… さっきヨーコを連れてったオーロラ光が現れるんだろうか…?
でも、僕はヨーコを連れ戻すためなら何だってする。
たった一人の妹で僕達は大の仲良し兄妹なんだ。
よし、クリックしてやる。
と、その前に僕までどこかへ連れて行かれたらまずいな。
持って行くものを用意しよう。何があっても大丈夫なように。
準備をするために僕は自分の部屋に戻った。
僕の用意したものは…
まず、ペットボトル入りのミネラルウォーター、お菓子少々、愛用のスマホ、モバイルバッテリー、懐中電灯、十徳ナイフ、ロープ、ガムテープ、着替えのジャージ等など…
あと護身用に叔父からもらった特殊警棒(叔父は捜査一課の刑事だ)。
まだ不安はあるが、とりあえず僕のリュックサックは一杯になった。
「それじゃあ、ヨーコを取り戻しに行くぞ!」
僕は固い決心を口にして自分を鼓舞し、ヨーコのタブレットに向き合った。
そして例の『魔法のサイト』の『解放』箇所をクリックした。
するとタブレットの画面が赤い光に輝き始めた。
見る間に画面の赤い光はさらに輝きを増して、画面上に赤い光の柱となって真上に放射された。
そして赤い光の柱は横にカーテン状に広がり始める。
まるで赤いオーロラのカーテンの様だ。
ただ、さっきヨーコの身体を包んだ光のカーテンは赤ではなく緑色だったが…
僕は赤い光のカーテンに包まれて自分の外側が何も見えなくなった。
僕は手探りでヨーコの机を確かめ、上に載っていたタブレットを両手に掴んだ。
そして、僕の意識は途切れた…
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