セピア色の秘め事

樹木緑

文字の大きさ
16 / 52

第16話 一夫多妻?の様な感覚

しおりを挟む
“それにしても豪華なパーティーだな……”

見渡せば見渡すほど、
どれだけ光の家の格式が高いのかが分かる。

そう言った場で言い寄られる仁の家もそれなりのものはあるのだろう。

でも彼らを見た限り、
そう言った権力を振りかざしているような行動は見られない。

だからまさかこんな家の出だとは思いもしなかった。

そして仁もきっと……

「こう言った格式の高い場で伴侶の申し込みって、
一体仁の家って何をしてるの?」

何時かはわかるだろうけど、素朴な疑問を尋ねてみた。

「あれ? 言ってなかったっけ?

俺達、従兄弟っていうか、もう遠い親戚になるんだろうけど、
俺の高祖母が仁の曾祖父と兄弟なんだよ。

で、家は事業を発展させたんだけど、
向こうはずっと続く政治家さ。

それに佐々木家は芸能プロダクションとのコネクションもあるから、
芸能界とはそっち繋がりさ」

まあ、これだけの展開を見ると、
彼らが上級社会の出というのは予想していたけど、
実際に聞くとやっぱり尻込みをしてしまう。

家もα家系でどちらかというと裕福な方だけど、
頭脳家系なので事業主とは全然畑が違う。

もう何が出て来ても驚かないかもしれないけど、
聞かぬが仏と思った。

「君の家系って凄いね。

なんでも飛び出してきそう……

もう君の事業の内容は聞かないでおくよ。

聞いたら友達でいられなくなりそう……

身分の違いって本当にあるんだね~

まあ、君が身分で周りの人を選ばないのは十分わかったけど……」

そういうと光は涼しく笑っていた。

そして仁の居る方に向かって、

「おい! 仁!」

そう言って右手を上げると、
仁も相手方に一礼し僕たちの元へと走ってきた。

でも僕たちの所へやってくるなり、
文句のオンパレードだった。

「あのたぬき親父、
自分の娘と見合いしろだの何だの抜かしやがって!

あの狸親父だけじゃなく、
ここに来ると言い寄ってくる輩ばかりだよ。

茉莉花さんには悪いけど、
だからこんなパーティーには来たくないんだよ!」

そう言って吠えていると、

「こんなパーティーで悪かったわね!」

と茉莉花さんが仁王立ちで僕たちの後ろに立っていた。

僕はアワアワとしていたけど、
この二人は何のことは無い。

直ぐに光ママに向かってあれやこれやと言い始めた。

「お袋! なんであんなヤツをここに呼んだりしたんだよ!

それにアイツや、アイツも!

人の顔見れば、家の娘、家の娘って!

日本は一夫多妻じゃないんだ!

全く、俺はハーレムに住む王様じゃないんだぞ!」

とビックリした事に、
二人に言い寄っているのは一人や二人では無いらしい。

シングルの仁ならまだ分かるけど、
もう既に番がいて結婚している光もそうだと知った時は驚きを隠せなかった。

一体日本人の感覚って……

いや、アメリカにもいるのかも知れないけど、
只単に僕が今まで会った事が無かっただけなのかも……

もしかするとαである僕の兄さんは
そう言うこともあり得るのかもしれない……

今度電話した時に聞いてみよう、
そう思わせるような出来事だった。

それよりも陽向だ。

一体どんな心細い思いをしてテラスにいるんだろう……

こんな仕打ちが頻繁にだなんて、
僕だったら心が折れてしまうかもしれない。

でも僕の心配は無用で、
光はもう既にテラスの扉の所で、
向こう側にいるであろう陽向を見つけ凄くいい笑顔で微笑んだ。

途端扉の向こうから二本の腕が伸びて来て、
光の腰に回ったかと思うと、
その腕は直ぐに光を引き寄せて
光は倒れ込む様にテラスの方へと引き寄せられて行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鳥籠の夢

hina
BL
広大な帝国の属国になった小国の第七王子は帝国の若き皇帝に輿入れすることになる。

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。 しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです… 本当の花嫁じゃないとばれたら大変! だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

生意気Ωは運命を信じない

羊野迷路
BL
小学生の時からかっていた同級生と、進学校(自称)である翠鳳高校で再会する。 再会した元同級生はαとなっており、美しさと男らしさを兼ね備えた極上の美形へと育っていた。 *のある話は背後注意かもしれません。 独自設定ありなので1話目のオメガバースの設定を読んでから進んでいただけると理解しやすいかと思います。 読むのが面倒という方は、 1、Ωは劣っているわけではない 2、αかΩかは2つの数値によりβから分かれる 3、Ωは高校生以上に発覚する事が多い この3つを覚えておくと、ここでは大体大丈夫だと思われます。 独自設定部分は少しいじる事があるかもしれませんが、楽しんで頂けると幸いです。 追記 受けと攻めがくっつくのはまだ先になりますので、まったりお待ちください。

【短編】初対面の推しになぜか好意を向けられています

大河
BL
夜間学校に通いながらコンビニバイトをしている黒澤悠人には、楽しみにしていることがある。それは、たまにバイト先のコンビニに買い物に来る人気アイドル俳優・天野玲央を密かに眺めることだった。 冴えない夜間学生と人気アイドル俳優。住む世界の違う二人の恋愛模様を描いた全8話の短編小説です。箸休めにどうぞ。 ※「BLove」さんの第1回BLove小説・漫画コンテストに応募中の作品です

運命よりも先に、愛してしまった

AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。 しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、 2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。 その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

処理中です...